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動物園の飼育員さんに聞きました!『野生動物と暮らしてみたら』連載第11回


動物と一緒に暮らしてみたい…と動物好きなら一度は夢見る世界! でも、実際はどんなことが起きているのか、動物たちのもっとも身近な存在である飼育員さんたちにお話しを伺いました。ご自身も大の動物好きという人気イラストレーター・伊藤ハムスターさんの4コママンガもお楽しみください!
第11回目は「ペンギン」について、の埼玉県こども動物自然公園の須賀志津枝さん(飼育員歴7年)に教えていただきました。




 

 


Q:飼育していて困ったこと、大変なことはどんなことですか?

ペンギン同士での争いがかなり激しいことです。特に、繁殖期のなわばり争いの時には相手が出血するまで攻撃することもよくあります。


Q:どのようなことに気を付けて飼育していますか?

飼育スペース(ペンギンヒルズ)がとても広いので、36羽(2023年4月時点)のペンギンたちがみんなどこにいて何をしているのか、についてはいつも気にしています。


Q:うれしいのはどんなときですか?

当園のペンギンヒルズは、野生のペンギンがもつ「たくましさ」を来園者に見てもらいたいという思いをもった施設なので、あえて人とは距離をとった飼育の仕方をしています。野生さながら、ものすごいスピードで波にのって水面にとびあがって泳いだり、小柄な身体なのに急な斜面も軽々と登っていたり、そのような光景を来園者が見て「すごいね!」とか「知らなかった!」と言って感動してくれた時にとってもうれしかったです。


Q:どれくらい賢いですか?

フンボルトペンギンはペアをつくると基本的に同じ巣を使います。当園のペンギンヒルズの営巣地という場所は丘の上に25個の巣穴が並んでいて、まるでマンションのようになっています。入口の形状はよく似ているのに、間違えることなくちゃんと同じ巣に帰るので、毎回賢いなあと思ってしまいます。


Q:一緒に暮らすとしたら…どんなことが起きそうですか?

ところかまわず白いフン(尿酸)をするので、家じゅうが真っ白になりそうですね。衛生的に問題ありです…。また、ペンギンは魚を食べるからこそだとは思いますが、意外と生臭いです。野生動物なので、一緒に暮らすことはできませんが、もしも一緒に暮らしたら自分の身体まで生臭い匂いがしそうです…。


Q:印象的だったエピソードを教えてください。

ペアを形成したのを確認した時は、とても印象に残っています。ペアをつくっていない個体は雌雄それぞれ数羽ずついましたが、ちゃんとそれぞれ自分たちで好きな相手を見つけ、お互いにアピールしあいながら仲良くなっていく様子は見ていてほほえましかったです。鳥類は、何を考えているのかわかりづらいと感じることが多いですが、ペンギンは感情表現が豊かでとても魅力あふれる生きものだなあと感じます。

 

埼玉県こども動物自然公園

園内にある「ペンギンヒルズ」は、フンボルトペンギンがすむチリのチロエ島の自然を再現した世界最大級の生態園です。波の中を泳ぐ様子や、緑に囲まれた丘を歩き回る姿が観察できます。

埼玉県こども動物自然公園HP
〒355-0065
東松山市岩殿554
TEL:0493-35-1234


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寄稿:中村 倫也 監修:小菅 正夫 イラスト・マンガ:伊藤ハムスター イラスト:服部 雅人

定価
1,540円(本体1,400円+税)
発売日
サイズ
A5判
ISBN
9784041140413

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