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動物園の飼育員さんに聞きました!『野生動物と暮らしてみたら』連載第17回


動物と一緒に暮らしてみたい…と動物好きなら一度は夢見る世界! でも、実際はどんなことが起きているのか、動物たちのもっとも身近な存在である飼育員さんたちにお話しを伺いました。ご自身も大の動物好きという人気イラストレーター・伊藤ハムスターさんの4コママンガもお楽しみください!
第17回目は「ナマケモノ」について高知県立のいち動物公園の坂本美々さん(飼育員歴23年)に教えていただきました。


※マンガの内容は、動物の生態を元にしたフィクションです。




 

 


Q:飼育していて困ったこと、大変なことはどんなことですか?

一年中、室温を26~30℃に保ち、湿度を上げるため散水も必要です。夜行性なので、えさの時間は夜間になり、朝まで少し残るくらいの量をあたえます。


Q:どのようなことに気を付けて飼育していますか?

四肢でつかまり、腰をつけることができる休息場所を確保すること、驚かせず、安心していられるようにすること、多めにえさをあたえることです。


Q:うれしいのはどんなときですか?

私が組んだ枝で休息してくれたときや、私を気にせず、自然に行動してくれたときです。ほかには、子育てが見られたときです。


Q:どれくらい懐きますか?

不満がなければ、穏やかです。妊娠をしていないか、腹水がたまっていないかなどを調べるために、お腹を触ることはできますが、あまり触るとストレスになるので必要なときにしか触りません。


Q:どれくらい賢いですか?

妊娠、出産、育児を繰り返すうちに、子育てが上手になりました。


Q:一緒に暮らすとしたら…どんなことが起きそうですか?

四肢を素早く動かすので、捕まえるのは難しいです。犬歯に似たするどい臼歯があり、かむ力も強いので、攻撃的になるとあぶないです。また、ふんや尿のにおいが強いのですが、寒い季節は換気ができないので大変です。


Q:印象的だったエピソードを教えてください。

じっとしていることが多いのですが、急に速い動きをすることがあります。突然目の前に現れて驚いたこともあります。ナマケモノをバックヤードへ移動させるときは、木から四肢を外すのに2人、網に入れて網を押さえるのに2人と、4人がかりで移動します。また、かむ力も強いので、かまれないように手袋や長袖を着用しなければなりません。スローライフなナマケモノですが、実は力が強いのです。

 

高知県立のいち動物公園

ナマケモノは1日の大半を眠って過ごしますが、夕方のエサの時間は比較的よく動く時間帯で観察するにはおすすめです。エサを食べたり、木の上をゆっくりと移動したりするのを見ることができます。

高知県立のいち動物公園HP
〒781-5233
高知県香南市野市町大谷738
TEL:0887-56-3500


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寄稿:中村 倫也 監修:小菅 正夫 イラスト・マンガ:伊藤ハムスター イラスト:服部 雅人

定価
1,540円(本体1,400円+税)
発売日
サイズ
A5判
ISBN
9784041140413

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©野生動物と暮らしてみたら展


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