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この連載では、お魚や水の生きものが大好きな子が自由研究や調べ学習・探究学習などで思わず試してみたくなるアイデアを紹介していきます。第一線で活躍する現役研究者の先生たちにヒントや方法を教わりながら、観察・工作・実験・フィールドワークを通じて「研究」を学ぶことができます。角川の集める図鑑GET!シリーズでも大好評『GET!魚』を監修した魚のスペシャリストの先生たちと一緒に、小学生が実際に取り組めて、学校などで発表できるものを紹介しますのでお楽しみに!![月1回更新予定]
わからなかったら自分で名前を付けたって良い!!
第6回 自分らしいオリジナル図鑑をつくろう
魚や水の生きものが大好きな子が自由研究や調べ学習・探究学習などで思わず試してみたくなるアイデアを紹介していきます。第6回は自分ならではのオリジナル図鑑を作ってみます。
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■おすすめの年齢
<小学校中学年から>
もうすぐ夏休みが始まりますね。
魚や水の生き物について自分なりのオリジナル図鑑をつくる自由研究はおすすめです。
普段はなかなかできない「魚釣り」をして、釣った魚を調べたり、比べたりして、スケッチブックやノートにまとめると図鑑になります。
図鑑で調べる前に、自分なりに魚の特徴をメモしてみるのがポイントです。
「もしこの生きものに名前を付けるとしたら…」と考えて、自分なりに名前を付けてみるととてもあなたらしい図鑑になります。
名前を付けるとなると、魚のことをよく観察することになりますし、色や形などの特徴について他の魚と比べていろいろな発見をすることができます。
最初から図鑑を見てしまうと、すぐに「正解」が手に入って、みんな同じ図鑑になってしまいます。
「正しいかどうか」ではなく、自分らしさを大事にすると楽しいです。
結果的に間違っていたり不足があっても良いと思います。
あとで、図鑑を確認して、自分が気付けなかったことをメモして加えると、見ごたえのある自分だけの図鑑になると思います。
さらにもう一歩進みたいなら、釣った魚を似ている順に並べたり集めたりすると新たな発見があるかもしれません。
■用意するもの
・魚釣りの道具(網や釣り竿)
・スケッチブックやノート
・ペン、色鉛筆など
・カメラ
■方法
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①保護者の方と一緒に魚や水の生きものを釣る
②スケッチブックに釣った魚の絵を描いたり、撮影した写真を貼る
③特徴を自分なりにメモして名前を付けてみよう
釣った場所や魚の特徴をよく見て、自分なりに名前を付けてみると面白い図鑑になります
(例:ヒレが長いから「ヒレナガ」など)
④釣った魚のことを図鑑で調べる(1冊ではなく何冊かの図鑑を見ていくとわかることがあります)
■調べる時は図鑑もチェック!
■先生からのアドバイス
いろんな魚を釣りたければ小さな針に小さな餌をつけることがおすすめです。港や磯、河口など、いろんな環境でいろんな時間にいろんな餌やしかけを使って釣りをすれば、いろんな魚たちに出会えるはずです。
私のオススメの釣りポイントは港です! 港は釣り竿を出しやすく、安全性も高いうえに、ある程度の深さもあるので魚たちがたくさん棲みついています。そのなかでも㊙スポットは岸壁の角っこ。角には大きな魚が入ってこられないため、小さな魚のたまり場になっていることが多く、珍しいものが釣れることが良くあります。港で釣りをする際は、是非ためしてみてください。
※港は漁師さんたちが使用する仕事場です。ロープなどに仕掛けがひっかかったり、ごみを残したりしないように注意しましょう。釣りをするときは保護者の方などと一緒に行動して、一人にならないように注意しましょう。また、予報をみて天気が悪化するかなど情報を集めたうえで楽しむようにしてください。ライフジャケットなどを着用して、安全も確保しましょう。(文・監修=小枝圭太)
☞小学生のみんなにお薦めの本
『写真探索・釣魚1400種図鑑』(小西英人、KADOKAWA)
小ぶりな本ですが、日本で釣れる魚のほとんどが掲載されています。著者である小西さんの経験に基づく、たくさんのオリジナリティあふれる解説や種の見分けかたも分かりやすい魅力たっぷりの一冊です。
■先生のプロフィール
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小枝圭太(こえだけいた)
1986(昭和61)年生まれ。琉球大学理工学研究科で学位取得。
博士(理学)。鹿児島大学総合研究博物館 特別研究員(PD)、台湾の国立海洋生物博物館 海外特別研究員、黒潮生物研究所 研究員、東京大学総合研究博物館 特任助教を経て、現在は琉球大学理学部海洋自然科学科生物系 助教として魚類に関する研究や教育活動に従事している。
研究室HPはこちら!!
書籍情報
総監修:宮 正樹 監修:佐土 哲也 監修:小枝 圭太
- 【定価】
- 2,200円(本体2,000円+税)
- 【発売日】
- 【サイズ】
- A4変形判
- 【ISBN】
- 9784041118535