【マルヒウチダイ(丸燧鯛)・10~14cm】ヒウチダイ科
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鹿児島県錦江湾のとんとこ漁という、水深200mにすむ深海エビを狙う底引き網でまとまって獲れる魚です。江戸時代の火打石を入れる袋に似ているためその名がついたヒウチダイの仲間です。
ヒウチダイより銀色味が強く、尾ビレ先まで黒くないのが特徴で、ヒウチダイよりやや丸みを帯びているので、「マルヒ ウチダイ」ではなく、「マル ヒウチダイ」です。
静岡の深海底引き網でも獲れ、漁業者の方が「ここの市場に揚がる魚で最も“アブラゴソ(ヒウチダイやマルヒウチダイのこと)”がおいしい!」というほど絶品の魚なんです。
頭部は透けているような不思議な骨格で硬くボコボコしているので、触るとおもちゃのブロックのような感じがします。腹部下にはマアジと同じゼイゴ(稜鱗・りょうりん)があります。
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包丁でもいいのですが、棘に気をつけながら、腹部を上にして、エラ蓋を開いたあたりをつまんで肛門方向に内臓ごと引きちぎったら、頭も簡単にちぎり取る事ができます。
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頭と内臓を取って水気をふいたら、10cmのものは開かずそのままで、少し大きい14cmのものは片側を開き中骨を露出させて、片栗粉をまぶしてカラッと揚げたら塩をふって完成です。
\大漁です!漁師さんから53匹もいただきました!/
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揚げるとスナック菓子のようにサクサクッと軽い食感になり、毎日でも食べたくなる美味しさで、ぱくぱくつまんでいたらあっという間に完食しました(^o^)
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【クロダイ(クロダイ)・44cm】タイ科
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同じタイ科のマダイとは体色が全然違いますが、味は抜群に美味しくて、チヌと呼ばれて釣りでも人気の魚です。ぼくも長崎の平戸近海で鯛ラバ(というルアー釣り)で初めて釣った時は、引きの強さがすごく楽しくてハマりました。
第3回では、切り身をアクアパッツァにしましたが、この時は頭とカマは塩焼きにして、身は数日かけて刺身やカルパッチョなどでたっぷりと味わいました! ほどよい弾力があり、ぷりんぷりんな食感で、旨味がぎゅぎゅっとなって美味しかったです。
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ぼくは朝眠くてぼ~んやりしているので、前日に少し残しておいた刺身を海鮮丼にしてぱぱっと食べることが多いのですが、寒い時期には海鮮づけ茶漬けにすると、最高においしいのでぜひやってみてほしいです。まさに目が覚めるうまさです!
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年が明けて魚屋さんに行った時には、マダイの他に極上のシロアマダイ(アマダイ科)やマトウダイ(マトウダイ科)がいました! 皆さんも、魚屋さんをのぞいて、○○ダイというお魚を見つけたら食べてみてください(^o^)
【おまけ①】
クイズ:下の4つの魚はすべて実在する魚です。この中で、鯛の仲間はどれでしょうか?
①ナガレボシ
②ホシレンコ
③ホシギンポ
④アカハナ
ヒントは…冒頭の“タイ科の魚が13種類”の話の中に似た名前の魚がいます♪
【おまけ②】
鯛といえば、忘れてはいけないのが「鯛中鯛(たいちゅうたい ※魚のようにみえる骨のこと)」です! マダイのものが代表的で一番きれいな形と言われています。
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これは小学2年生の時に採取・保存したマダイノマダイです! 5年たった今、べっこう飴のようになっています。(当時は食器用洗剤で洗うだけだったからかもしれませんが、これも味があって良い感じです!)
頭の上の部分が可愛くて人に見せたくてケースに入れて持ち歩いていたぼくの宝物です。
マルヒウチダイの耳石(※バランスを取るために頭の中にある大事な石状の組織)をサイズ別(8cm・11cm・14cm)で採取してみました。
魚体に対して耳石が大きくしっかりしていて宝石のようなつやがあります。8cmから14cmの大きさの違いも結構あることが分かり、サイズごとに年輪を見ると成長と歴史を感じて、惹きつけられます。
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おまけ①クイズの答え:②ホシレンコ…奄美大島近海に生息する魚です。