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なぜ海の砂に絵を? 画家・絵本作家たなかしんさんが織りなす 「砂アート」の秘密

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ざらざらとした海の砂の上に、やさしい物語を描く――独特な技法で絵を描く、画家・絵本作家のたなかしんさん。「砂に絵を描く」と聞いても、一体どのようにして描くのか。しんさんに密着させていただきました。


しんさんのアトリエは、明石市の海からほど近い場所にあります。天気のよい日に、海岸へ砂を取りに行きました。※たなかしんさんは、絵を描くために海岸の砂を採取する許諾を明石市から受けています。



① 砂を選別して採取する

海岸の砂と一口でいっても、採取する場所によって砂の粗さが違います。粒が大きすぎてはだめ。大きなアート作品を描くときには、少しざらざらした砂を使い、絵本の原画を描くときには、さらさらした粒の細かい砂を使うのだとか。

ほんの2、3メートル場所を移動しただけで砂の質が変わるので、細かく丁寧に見極めていきます。




ほしい質の砂が見つかったら、そのときに必要な量だけ、砂を採取します。



② 砂を洗い、干す

アトリエに持ち帰った砂は、潮と汚れを取るためによく洗います。

砂には、潮のほか、海藻の成分や細かいチリが含まれているため、何度も水を取り替えながら水がきれいになるまですすぎます。30回ほどでようやくきれいになるとか。



きれいになった砂は、水分がぬけてさらさらになるまで数日かけてしっかり干します。



③ 砂をキャンバスに貼り、地色をつける。

サラサラになった砂と接着効果のある下地材を混ぜて、コテで薄くキャンバスに貼り付けます。下地をしっかり乾かしたあと、絵を描く前の地色を付けます。絵によって毎回違いますが、今回の絵本はぬくもりを感じる暖色を塗ってから描いていきました。




④ 絵を描く

下地の上に、絵を描いていきます。しんさんの絵本のほとんどの原画は、白、黄、青、赤の4色の掛け合わせで書かれているそう。絵本を改めて見ると、明るい色から暗い色まで、さまざまな色があります。その色をたった4色の掛け合わせで作ることができるなんて、魔法のようですね!



こんな風に、一枚の絵を描くまでにたくさんの時間と手間をかけているしんさん。どの作業も、とっても丁寧に心を込めて進めていました。このひと手間ひと手間が、しんさんならではの優しくてあたたかい絵をつくり出している秘訣<ひけつ>なのかもしれません。

ぜひ、しんさんの個展に足を運んだり、絵本を読んだりして、その温かい世界観と砂が織りなす独特な質感を感じてみてください。


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