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【当日編】「水族館では●●を見よ!」さかなのおにいさん かわちゃんが伝授・水族館がもっと面白く、ためになる楽しみ方

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海や川が近く、屋内で楽しめる水族館は、定番の夏のレジャー施設。
ぼんやりと水槽をながめるだけでも楽しいけれど、せっかくなら一生心に残る“体験”にしませんか?
見るポイントを意識すると、もっとおもろい!ためになる!
本記事では、「魚を好きになれば、海は豊かになる」という思いのもと、魚の魅力を楽しく伝える活動をしているさかなのおにいさん かわちゃんが、水族館で見るべきポイントや、おすすめのまわり方を伝授します。

<準備編>はこちら



<当日編>

無理なく回るには、今日のプログラムをチェックすべし

――いざ水族館に行くと、全部じっくり見ようとして、ワンフロアまわるだけでぐったり…なんとこともあります。無理なく楽しく回るコツがあったら教えてください。

さかなのおにいさんかわちゃん(以下、「かわ」):わかります。美術館なんかも、後半は流し見になったりしちゃいますよね。無理なく見るコツは、ずばり「休憩をこまめに入れること」です。
水族館の入口に、「今日のプログラム」が掲示されているんですよ。それをまず、じっくり見る。そして、見たいショーの時間を把握して、逆算して回ると、くまなく回れます。たとえば、12時からイルカショーだったら、早めにイルカショーの会場に行って座っちゃうんです。近くでジュースを売っていることもあるので、休みながらイルカを待つといいですよ。
各水族館ごとに、おいしいスイーツや、展示をモチーフにした食べ物があったりするのも楽しいです。たとえば、東京のすみだ水族館には、チンアナゴパンという長いパンがあったり、マグロの展示が有名な葛西臨海水族園ではまぐろカツカレーが食べられたり……。そんなふうに、食べ物も楽しみながら、しっかり休憩をして回ると疲れずに見ることができます。


水族館では入口の水槽のテーマを感じるべし

――実際に見て回るときに、こういうところを見るといいよ、というポイントはありますか?

かわ:いっぱいあって何から話そうか…(笑)。
水族館って、最初の水槽にテーマを持ってくることが多いんです。大阪の海遊館は、最初がひたすら長いエスカレーターなんです。そして、海底トンネルのようなゲートをくぐった先に、ドーンと<日本の森>エリアが出てくる。その最初の景色の中で、「いまから海の中にもぐるぞ」という気持ちになる。そんなふうに、入口の水槽のテーマを感じる、というのはすごくいいです。京都水族館だと、入ってすぐにオオサンショウウオがいるんです。京都の川が上流から始まって、下流の海につながって……と、水の物語があるんですよね。
それから、先ほども話に出ましたが、その水族館でしか見られない生きものって絶対にいるんです。それは見逃したくないですよね。


大水槽では、層ごとの魚の特徴に注目!

かわ:ちょっと通(つう)な見方なんですが、大水槽を見るとき、ぼくは上層・中層・下層を泳ぐ魚を見くらべます。上のほう、水面近くは「浅瀬」です。プランクトンがわいて、それを食べる小魚や赤ちゃんのお魚がいっぱいいます。中層に行くと、少しずつブリなどの大きい魚が増えます。そして、下の「海底」には、カサゴや、クエ、サメのなかまがいます。光が届かなくなって、水の色もちがって見えます。
魚のサイズのほかにも、観察するとちがいが見えてきます。そのひとつが、口。上層、中層の魚は、プランクトンや小魚を追いかけてパクッと食べるので真横に口がありますが、下層の魚は上から落ちてくるものを食べるので、あごがしゃくれて、口が上向きについています。
そんなふうに、水槽のどのあたりを泳いでいるかに注目して、特徴をくらべてみるとおもしろいですよ。


生きた魚を見るということ

かわ:館によっては、同じ水槽をちがう角度から眺められるところがあるんです。そのときは、ぜひ両方から同じ魚を見てほしい。たとえばサバは、横から見たときは見つけやすかったのに、鳥の目線で上から見ると見つけづらいことに気づくと思います。
サバを横から見ると、上の方になみなみの模様があって、下が白いですよね。なぜかというと、上にいる敵、下にいる敵に見つからないように、それぞれに向けて擬態しているんです。背中の模様は、鳥の目線で見たとき、海面の波紋にまぎれます。一方、マグロなどが下から見上げると、おなか側が白くて、太陽の光にまぎれる。
図鑑で見るといつも左向きで、背びれが立っているけれど、実際に生きている魚を見ると、もちろん右向きにも泳ぐし、斜めから、上から見たときに、いろんなちがいに気づく。それをスケッチしたら絵もうまくなりますよ!


水族館の学びを定着させるポイントは、親子の会話にあり!

――水族館で見たこと、感じたことを忘れないようにするために、できることはありますか?

かわ見たもの、感じたことを覚えておきたいと思うなら、ポイントは「親子の会話」です。たとえばチンアナゴを見たとき、「砂の下はどうなってるんだろうね?」と疑問を投げかけて、話し合ってみる。最後に、「家で図鑑を見てみよう」まで行ったら、きっともう忘れないです。「砂の上から出てるのは、全身の3分の1なんだって!」とわかったら、次に水族館で見たときには、解説できるようになっています。
「クラゲの目ってどこにあるんだろう」「脳みそってあるのかな?」など疑問を投げかけたら、見る→考える→調べる→話す。アウトプットまですると、絶対に忘れません。

 

――インプット、アウトプットというと勉強っぽい感じがしてしまいますが、それなら自然に楽しくできそうですね。

かわ:学校の授業で成功体験を積める子は限られていますけど、水族館で魚のことを話したら「すごいね」って言ってもらえる。すると少し勇気が出て、イルカにタッチする体験に、勇気を出して手を上げられるようになるかもしれない。そうしたらまた、イルカに触った感触を人に話したり、触ったこと自体が自信になったりして、自己肯定感につながります。そうやって成功体験を積み上げる場所のひとつが、水族館だと思うので、ぜひお父さん・お母さんも前のめりに楽しんでもらえたらうれしいです。


水族館をみんなで楽しむには

――最後に、生きものも含めてみんなが楽しくすごすためのポイントを教えてください。

かわ:一番に伝えたいのは、水槽をたたかないでねということです。たたくとびっくりして、水から飛び出したり、壁にぶつかったりして、死んじゃうことがあるんです。カメラのフラッシュも同じです。
もうひとつ、タッチプールという生きものと触れ合えるコーナーがある施設もあって、子どもたちに大人気なのですが、

  • 触る前と触った後に手を洗う
  • 口もとに手をもっていかない
  • つかまない、なでるだけ

という約束を守ってください。生きものや自分が病気になったり、場合によっては生きものがケガをして、死んでしまうこともあります。
これはお父さん、お母さんもいっしょに学んで、教えてあげてもらいたいです。命あっての水族館なので、できるかぎり命は奪わないであげてほしいなと思います。
ただ「ダメだよ」というのではなくて、理由までしっかり話してあげたら、わかる子もいます。そうやって、命と向き合う場所として、水族館を利用してもらいたいです。


水族館は、自然の入口

かわ:ぼくは日本全国100館以上の水族館をまわりましたが、それぞれ、全部ちがうんです。
北海道にある北の大地の水族館は、冬になったら凍る水槽があったり、アクアマリンふくしまでは、お寿司が食べられたり、ひとつひとつの水族館に魅力がある。それはやっぱり、日本の各地域の自然に、それだけ魅力があるということだと思うんです。
水族館は、自然への入口です。水族館でシャチが好きだと思ったら、今度は自然の中のシャチに目を向けてほしい。そうして、シャチが生きる海をどうやったら守れるだろうという方向に気持ちが向いていくといいなと思います。
ぼくは水族館のお土産を集めるのも大好きなのですが、一番のお土産は物ではなくて、「この自然を守りたい」と思う気持ちだと思うんですよね。だから、水族館を楽しんでもらいたいのはもちろんなんですけど、本番は家に帰ってからなんじゃないかな。水族館で魚が好きになったら、魚や海のことを学んで、海をまもるために自分ができるアクションを考えてくれたらうれしいです。
ぼくの活動も同じで、魚の曲を作るなど、アニメーションや歌、それから絵本やYouTubeで楽しく魚のことを知ってもらおうとしているのは、「子どもが魚好きになれば、未来の海が豊かになる」という思いのもとでやっているんです。その中で、自然の入口である水族館を応援することが、豊かな海がある未来につながると思っています。
そのために、これからも魚の魅力を発信していきたいです。

<準備編>はこちら

 


さかなのおにいさん かわちゃん:絵本作家/クリエイター/タレント(ラジオDJ・アナウンサー・YouTuber) 絵本や映像、メディアや主催のスクールを通じて子どもたちに“さかなの生態と海の大切さ”を楽しく伝えるクリエイター。テレビ東京「シナぷしゅ」で音楽・アニメーション・映画制作に携わり、絵本作家としてKADOKAWA「おさかなさがしえずかん」「おさかなねんね」など多数出版。FURUNO公式アンバサダー、アドベンチャーワールドのエデュテインメントアンバサダーに就任している。



 


さかなのおにいさんかわちゃんとめぐる水族館ツアーに参加しよう!

同じ水族館でも、見るポイントや声かけなどで、体験の幅がぐっと広がるのだなと実感するインタビューでした。
角川の集める図鑑GET!5周年を記念して、図鑑を買って応募すると、さかなのおにいさんかわちゃんと一緒に水族館をめぐるツアーが当たるキャンペーンを開催中!
応募締め切りは9月30日。ご応募おまちしています!



書誌情報


作・絵: さかなのおにいさん かわちゃん

定価
1,430円(本体1,300円+税)
発売日
サイズ
B5判
ISBN
9784041137260

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さく・え: さかなのおにいさん かわちゃん

定価
1,320円(本体1,200円+税)
発売日
サイズ
B5変形判
ISBN
9784041148075

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総監修: 宮 正樹 監修: 佐土 哲也 監修: 小枝 圭太

定価
2,200円(本体2,000円+税)
発売日
サイズ
A4変形判
ISBN
9784041118535

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監修: 江口 暢久 監修: 藤倉 克則

定価
2,420円(本体2,200円+税)
発売日
サイズ
A4変形判
ISBN
9784041135297

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「角川の集める図鑑GET!」シリーズは、創刊5周年を迎えました!



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