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日本は世界で一番水族館が多い国ともいわれています。みんながよく行く水族館だけでなく、 日本全国にはたくさんの魅力的な水族館があります!水族館で実際にはたらく人から、 水族館の魅力や楽しさを教えてもらって、 魚や水の生きものの面白さを発見しよう!そして水族館へ行ってみよう! (毎月2回更新予定)
クラゲの展示種数は世界一
鶴岡市立加茂水族館【山形県】
連載第3回は「鶴岡市立加茂水族館」をご紹介します。鶴岡市立加茂水族館は、山形県鶴岡市内に位置する長い歴史のある水族館です。日本海に面した岬に立ち、クラゲをテーマにした展示で世界的にも有名です。愛称はクラゲドリーム館。常時60種以上のクラゲが展示される「クラネタリウム」では、円柱型のクラゲ水槽「クラゲチューブ」などクラゲ好きにはたまらない仕掛けがあふれています。
クラゲの魅力を伝える
鶴岡市立加茂水族館では、クラゲの展示をメインにしており、国内だけでなく、世界中のクラゲを集めて展示しています。クラゲは、寿命が短く、多くのクラゲが数か月、短いものでは数日しか生きません。そのため、長い間展示するためにはクラゲを繁殖させる必要があります。また、クラゲは非常にデリケートな生き物で、飼育する水質や水温、水流、餌(えさ)などにとても気を使います。また、クラゲの種類によって繁殖や育成の条件が違うため、それぞれのクラゲの特性を知っておかなければなりません。繁殖や育成ができていないクラゲもたくさんいます。私たち飼育員は日々試行錯誤しながらクラゲを飼育しています。
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クラゲドリームシアター。常時1万匹以上のミズクラゲが漂います。
クラゲの姿は多様性の極致
そんなクラゲですが、よく観察するとそれぞれの種(しゅ)で形や色、動きなどが違っているのがわかると思います。クラゲが地球上に誕生したのは5億年以上前とされていて、その姿は現在でも大きくは変わっていないと考えられています。一方で、細部は長い年月をかけて多様化しました。特に、大きさが数ミリメートルの小さなクラゲたちは一見するとほとんど変わらないように見えますが、実は少しずつ違います。それぞれが独自の進化を遂げていった結果であると考えられますが、なかにはどうしてこの形になったのかよくわからないクラゲもたくさんいます。その形にどんな意味があるのか、ないのか、そんな長い進化の過程に思いを巡らせてみるのも面白いかもしれません。
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クラゲ解説コーナー。ここで数センチ~数ミリの小さなクラゲを展示しています。
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サボテンのような形のハシゴクラゲ。数ミリのクラゲにも個性がたくさん。
庄内浜特有の文化を発信
加茂水族館では、山形県庄内地方の生き物や文化の発信も積極的に行っています。展示している魚の一部は館長やスタッフが目の前の海で釣り上げたものだったりします。また、日本海特有の魚たちや、庄内地方の浜文化や魚の伝統料理を紹介しています。マダラの料理の仕方や旬の魚の紹介や、冬には庄内伝統の加工食品「鮭のしょんびき」の実物展示も行っています。
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釣りをする館長。
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庄内竿の展示。庄内地方は江戸時代から釣りが盛んでした。
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庄内伝統の「鮭のしょんびき」。
オールナイトカモスイ
鶴岡市立加茂水族館では毎週土曜日、午後6時頃から翌朝の8時頃まで水族館のクラゲの様子をYouTubeで生配信しています。
▼加茂水族館公式チャンネルはこちら
(文=クラゲ担当 菅野響樹)
鶴岡市立加茂水族館
館内にクラゲ研究所をもち、クラゲの展示種数世界一。アシカ、アザラシの繁殖にも取り組んでおり、庄内浜で見られる魚類も数多く展示しています。
〒997-1206山形県鶴岡市今泉字大久保657-1
Tel:0235-33-3036
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