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自然の中で学ぶ! 『のびーる理科』×キャンプでできる自由研究


夏の思い出を、自由研究にも。
キャンプでの体験を「理科の学び」につなげてみませんか?

今年の夏休みは、家族でキャンプに行くご家庭も多いのではないでしょうか。自然の中には、子どもたちの「なぜ?」「どうして?」を刺激するヒントがたくさんあります。

角川まんが学習シリーズ『のびーる理科』は、「天体と気象」「エネルギー」「生物」「化学」の4つのテーマで、身近な不思議を楽しく解説してくれる、理科がもっと好きになるシリーズ。今回は、キャンプでの体験と「のびーる理科」を組み合わせてできる、自由研究にぴったりなアイデアをご紹介します。

 

▼目次
◎「天体と気象」:川辺と夜空で、自然を感じる観察を
 ▼川辺の石を観察してみよう
 ▼ 星空観察:「夏の大三角」を探してみよう
◎「エネルギー」:キャンプ道具のしくみを理科目線で
 ▼ 「てこの原理」は身近な道具の中に
◎「化学」:火や熱、色の変化を観察してみよう
 ▼火と熱の伝わり方を体感
 ▼よく燃えるたき火の工夫を探ろう
 ▼ 花火の色を見て「炎色反応」にふれる
◎「生物」:昆虫や植物の観察から「発見」につなげる
 ▼アリの行列はなぜできる?
 ▼空気の気持ちよさに、植物のひみつあり?
 ▼昆虫の「昼と夜」のちがいを観察



 

「天体と気象」:川辺と夜空で、自然を感じる観察を

▼ 川辺の石を観察してみよう

夏のキャンプといえば、川遊びも楽しみのひとつ。川辺で水を触ったり、小さな魚を見つけたり、石を集めたり――自然とのふれあいがいっぱいです。



そんな川辺の石をじっくり見てみると、形や大きさにいろいろな違いがあることに気づきます。石の形は川の水の流れによって削られたり、運ばれたりして変わっていきます。

※観察するときは、必ず流れのゆるやかな安全な場所で行いましょう。


(『のびーる理科 天体と気象 地球・宇宙・天気・自然』P.189より)


小さなお子さんなら「お気に入りの石探し」として、高学年なら「上流と下流での違い調べ」など、川辺の石の観察は年齢に合わせて楽しめるのもポイント。
遊びながら自然の力を感じられる、自由研究にもぴったりのテーマです。

「浸食(しん食)」「運搬(運ぱん)」「堆積(たい積)」ってどんなこと? 
「浸食」「運搬」「堆積」は、流れる水のはたらきのひとつ。雨や川などの水は、地面を削ったり、土や石を押し流したり、積もらせたりします。



(『のびーる理科 天体と気象 地球・宇宙・天気・自然』P.183-184より)


川辺で見つけた丸い石。実はそれ、遠く離れた山から、長い時間をかけて流れ着いたのかもしれません。流れる水に削られ、転がされ、運ばれて――まるで旅をしてきたかのよう。見た目は小さな石でも、そのかたちには自然の時間がぎゅっと詰まっているのです。

川は“地形のデザイナー”。石も地面もコツコツ彫刻中!?(編集部)

<自由研究のヒント>

どんな石が多い? 丸い? ゴツゴツ? 川の場所によってどんな違いがあるかな? 「川の力」と石の関係を親子で話しながら観察してみましょう。記録ノートにスケッチしたり、「丸い石」「黒い石」などに分類したりして、自由研究としてまとめても◎



 

▼ 星空観察:「夏の大三角」を探してみよう

夏のキャンプでは、昼間の活動もさることながら、夜には満天の星空が私たちを迎えてくれます。夜のキャンプ場は、星の観察にうってつけです。



お子さんと一緒に夏の夜空を見上げてみると、ひときわ明るく輝く3つの星が目につくはずです。まずは「ベガ」。こと座という星座の一等星です。そして「アルタイル」。わし座の一等星です。最後に、「デネブ」。はくちょう座の一等星です。この3つの明るい星を結んでできる大きな三角形が、「夏の大三角」と呼ばれています。


(『のびーる理科 天体と気象 地球・宇宙・天気・自然』P.96より)


ベガとアルタイルは「織姫星(おりひめ星)」と「彦星」。その間を流れるのが、ふたりが“年に一度”会うと言われる「天の川」。でも実は、天の川は年中空にあるんです。7月は、夜の早い時間にふたりの星が見つけやすくなるタイミング。昔の人は、それを“再会の季節”と考えたのかもしれませんね。

夏の大三角をつくる星のひとつ、デネブは実は超巨大! そのサイズは太陽の約200倍ともいわれています。でも遠すぎて点に見えるらしい!(編集部)

 

「夏の大三角」は、東の空の高いところから見え始め、時間が経つにつれて南の空の高いところを通って、西の空へと移動していきます。
スケッチや記録をつけることで、自由研究にもつなげやすくなります。ぜひ、星が移動する様子(星の日周運動)も観察してみましょう!


(『のびーる理科 天体と気象 地球・宇宙・天気・自然』P.107より)



<自由研究のヒント>

星の名前や明るさ、色の違いを記録して、自分だけの星図を作ってみましょう。スケッチや星座早見表の活用もおすすめです。



 

「エネルギー」:キャンプ道具のしくみを理科目線で

▼ 「てこの原理」は身近な道具の中に

キャンプといえば、自然の中で火を起こしたり、ごはんを作ったりと、家ではなかなかできない体験がもりだくさん。その中でも、もり上がるイベントといえばやっぱりバーベキュー! 火を囲んで、親子で協力しながら料理を楽しむ時間は、キャンプの醍醐味のひとつです。



そんなバーベキューの場面をよく見てみると、実は理科の“ヒント”がいろいろなところにかくれています。



たとえば薪ばさみ。熱い薪を安全につかむためのこの道具には、「てこ」のしくみが使われています。くぎ抜きやせん抜き、トングなど、他にもキャンプでよく使う道具の中に、てこの原理を見つけることができます。

※観察するときは、やけどに十分注意しましょう。


(『のびーる理科 エネルギー 音・光・電気・力』P.202より)


どこが支点で、どこに力が加わっているのかを考えてみると、いつもの道具が“しくみのある道具”に見えてくるはず。理科の授業で見たことがある図が、キャンプの中で体験できるなんて、ちょっとおもしろくないですか?

てこは、ずっと昔から人が使ってきたしくみです。重いものを持ち上げるとき、少しでも楽に動かすために――道具に込められたそんな工夫は、遠い昔から受け継がれてきた知恵とも言えます。しくみを知っていると、いつも何気なく使っている道具にも、ちょっとした物語が見えてくるかもしれません。

古代エジプトのピラミッドづくりにも“てこ”が活躍したという説も!(編集部)

<自由研究のヒント>

薪ばさみ、くぎ抜き、せん抜きなど、実際に使って「どこを動かすと、どこが動く?」を確認。「支点・力点・作用点」を図に描いて、どういうしくみか説明してみましょう。道具の種類ごとに比べてみたり、自分で「てこ」を使った道具を考えてスケッチするのも自由研究のテーマになります。



 

「化学」:火や熱、色の変化を観察してみよう

▼ 火と熱の伝わり方を体感

バーベキューで道具の工夫に目を向けたあとは、火そのものにも注目してみましょう。



※観察するときは、やけどに十分注意しましょう。

火のまわりにいると、「空気がじんわりあたたかい」「手だけじゃなく顔も熱い」「鉄板や鍋がじわじわ熱を帯びていく」など、あたたまっていく変化の様を肌や目で感じることができます。

実はこれらは、すべて「熱の伝わり方」に関係しています。 たとえば、鉄板や鍋が熱くなるのは「伝導」、火の上をあたたかい空気がのぼっていくのは「対流」、鍋の中でぐつぐつ煮えているスープやお湯も、下から上へと熱が伝わる「対流」であたたまっています。 そして顔にじわっと熱を感じるのは「放射」という伝わり方です。 





(『のびーる理科 化学 空気と水・燃焼・水溶液・気体』P.67、P.70、P.87より)


「空気があたたかい」「鍋が熱い」といったリアルな体験が、教科書で見た言葉とつながる―― そんな気づきがあると、バーベキューやたき火など、キャンプの火の時間がちょっとした理科の時間に変わるかもしれません。

 鉄板を伝い、空気を流れ、鍋の中をぐるぐるめぐる―― キャンプの火は、いろいろなルートで、私たちをあたためてくれます。 そのぬくもりに包まれながら、“見えないしくみ”を感じてみるのも、キャンプならではの体験です。

宇宙ではほとんど熱は「放射」でしか伝わらないんだって! 空気がないからかな?(編集部)

<自由研究のヒント>

鉄板や鍋が熱くなるしくみ、空気の流れ、火からの距離で感じ方がどう変わるか―─具材の焼ける時間(早いか遅いか)にも注目して、火の位置と熱の伝わりやすさの関係を調べてみるのもおすすめです。鉄板や鍋など、素材の違いにも注目してみてください。



 

▼ よく燃えるたき火の工夫を探ろう

火がなかなかつかない。ついてもすぐに消えてしまう――。キャンプでたき火をしたことがある人なら、そんな経験をしたことがあるかもしれません。でもその“うまくいかなかった体験”こそが、実は観察のチャンスです。



火がよく燃えるためには、薪の置き方や空気の通り道、木の乾き具合など、いくつかの条件がかかわっています。「どうしたらもっとよく燃えるんだろう?」と考えて、工夫して、実際にやってみる。そんな繰り返しの中に、理科の学びのタネが詰まっています。



(『のびーる理科 化学 空気と水・燃焼・水溶液・気体』P.113、P.114より)


たき火の火をじっと観察しながら、条件の違いによってどう燃え方が変わるかを比べてみると、ちょっとした実験のようなおもしろさがあります。




うまく火がついて、安定して燃えてくれると、なんとなくうれしいものです。
たき火はただ燃えているだけのようで、少しの工夫や気づきにきちんと応えてくれる――そんな火とのやりとりも、キャンプで味わうことができる、特別な学びのひとつです。

燃えやすさのカギは“酸素の通り道”なんだとか!(編集部)

<自由研究のヒント>

薪の置き方、空気の通り道、湿った木と乾いた木。どうしたら火がつきやすい? 炭と灰は何がちがう? 親子で仮説を立てて試す、自由研究にぴったりな実験になります。



 

▼ 花火の色を見て「炎色反応」にふれる

キャンプの夜、夕ごはんのあとに手持ち花火をするのは、ちょっとした楽しみのひとつ。



暗くなった空の下で、「次はこれにしよう」「わあ、きれい!」と親子で笑いながら火をつける時間も、夏ならではの体験です。



よく見てみると、花火の火には赤や青、緑など、いろいろな色があります。
実は、この色の違いには、「炎色反応」という理科のしくみがかかわっています。


(『のびーる理科 化学 空気と水・燃焼・水溶液・気体』P.238より)


「この火、なんで緑なんだろう?」「さっきの青いの、すごくきれいだったね」――
ただ“きれい”で終わらせずに、「なんで?」と考えてみると、花火の色の奥に理科が見えてきます。

花火を見て「この色は…ナトリウム!」って言えたら理科の才能ありかも!?(編集部)

花火を見て笑っている時間にも、ちゃんと“学びのきっかけ”はかくれている。
そんなことに気づけるのも、親子で過ごすキャンプの夜ならではかもしれません。


<自由研究のヒント>

花火を見ながら、どんな色の火が見えたかをスケッチやメモで記録してみましょう。火の色ごとに、どんな金属が使われているのかを『のびーる理科 化学』などを使って調べて、予想してみるのもおすすめです。手持ち花火や打ち上げ花火など、種類によって色に違いがあるかどうかも比べてみましょう。記録したことや調べたことを図や表にまとめれば、自由研究のテーマとしてもしっかり形になります。



※滞在先のキャンプ場で花火が使用できるかどうか、事前に確認しておきましょう。

「生物」:昆虫や植物の観察から「発見」につなげる

▼ アリの行列はなぜできる?

キャンプでのんびり過ごしているとき、ふとテーブルを見たら、アリが何匹か食器の中に! なんてびっくりすることも。



「どこから来たのかな?」とお子さんといっしょにたどっていくと、地面にはアリの行列がまっすぐにのびていた――そんな発見があるかもしれません。


(『のびーる理科 生物 植物・動物・人体』P.92より)


よく観察してみると、アリたちはみんな同じ方向へ向かって並んで歩いています。
これは「フェロモン」というにおいの合図で、仲間にエサの場所を知らせているから。一匹のアリが見つけたエサの情報が、においを通してどんどん仲間に伝わっていくんです。


(『のびーる理科 生物 植物・動物・人体』P.93より)


アリの行列には、「情報を伝えるしくみ」がかくれています。
そんなしくみに気づくと、ふだん何気なく見ていたアリの動きが、ぐっとおもしろく見えてくるはず。

においで道案内!? アリの世界は情報伝達がハイテク!(編集部)

何げない地面の上にも、小さな生き物たちの“会話”がある。そう思って見ると、自然の中での発見がもっと楽しくなるかもしれません。


<自由研究のヒント>

地面にビスケットやパンくずなどを置いて、アリがどのように反応するか観察してみましょう。最初にやって来たアリがどこへ向かうのか、あとから来るアリはどこを通るのか? 列のルートや動きの変化に注目して、スケッチやメモで記録してみましょう。アリの「情報の伝え方」を読み解く自由研究にぴったりです。



 

▼ 空気の気持ちよさに、植物のひみつあり?

山や森に囲まれたキャンプ場では、「空気がすんでいて気持ちいい!」「なんだかおいしい!」と感じることがあります。木かげでひと休みしていると、すーっとしたひんやりした空気が肌にふれて、思わず深呼吸したくなることも。



その“気持ちよさ”には、植物が行っている光合成と蒸散というはたらきが関係しています。
光合成では、植物が太陽の光と水、空気中の二酸化炭素を使って養分をつくりながら、酸素を出しています。そのため、緑の多い場所の空気は、新鮮で気持ちよく感じられるのです。


(『のびーる理科 生物 植物・動物・人体』P.56より)


さらに、葉っぱは体の中の水分を空気中に出すことで、まわりの熱をうばい、空気をひんやりと冷やしています。このはたらきを蒸散といいます。木かげに入ると「ふーっ」とすずしく感じるのは、植物のこんな工夫のおかげかもしれません。


(『のびーる理科 生物 植物・動物・人体』P.62より)


空気のすがすがしさや、木かげのひんやりした感覚。そんな小さな「気もちいい」の中にも、自然が教えてくれる“学びのきっかけ”がそっとかくれています。

木かげは“自然のエアコン”。電気ゼロでとってもエコ!(編集部)

<自由研究のヒント>

木の枝にビニール袋をかぶせて、しばらく置いてみましょう。中に水滴がついたら、葉っぱの「蒸散」のしるしです。

どうして水滴が出てくるのか、しくみを調べてみたり、袋をかける時間や葉っぱの種類を変えて比べてみるのもおすすめ。

観察したことを表や絵にまとめれば、自由研究のテーマにもなります。



 

▼ 昆虫の「昼と夜」の違いを観察

昼間のキャンプ場を歩いていると、チョウやバッタが草むらから飛び出してきたり、木のまわりで虫の声が聞こえたり。 
一方、夜になると、ランタンのあかりのまわりに、ガやコガネムシの仲間が集まってきます。




「お昼とちがう虫がいるね!」――お子さんがそんなふうに気づいたら、絶好の観察のチャンスです。

虫によって、活動する時間帯がちがうのは、体のしくみやくらし方に理由があります。昼に活動する「昼行性」、夜に活動する「夜行性」。生き物たちの生活リズムに注目してみると、自然の“時間の流れ”が見えてくるかもしれません。


(『のびーる理科 生物 植物・動物・人体』P.202より)


朝と夜で、虫の世界はがらりと変わります。時間をずらして観察してみれば、生き物たちにもそれぞれの“時間割”があることに気づけるはずです。

虫にも“昼型”と“夜型”がいるなんて、ちょっと親近感!(編集部)

<自由研究のヒント>

昼と夜で見られる虫の違いをまとめて、生き物のくらしの工夫を考える自由研究に発展させてみましょう。「羽の色は?」「動きは?」「どこにいた?」など、気づいたことをスケッチやメモに残しておくと、あとから比べやすくなります。



 

 

まとめ:キャンプでの体験が、学びの時間に変わる

自然の中での体験を「観察→記録→考察」という流れにすれば、楽しいだけでなく立派な自由研究にもなります。
「のびーる理科」シリーズは、子どもたちの「もっと知りたい!」を引き出す力がある学習まんが。事前に読んでおくと、キャンプ中の“気づき”がぐっと増えます。家族での時間を楽しみながら、学びにもつなげてみませんか?


 

 

【書籍情報】


監修: 小川 眞士 カバー・表紙: マオ・シーアン カバー・表紙: エアーチーム

定価
1,430円(本体1,300円+税)
発売日
サイズ
四六判
ISBN
9784041129746

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監修: 小川 眞士 カバー・表紙: マオ・シーアン カバー・表紙: エアーチーム

定価
1,430円(本体1,300円+税)
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四六判
ISBN
9784041129760

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ISBN
9784041129753

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サイズ
四六判
ISBN
9784041129777

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