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海は無くとも「那珂川」がある! 日本屈指の「川の水族館」栃木県なかがわ水遊園【栃木県】 「角川の集める図鑑GET!とめぐる日本の水族館」第14回 


日本は世界で一番水族館が多い国ともいわれています。みんながよく行く水族館だけでなく、 日本全国にはたくさんの魅力的な水族館があります!水族館で実際にはたらく人から、 水族館の魅力や楽しさを教えてもらって、 魚や水の生きものの面白さを発見しよう!そして水族館へ行ってみよう! (毎月2回更新予定)

 

海は無くとも「那珂川」がある! 日本屈指の「川の水族館」
栃木県なかがわ水遊園【栃木県】

連載第14回は淡水魚水族館として名高い「栃木県なかがわ水遊園」さん。「水遊園」の名の通り、遊びごころ満載の展示が魅力的です。夏の企画展『主役はだれだ!チョキチョキ合戦2022~夏の陣~』ではカニ軍・エビザリ連合軍・V字同盟軍による三つ巴の戦いが行なわれる模様。22種約300匹のチョキチョキした生きものたちが気になる人は必見です。

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 栃木県なかがわ水遊園は、淡水魚をメインに展示している県内唯一の水族館です。「那珂川から世界の川、そして憧れの海へ」をコンセプトに、水族館の横を流れる那珂川をはじめ、世界の川に棲む生き物たちを、約330種2万点展示しています。海にはない川の魅力や飼育員のおすすめをご紹介します。



 
 那珂川の魚を展示しているエリアのジオラマ水槽は屋外に面しているため、太陽の光がたっぷりと注ぎ込み、水中を泳ぐ生き生きとした魚の姿を見ることができます。
 夏には木々が生い茂り、冬は雪景色が見られるなど、季節やその日の天気を感じながら、生き物を観察することができるのもポイントです。



 
 また、初夏から秋のアユや、秋から冬にかけてのサケなど、その時期にしか見ることのできない魚たちの展示も行っています。



 
 ここで、那珂川エリアの私のお気に入りの見どころをご紹介します。
 それぞれの生き物たちを展示している水槽のレイアウトです。1つ1つの水槽は、生き物たちの生息環境に合わせて飼育員が精魂込めて作り上げたものばかり。「こんな環境には、こんな生き物がいるんだ!」と、ちょっとした発見をしてもらえると嬉しいです!!



 
 次は、世界最大の流域面積を誇るアマゾン川に生息する魚たちを見ることができるアマゾン大水槽をご紹介します。
 水量400トンの水槽に、約1万尾の生き物を展示しています。この水槽の中でひときわ存在感がある魚はピラルクー。現在は、4尾を飼育しており、一番大きなピラルクーの「長さん」は現在23歳。全長2m60㎝にもなります。最近は、じっとしていることが多いものの、エサの時間になると、ほかのピラルクーに負けない勢いでエサを食べに来るほど元気です。


長さん                 長さんの顔


アマゾン大水槽 トンネル部分         アマゾン大水槽 小型魚が泳ぐエリア


 
 そして、当園のアイドル的存在として人気のカピバラ「茶々丸」は、ピラルクーたちと一緒に泳ぐ姿をみることができます。魚たちと泳ぐ姿を見ることができるのは当園だけです。水中にいることが多いため、茶々丸の体毛にはコケが生えて緑色をしています。たまに、お客様から心配されたりもしますが、自然界でもみられる現象なので健康には問題ないんですよ。



 
 水族館の最後には、世界最大のサンゴ礁であるグレートバリアリーフに生息する生き物を展示しています。淡水魚の水族館なのに、なんで海水魚? と疑問に思われるかもしれませんが、しっかりとした理由があります。栃木県には海がないため、自然と海に憧れをもつ県民性であること。そして、那珂川とアマゾン川に共通する多様な生き物が生息しているという点です。母なる海の展示を楽しんでください。



 最後に「淡水魚=地味」と思われがちですが、繁殖期には体色が鮮やかになったり、同じ種類でも生息する環境によって色味や体形が異なったりと、よく見ていただければ、けっこう個性豊かな生き物なんです。
海よりも小さな世界で生きている大きな個性をもった淡水魚たちに、ぜひ目を向けてみてくださいね。    (文=展示チーム 森絢女)




栃木県なかがわ水遊園
海の水族館では体感できない「川の水族館」ならではの魅力があふれる個性豊かな水族館。淡水魚の展示とともに、さまざまな体験が人気の理由。バックヤードツアー、釣り、つかみ取り、川魚試食会、放流会、川船乗船、田植え…など里山・栃木を五感で味わえます。公式ホームページから見られる「飼育係日記」もお見逃しなく!
〒324-0404 栃木県大田原市佐良土2686
Tel:0287-98-3055
公式HP: 栃木県なかがわ水遊園HP
営業時間 9:30~16:30
※但し、7/20~8/31は9:30~17:00
※水族館への入館は閉館30分前まで

FB: 栃木県なかがわ水遊園(Nakagawa Aquatic Park)
Instagram:栃木県なかがわ水遊園【公式】
Twitter: 栃木県なかがわ水遊園【公式】



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書籍情報


総監修:宮 正樹 監修:佐土 哲也 監修:小枝 圭太

定価
2,200円(本体2,000円+税)
発売日
サイズ
A4変形判
ISBN
9784041118535

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