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大水槽を1時間観察するだけ!?
第1回 水族館でやってみよう
お魚や水の生きものが大好きな子が自由研究や調べ学習・探究学習などで思わず試してみたくなるアイデアを紹介していきます。第1回は水族館へ行けばいつでもできる観察です。ぜひ試してみよう!
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<小学校低学年から>
皆さんはお休みの日に水族館に行くことがありますか?
今回は普段から訪れている水族館で簡単にできる自由研究です。
すでに疑問があってその疑問について確かめることも「研究」ですが、それだけではなく、まずいろいろなものを観察してみて疑問を見つけるのも大事な「研究」のひとつです。
特別な道具は必要が無く、ただ自分の目さえあればできます。
しっかりと見ることは研究に欠かせないポイントです。
■用意するもの
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・紙やノート
・筆記用具
・クリップボード(机が無くても文字が書けるから、外で記録をとったり観察する時に便利だよ!)
■方法1(小学校低学年向け)
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アクア・トトぎふの「メコン川水槽」(写真提供=アクア・トトぎふ)
くわしくはこちら⇒メコン川やアマゾン川も再現!? 淡水魚といえば「アクア・トトぎふ」
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新江ノ島水族館の「相模湾大水槽」(写真提供=新江ノ島水族館)
くわしくはこちら⇒エノスイグソクムシでも話題の湘南・江の島にある大人気水族館「えのすい」
①水族館に行きます(お休みの日などにおうちの人に連れて行ってもらいましょう!)
②水族館の中で一番大きな水槽を見つけます
③水槽の中の魚たちが泳ぐ様子が見える場所で1時間ほど水槽を観察します
(1時間続けての観察が難しかったら、10分や15分で区切って挑戦してみよう!)
④水槽にどのような種類の魚がいるかをあらかじめメモしておきます
⑤違う種類の魚同士が接触した回数を記録します
どの魚とどの魚が接触したかや、みられた行動(追い回した、噛みついたなど)も記録しておきましょう
■方法2(小学校中学年向け)
方法1の①から④まではいっしょです
⑤サメなど水槽を大きくグルグルと回るタイプの魚が1時間に水槽を何周するか記録します
(回り方に複数パターンある場合はパターンごとに何周するか記録します)
⑥水槽の大きさを調べます
(水族館の水槽前の解説や水族館の公式ホームページでわからなかったら水族館の人にきいてみよう!)
⑦1周の距離を調べたら、観察した魚が1時間でどれくらい、1日でどのくらいの距離を泳いでいるかを計算します
■観察を終えたら図鑑をチェック!
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図鑑の最後のほうを見ると「索引(さくいん)」というページがあります。
魚の名前がわかれば、その魚のことが書かれているページがわかる仕組みです。
水族館の水槽の前には魚についての解説があります。それを見ればどのような魚が泳いでいたか分かります。でも、もし観察に夢中になって魚の解説を確認しわすれてしまった時は、家に帰ってから角川の集める図鑑『GET!魚』で魚のことを調べれば大丈夫です。図鑑の索引を利用して魚の名前から魚のことがくわしく紹介されているページを見つけることができます。水族館の解説とは別の説明が書かれていることもあるので、それもいっしょに覚えておくとさらに知識が広がっていきます。
■先生からのアドバイス
海のなかで、生き物たちはさまざまに関わりあいながら暮らしています。それは食べる、食べられるといった単純な関係だけでなく、食べられないために別の種どうしが群れをつくって協力したり、食べるためにお互いの得意なことをして協力したりもします。じっくりと時間をかけて観察することで、同種の魚どうし、他種の魚どうしでどのような関係があるかがみえてきます。水槽の魚たちは飼育員さんたちからエサをもらっているので、食べる食べられるという関係はあまりみられませんが、そのかわり観察はとても簡単です。水槽のなかのどんな環境を好んでいて、どれぐらい動き回っているかを観察して、魚たちを個性を調べてみましょう。(文・監修=小枝圭太)
☞小学生のみんなにお薦めの本
『SHARKS サメ 海の王者たち』(仲谷一宏著、ブックマン社)
■先生のプロフィール
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小枝圭太(こえだけいた)
1986(昭和61)年生まれ。琉球大学理工学研究科で学位取得。
博士(理学)。鹿児島大学総合研究博物館 特別研究員(PD)、台湾の国立海洋生物博物館 海外特別研究員、黒潮生物研究所 研究員、東京大学総合研究博物館 特任助教を経て、現在は琉球大学理学部海洋自然科学科生物系 助教として魚類に関する研究や教育活動に従事している。
研究室HPはこちら!!
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