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母としての悩みや思い、料理家としてのアドバイス 『はじめてのこどもキッチン』 著者・鈴木薫さんインタビュー


3人のお子さんの母親でもある料理研究家の鈴木薫さん。母としての悩みや思い、料理家としてのアドバイスを教えていただきました!



-料理研究家であり、3人の子の母でもある鈴木薫さん。普段の食事で悩みってあるのでしょうか?

「上が中学一年生の双子の女の子、下が4年生の男の子。同じものを食べて育っているのに、好きなもの、苦手のものがあって。双子でも食の好みが全く違うんですよ。朝ご飯、お弁当、夜ご飯と、バランスよくみんなが喜ぶごはんはなかなか難しい。日々の献立に悩む日もたくさんあります。また、小さい頃はなかなか身長、体重が増えなかったので、お医者様に相談して。スープにしても煮物にしても必ず具材を油で炒めてから調理してとの指導をうけて、いろいろと工夫しました。」

-三人それぞれの好みに合わせるのは大変ですね…。食事で心がけていることはありますか?

「誰かが苦手だなと思う食材や料理もとりあえず食卓に並べます。苦手な食材をいつか食べてほしいとの思いもありますが、どちらかというと献立を覚えてほしいと思っていて。この主菜にはこの副菜が合うななど。私自身も小さいころに食べていた料理や献立が記憶に残っていて、今それが役立っているなと実感しています。あとは、3食ちゃんと食べさせるようにすることでしょうか。当たり前のことですが、休みの日にお昼の時間が遅くなったり、食べすぎてしまったりしてしまう日も。そんな時も習慣をつけるように、必ず「お夕飯」と言っておにぎり一つでも食べさせるようにしていました。
子どもって食欲にムラがある日もありますよね。あまり食べてないな…と思ったら、翌日は好きなカレーライスにしてみたりと、2日くらいで栄養バランスがとれたらいいなと考えています。子供の方が自分の体に正直だったりすることもありますし、無理やり食べてもよい栄養にならない気がしています。

-以前は子ども向けの料理教室をされていましたが、どんな様子でしたか?

「キッズ教室をしていたころは、まだ自分に子供がいなかったので、教えるというより、一緒に楽しんでいました。子供って家の人が料理する姿や、絵本やテレビの料理シーンを見ていたりと、なかなか鋭い。そして、探求心、求心力が本当に強いです。にんじんを洗う、お箸を並べる・・ひとつひとつに興味を持って、楽しんでいて。初めてのこと、自分でできる、ということがこんなに楽しいんだなと感動しました。」

-『はじめてのこどもキッチン』には、息子さんが卵焼きを作ることに触れていましたね。

「サッカーや縄跳びなど、何か得意なものを見つけてほしくて、いろいろと提案してみたのですが、本人が夢中になるものが見つかりませんでした。でも卵焼きだけは、私が言ったのではなく自分からやりたいと言ってくれて。はじめは危ないかな、できるかなと思っていたけれど、卵が上手に割れたね、よく混ぜられたねなど、ほめてあげられることがいっぱいあったんです。そして、作れた!という達成感と、そのあとに食べられるのも満足感に。また誰かに喜んでもらえるという嬉しさも得られました。毎朝作ることはなくなりましたが、今も自分は料理上手だって思っているみたいです。」




-はじめての料理はどんなことが始めればよいですか?

「まずは本人が作ってみたいもの。それがちょっと難しいかなと思うものでも、子供はきっと頑張れます。散らかったり、ドキドキしたりしてもそれを乗り越えた時は子供も親も喜びが大きくなるはず。自分でつくることで、大変さも経験出来たら普段料理をしてくれる人をすごいなーと気づくときです。簡単なものだって、自分がつくったら格別のごちそうになります。はじめは時間や手間がかかるかもしれませんが、イベントとしてちゃんとそのために時間をとって料理をするのもいいですね。夏休みの自由研究にもなるので、ぜひこの夏にチャレンジしてみてください。」

【プロフィール】

鈴木 薫(すずき かおる)
 東京生まれ。小学校から短期大学まで立教女学院で学ぶ。4世代で暮らす大家族の中で育ち、家族で食卓を囲む大切さを育む。2000年に開いた鈴木薫料理教室、KID’SCLASSが評判となり、雑誌、TV、企業広告、商品開発、講習会などで活躍。東京マザーズクリニックの入院食を監修。「野菜でつまみ」「東京マザーズクリニックの慈愛ごはん」など著書多数。現在夫と双子の女の子、男の子の5人暮らし。



【書籍情報】


著者:鈴木 薫

定価
1,650円(本体1,500円+税)
発売日
サイズ
B5判
ISBN
9784041124116

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