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日本さかな検定(愛称ととけん)1級に史上最年少で合格した日本一お魚が大好きな伊藤柚貴くんに日本のお魚の魅力を教えてもらおう!
自分の住む街にはどんなお魚がいるのだろう?
季節ごとにおいしさの違うお魚をどのように食べたらおいしいのかな?
柚貴くんといっしょにお魚研究していきます!(毎月1回更新予定)
こんにちは! 伊藤柚貴です。
先日ぼくは、沖縄県で最もカツオ漁が盛んな島、伊良部(いらぶ)島へ行ってきました。
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伊良部島ではまず、カツオ漁に欠かせない生き餌(グルクンの稚魚やサンゴ礁の小魚)を、アギヤーとよばれる潜水の追い込み漁で、専門の漁師さんたちが熟練の技で獲ってきてくれます。カツオ漁船にその魚を積んで出港し、黒潮に乗り沖縄周辺の海にやってきたカツオを一本釣りで捕らえます! そして港に戻り、水揚げされた10分後にはカツオが鮮魚店に並ぶこの卓越した鮮度の良さが魅力です。
南方のカツオは脂が少なくさっぱりとしている分、カツオの味が濃く、鮮度抜群なのでわらび餅のようなぽよんぽよんの身をしていました。刺身はもっちもちで、分厚く切って頬張るとカツオの旨味がもう口全体に溢れて最高に美味しかったです! 酢醤油で和えて食べるのが定番で家庭の味なのだそうです。
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とれたての魚は、佐良浜漁港にある”おーばんまい食堂”で食べることができます♪ この時は海鮮丼を食べました。海ぶどうももずくも美味しかったのですが、驚いたのが天ぷら(写真左からアーサ・魚・モズク)で衣が厚くふわふわのドーナツのようでした。おやつ感覚で食べるソウルフードだそうでそれもまた美味しかったです。
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/佐良浜港で出会った魚たちです!\
魚屋さんには、獲れたてのカツオや普段見かけない色とりどりの魚がたくさん並んでいてワクワクします! ぼくの食べたことない魚もいっぱいで、すぐにでも買って食べたい気持ちでウズウズしていましたが、入荷と同時にどんどんお客さんが来て、魚があっという間に売れていく様子を見ていたらなんだかすごく嬉しい気持ちになりました。
楽しかった旅の思い出は尽きることないくらいありますが、自宅に戻って調理スタートです!!(^O^)
【そもそもマース煮とは?】
現地の方からいただいた「ヒブダイ」と「フウライチョウチョウウオ」を使って、沖縄の郷土料理「マース煮」を作ります!
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マースとは沖縄の方言で「塩」、マース煮とはいわゆる塩煮のことです。
もともとは漁師さんが獲った魚を海水で煮て食べていたことがはじまりで、濃い塩味ながらあっさりとしていて暑い気候の沖縄にピッタリなんです。
塩と酒だけで、魚の旨味がぎゅっと引き立つのでぼくも大好きな料理です。
沖縄では泡盛を使ったり塩ももう少し多いのですが、自分なりにアレンジして美味しいマース煮ができたと思うので、ゆずき風のレシピとしてみてください。
今回はせっかくなので沖縄ならではの魚で作りますが、マダイやスズキなどの魚でももちろん美味しく作れます!
【ヒブダイ(ブダイ科)】
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オスは青っぽい体色をしていて、黄色っぽいこの個体はメスです。
ヒブダイはブダイの中で最も美味しいと言われるくらい味が良く、沖縄では「アーガイ」と呼ばれ、鮮魚店でもよく見かけます。加熱しても硬くならず、ほど良い弾力と身の甘みがとてもおいしい魚です。
【フウライチョウチョウウオ(チョウチョウウオ科)】
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水族館の人気者、チョウチョウウオの仲間です。チョウチョウウオの仲間は伊良部島でシンブン(新聞)と言われていると聞いてびっくりしました。薄くペラペラした姿だからでしょうか?? 他にも個性豊かな呼び名がたくさんあって面白かったです。島ではマース煮や煮付にして食べるそうです。
\この個体は迷路みたいな模様でした!/
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沖縄以北にも夏になるとフウライチョウチョウウオなどの幼魚が黒潮に乗ってやってくることがあり、それが風来坊を思わせたため、風来蝶々魚と名付けられたそうです。
小さい口が突き出ていて、おでこには黄色いしま模様があります。
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実は宿泊先のおかみさんに、トゲチョウチョウウオと共に刺身とマース煮を作ってもらったのがすごく美味しかったんです。以前から沖縄で絶対チョウチョウウオ類を食べてみたいとずっと思っていたので夢が叶って幸せな瞬間でした。
【材料】
●魚(2匹)…今回の2種は14cmと24cm
豆腐(1パック)・ほうれん草(1株)・塩(10g位)・昆布(お好みで30cm位)・料理酒(大さじ4)・水(適量)
★魚と豆腐は相性が良く、魚のおいしい出汁を吸った豆腐はとっても美味しいです! 沖縄では島豆腐が主流ですがお好みの豆腐でOKです。
【作り方】
1)魚の内臓・エラ・鱗(うろこ)をとる
★特に鱗取りは丁寧にするのが一番のポイント!
2)魚の両面にななめに2~3本の切り込みを入れる
★味が染みこみやすくなったり、皮が縮んで破れたり反らないようにするため
3)魚の両面に塩を振って10分置く(今回は約3g使用)
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その間に…
4)ほうれん草と豆腐を食べやすい大きさに切り、ほうれん草は1分半下茹でをして別皿へ
★ほうれん草を下茹ですると食感も良くスープも濁らないのでおすすめですが、そのまま豆腐と一緒に仕上げに入れてもOK
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5)フライパンに、さっと水洗いをした乾燥昆布と水300mlを入れて昆布を戻す
★昆布は魚の下に敷きたかったので2枚に切って入れました
6)鍋の水に塩5g程度入れて、強めのしょっぱいスープくらいにする
10分後…
7)魚から出てきた水分(生臭さの元である成分が含まれている)を洗い流す
8)魚をフライパンの昆布の上にのせる
9)酒大さじ4を入れる
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10)中火で加熱し、沸騰したらアクをとり蓋をして弱火で10分加熱する
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11)時々蓋を取り、魚の上から煮汁をかける
★ひっくり返すと煮崩れするので、切り込み付近におたまですくった煮汁をかけてあげる
12)煮汁の味見をして、塩や水で微調整する
13)魚のまわりに豆腐とほうれん草を入れて蓋をして3分加熱する
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14)お皿に盛って完成!!
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キラッキラなスープに濃厚なエキスが染みだしていて…これが絶品なんです!
ヒブダイは、身がホクホクで旨味があって、白身魚でもトップクラスの美味しさです。
フウライチョウチョウウオは思っていたより味が濃く、身もしっかりしていて美味しかったです。
(刺身もコリコリで美味しかった!)ヒレ付近の身離れはあまりよくないですが、それを加味してでも食べたい味です。
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骨からもいいダシが出るので魚を丸ごと使うのがおすすめですが、切り身でも出来るので、好きな魚で、醤油煮とはまた違った“マース煮”をよかったら作ってみてください!
後日、レシピの分量の確認のためオビブダイ(24cm)でも作ってみました。
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ブダイ特有の磯の香りがふわっとして、肉厚な身がふっくらジューシーに美味しく出来ました。これをベースにさらに美味しいマース煮レシピに改良していきたいと思っています!
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ちなみに…しょっぱさにびっくりして水を多く入れてしまってスープが余ったら(←ぼくが当初そうでした!)、白菜やキノコを入れて鍋のスープにしたり、ごはんと溶き卵を入れて雑炊にしてもおいしく食べることができます。
使った昆布は刻んで翌日のおみそ汁の具にしたり、つくだ煮にして食べきります。梅肉とかつお節と和えるのもおすすめです。
<おまけ>
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那覇市の第一牧志(まきし)公設市場はもうパラダイスでした! カラフルな魚に溢れていて、皮が剥いてあるハリセンボン、大きな夜光貝に伊勢海老やニシキエビも。ここは海の中なのかなと思うくらい迫力満点で、お店の方も元気で明るくて優しくてとっても楽しかったです。
とにかく食べてみたい魚がいっぱいで、悩みに悩んで買った魚がこちらです! 内臓を抜いてもらってから自宅へ送ってもらいました。
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こうして見てみるとやはり色鮮やかな魚が多いですね。マース煮、から揚げ、清蒸(チンジョン)などにして完食です。どれも美味しい魚ばかりでした!
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一番上の左から2番目のヒレグロコショウダイは、刺身にさせてもらい市場2階の食堂で食べました。南方の魚にしては脂ののりがとても良くてぷりぷりで美味しかったです。
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そこでソーキそばやそうめんチャンプルーと、初めて「スクガラス豆腐」を食べました。スクとはアイゴの仲間の稚魚のことで、スクガラスはそれを塩漬けにしたものです。スクガラス単体で食べると「しょっぱっ!」となりますが、なんとびっくり!! 濃厚な豆腐と一緒に食べるといい感じの塩梅になるんです。どの料理もおいしくていい思い出になりました!
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