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魚の別名をしらべよう【現役研究者にまなぶ!魚の自由研究 第5回】


この連載では、お魚や水の生きものが大好きな子が自由研究や調べ学習・探究学習などで思わず試してみたくなるアイデアを紹介していきます。第一線で活躍する現役研究者の先生たちにヒントや方法を教わりながら、観察・工作・実験・フィールドワークを通じて「研究」を学ぶことができます。角川の集める図鑑GET!シリーズでも大好評『GET!魚』を監修した魚のスペシャリストの先生たちと一緒に、小学生が実際に取り組めて、学校などで発表できるものを紹介しますのでお楽しみに!![月1回更新予定]



魚にも地域ごとに異なる方言・地方名がある!?
第5回 魚の別名をしらべよう

魚や水の生きものが大好きな子が自由研究や調べ学習・探究学習などで思わず試してみたくなるアイデアを紹介していきます。第5回は魚の別名を調べてみるフィールドワークです。




■おすすめの年齢
<小学校低学年から>

住んでいる地域ごとに「方言」と呼ばれる言葉の違いがあるように、魚にも地域ごとに異なる方言・地方名があります。日本にはあまりにもたくさんの呼び名があるため、標準和名というものも決められています。標準和名は皆が共通して認識できる呼び名で、日本独自の文化であると同時に、一つの種にさまざまな名前が与えられた魚類においてとりわけ大切な呼び名となっています。今回は家から出て、図書館へ行って調べたり、魚屋さんでたずねたりすることで発見したことをまとめる研究アイデアを紹介します。

たとえば、先生がすんでいる沖縄では、標準和名タカサゴという魚のことを方言で「グルクン」といいます。どの地域で呼ばれているかといっしょに、名前の意味やなぜそのように呼ばれるようになったかも調べてみると面白いです。

方言のほかに、たとえば標準和名ブリという魚は大きさによって味も方言名も変わります。そのうえ、関東と関西という地域ごとにもハマチやイナダなどと方言名が変わるので、とても面白い魚です。

■用意するもの

・大きな紙やスケッチブック
・ペン、色鉛筆など


■方法



①自分の住んでいる地域でよく食べられている魚を調べる
②図書館で標準和名を調べる
③魚屋さんでお店の人に方言名をたずねてみる
④標準和名、別名、どの地域で呼ばれているか、どのような理由で呼ばれてきたか…などを大きな紙やスケッチブックにまとめてみる(魚の写真や自分で描いた絵があるとさらに分かりやすいね)

■調べる時は図鑑もチェック!


今月6月14日に学習図鑑シリーズ最新刊『GET!深海』が発売されました。
好評発売中の『GET!魚』といっしょに自由研究でも使ってみてください!


角川の集める図鑑『GET!魚』53ページではブリの名前の変化も紹介しています


■先生からのアドバイス

魚の和名は古いもので「スズキ」「タイ(標準和名ではマダイ)」「アユ」など1000年以上も昔の本から登場します。ひとつひとつの魚の名前にはそれぞれ由来があり、時には命名にまつわるエピソードもあります。現在、日本国内には4500種を超える魚が記録されていますが、そのそれぞれの和名には文化やエピソードが隠れています。私はこれまで約20種の魚の標準和名を提唱してきましたが、はっと思いつく和名もあれば、考えて考えてひねり出すように思いついた和名もあります。魚の名前について調べるときは、なんでその名前になったのか? ということを考えながら調べてみるときっと面白い発見があると思います!(文・監修=小枝圭太)

☞小学生のみんなにお薦めの本



『からだにおいしい魚の便利帳』(藤原昌高、高橋書店)

魚屋さんでよくみかける魚の標準和名や地方名、特徴や食べ方を知ることができます。せっかく魚屋さんを訪ねたら、美味しい魚をたくさん食べて魚のことをもって好きになりましょう!


■先生のプロフィール



小枝圭太(こえだけいた)

1986(昭和61)年生まれ。琉球大学理工学研究科で学位取得。
博士(理学)。鹿児島大学総合研究博物館 特別研究員(PD)、台湾の国立海洋生物博物館 海外特別研究員、黒潮生物研究所 研究員、東京大学総合研究博物館 特任助教を経て、現在は琉球大学理学部海洋自然科学科生物系 助教として魚類に関する研究や教育活動に従事している。

研究室HPはこちら!!


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