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水族館顔負け!?「琵琶湖」のすべてを感じるミュージアム【滋賀県】 「角川の集める図鑑GET!とめぐる日本の水族館」第17回


日本は世界で一番水族館が多い国ともいわれています。みんながよく行く水族館だけでなく、 日本全国にはたくさんの魅力的な水族館があります!水族館で実際にはたらく人から、 水族館の魅力や楽しさを教えてもらって、 魚や水の生きものの面白さを発見しよう!そして水族館へ行ってみよう! 今回から、水族館さんからご紹介いただいた後に、日本全国の水族館を訪れ『全国クセすご水族館図鑑』でも大人気の「さかなのおにいさん かわちゃん」に水族館のおすすめポイントを教えてもらいます。(毎月1回更新予定)

 

水族館顔負け!?「琵琶湖」のすべてを感じるミュージアム
滋賀県立琵琶湖博物館【滋賀県】

連載第17回は「滋賀県立琵琶湖博物館」さん。博物館の中に水族館さながらの「水族展示室」があるという、国内でもたいへん珍しい施設です。




【五感で感じ、楽しむミュージアム】

 琵琶湖博物館(通称、びわ博)は「湖と人間」をテーマとした総合博物館です。名前だけ聞くと、なぜ水族館の図鑑に…?と思うかもしれません。実は、びわ博には水族展示室があり、水族館顔負けの約150種20,000点を超える淡水魚を中心とした淡水生物を展示しています。水族展示室には保護増殖センターという施設があり、40種近い絶滅危惧種の淡水魚の系統保存も行っています。総合博物館なので、魚だけでなく、湖(自然)と人との関係について、様々な視点から五感で感じ、楽しみながら学ぶことができます。学芸員の研究に基づいた圧巻の展示を是非ご覧ください。



かつて琵琶湖の周りには、このツダンスキーゾウとほぼ同じサイズの巨大ゾウ・ミエゾウが生息していたと考えられています。



ヨシ原は多くの生物の生息場や産卵場となっています。写真はヨシ原の小さな住人カヤネズミ。草で作った巣で寝ていることが多いので、そっと覗いてあげてください。



圧倒的な生物標本、生物コレクション。琵琶湖周辺の生物多様性の豊かさを実感できます。


【淡水魚の宝庫・琵琶湖】

 日本一の湖・琵琶湖は日本でもっとも純淡水魚が豊かな水域です。70種近い在来魚が生息し、そのうち17種もが世界で琵琶湖水系にしか生息しない固有種です。この琵琶湖の淡水魚の多様性と豊かさを伝えるための展示、それが水族展示室です。



フォトスポットとしても人気の高いトンネル水槽。ビワマス、ハス、野生型コイ、イワトコナマズなど琵琶湖を代表する魚類が泳ぎ、まるで琵琶湖に潜ったかのような感覚になります。



琵琶湖の主ともいわれるビワコオオナマズ。人気が高く、ミュージアムショップではオリジナルグッズも充実しています。



数千尾ものアユが泳ぐコアユ水槽。



琵琶湖流入河川の下流域は季節により生息する魚の種類が変わります。カットリヤナ水槽(下流域水槽)では、それを再現し、季節によって魚を入れ替えるようにしています。秋には立派なビワマスが泳ぎ、運が良ければ産卵シーンを水槽で見られることもあります。


【よみがえれ!!日本の淡水魚 保護増殖センター】

 びわ博はただ生物を飼育しているだけではありません。保護増殖センターという施設があり、40種近い絶滅が危惧される淡水魚の系統保存を行っています。淡水魚の保護施設としては日本最大級です。歴史も古く、水族展示室の前身でもある琵琶湖文化館の時代からいうと、30年以上にわたって繁殖を続けている魚もいます。そういう意味では世界に誇るべき淡水魚保護施設です。これからは、施設内における繁殖だけでなく、ここでの研究成果や経験を踏まえ、自然下での絶滅危惧種復活に向けての取り組みも推進していきたいと考えています。



よみがえれ!!日本の淡水魚のコーナー。びわ博で保護増殖している絶滅危惧種の一部を見ることができます。



保護増殖センター。展示室から施設を見ることができます。しかし、保護増殖センターで今どんなことが行われているのかということがわかりにくかったため、最近、ホットな話題を紹介するトピック展示コーナーを新たに設けました。

 びわ博は、みなさんを琵琶湖のフィールドへいざない、交流の場となるミュージアムとして、みなさんとともに「湖の人間」の新しい共存関係を築いた社会の実現を考えていきます。数えきれない発見に出会いに来ませんか?

 



(文=学芸員 川瀬成吾)




☞ 水族館通が語る!琵琶湖博物館のココがすごい!!

 ◆え!水族館の中に魚屋さん!? 


(魚屋のイラスト)


横を泳ぐイワトコナマズも「僕が売られてるー!?」と叫びそうなこの展示。これこそが「水族館」ではない琵琶湖「博物館」
生態だけでなく湖魚を食べてきた食文化を伝えるために建てられました。ちなみに古民家も一棟丸々展示されてるんですよ!

 ◆琵琶湖のスケールのデカさが分かる施設!!

 



琵琶湖博物館は水族展示だけでなく歴史や地理も含めて、琵琶湖の魅力をあらゆる角度で知ることのできる施設。そして鳥の目線で歩ける樹冠トレイルなど、学んだあとはすぐにフィールドへ繰り出せるのも大きな魅力なんです!!


「さかなのおにいさんかわちゃん」プロフィール


かわちゃんさんと「全国クセすご水族館図鑑(中央公論新社)」

さかなのおにいさん かわちゃん(川田一輝)
1990年生まれ。さかなたちの“オモロい”生態や海の大切さをイラストや歌で伝えることで、子どもの好奇心を育てる活動をしている。テレビ東京「シナぷしゅ」では作詞作曲うた・イラストを担当。著書に「ツッコミたくなるおさかな図鑑(ワニブックス)」や「全国クセすご水族館図鑑(中央公論新社)」など。


滋賀県立琵琶湖博物館
世界有数の古代湖である琵琶湖と人間をテーマとした総合博物館。2020年に6年に及ぶリニューアルが完了し、展示が一段とパワーアップした。琵琶湖だけでなく、バイカル湖、タンガニーカ湖、マラウイ湖など世界の名だたる古代湖の魚類も見ることができる。世界で唯一淡水に住むアザラシ・バイカルアザラシも待っています。

〒525-0001 滋賀県草津市下物町1091
Tel:077-568-4811
公式HP: 琵琶湖博物館HP
営業時間:9:30~17:00(最終入館16:00)
開館情報:毎週月曜日(休日の場合は開館)、その他臨時休館あり
Facebook:https://www.facebook.com/biwahaku
Twitter:https://twitter.com/biwahaku
Instagram:https://www.instagram.com/biwahaku/
YouTube:https://www.youtube.com/channel/UCnm1cPWFM1CCiv2HYkLiCtQ



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書籍情報


総監修:宮 正樹 監修:佐土 哲也 監修:小枝 圭太

定価
2,200円(本体2,000円+税)
発売日
サイズ
A4変形判
ISBN
9784041118535

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