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環境をテーマに生態展示を極めた「Tokyo Sea Life Park」葛西臨海水族園【東京都】 「角川の集める図鑑GET!とめぐる日本の水族館」第13回 


日本は世界で一番水族館が多い国ともいわれています。みんながよく行く水族館だけでなく、 日本全国にはたくさんの魅力的な水族館があります!水族館で実際にはたらく人から、 水族館の魅力や楽しさを教えてもらって、 魚や水の生きものの面白さを発見しよう!そして水族館へ行ってみよう! (毎月2回更新予定)

 

環境をテーマに生態展示を極めた「Tokyo Sea Life Park」
西臨海水族園【東京都】

連載第13回は都民を癒しつづけて幾星霜、東京の東側で老若男女に愛されてやまない巨大水族館「西臨海水族園」さんです。まず建築家・谷口吉生(よしお)氏が設計した美しい建造物に目を奪われますが、「環境」の再現へのこだわりと「世界の海」が網羅的にわかるここにしかない展示が特徴です。開園30年を超えてもなお多くの人々を惹きつける理由を教えていただきました。

※タイトルは「葛西臨海水族園」となっておりますが、正しくはです。

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<展示の特徴>


西臨海水族園では、まるで自然の環境を切り取ってきたかのような「生態展示」を目指しています。
生き物だけでなく、その生き物がくらしている環境もできるだけ再現して展示をする方法です。
実際にスタッフが現地で見てきた海の色や岩の形、生き物の種類などを再現するように、魚だけでなく海そうや無脊椎動物などを一緒に飼育したり、照明や壁の色にも配慮したりしています。


目印は地上30.7メートルある大きなガラスドーム



<大迫力! クロマグロの群泳>


ドーナツ型の大水槽では、2,200トンの水槽を群泳する迫力あるクロマグロを観察することができます。
大きいものでは体長約170cm、体重約100kgにもなります。食卓ではおなじみのマグロたちですが、泳いでいる姿にはさらにたくさんの魅力があります。
たとえば、水の抵抗を減らすことに役立つラグビーボールのようなつるんとしたかたち。普段泳いでいるときは体のスリットにしまっていて、スピードを落としたりターンしたりするときに出すひみつのヒレ。
生きているからこそ見られる姿をぜひ水槽前でじっくり観察してみてください。


約80尾クロマグロの群泳



<世界の海をめぐろう!



「世界の海」エリアでは世界中から集められた数多くの生き物たちに出会えます。
太平洋、インド洋、大西洋、深海、さらには北極海や南極海も。姿形やくらしかたもさまざまです。
水槽の近くに観察ポイントや生息地の解説があるのでご注目ください。スタッフが世界各地の海で採集してきた、他では見られない珍しい生き物も展示しています。


「オーストラリア西部」水槽のウィーディシードラゴン



<ペンギンの生態を見てみよう>


フンボルトペンギン、ミナミイワトビペンギン、フェアリーペンギン、オウサマペンギンが飼育されている国内最大級のペンギン展示施設が「ペンギンの生態」です。
ペンギンの動きを、陸上と水中どちらからも観察できます。
夏の暑さ対策や繁殖への取り組みのため、ミナミイワトビペンギンとオウサマペンギンはモニターをとおした観察となる時期があります(屋外展示中止と再開はニュースページでお知らせします)。


生息地で型をとって作った擬岩が並ぶ展示場


水中を泳ぐフンボルトペンギンの様子を観察してみよう



<ゆらゆら、海藻の林>


世界最大の海藻ジャイアントケルプと、カリフォルニアの海にくらす生き物たちを展示しています。
波に漂う海藻の動きをゆっくり観察することができます。裏話になりますが、この水槽の水温は約12℃。
2週に1度ほどの頻度で飼育係が掃除やメンテナンスのため潜水作業をおこないますが、だんだん震えてくるほど寒いそうです。


海藻の生育のために人工的に波を起こしています



<どこからどこまでが東京の海?>


「東京の海」エリアでは、東京都である小笠原諸島から伊豆七島(いずしちとう)、そして東京湾の外湾部から内湾部の干潟(ひがた)まで、さまざまな環境を展示しています。
2階のキャットウォークでは干潟にくらす小さな生き物や、バックヤードで作業する飼育係の様子や濾過槽(ろかそう)などの飼育設備を見ることができます。

 


明るい天然光が差し込む「東京の海」エリア


「泥干潟1」水槽のトビハゼ



<特設展示「イキモノマヂカ」で体感しよう!>


2022年7月に本格オープンしました。生き物をより間近に感じられるしかけがいっぱいの展示を体験したり、スタッフがおこなう教育プログラムに参加したり、小さなお子さまから大人まで楽しめます。
生き物を間近に感じる「体験」をとおして「生き物っておもしろい、もっと知りたい」、そんな気持ちになってもらえたらうれしいです。

 


水槽で生き物が隠れている様子を観察しよう



<海鳥の生態を知ろう>


海鳥は、海を生活の重要な場所としている鳥たちです。
ペンギンの仲間と異なり、エトピリカやウミガラスは空を飛ぶことができ、さらに水中を飛ぶように泳ぐこともできます。
繁殖時期になると冬羽から鮮やかな色や模様の夏羽(なつばね)に生え換わります。

 


翼を少し折りたたむようにして泳ぐウミガラス


<水族「園」の理由がここにある>


「水辺の自然」エリアは屋外にあり、自然が豊かだったころの東京周辺の水辺が再現されています。
田んぼや池沼、ため池、渓流といったさまざまな水辺環境。そこで見られるカエルやイモリなどの両生類や魚類などが展示され、水草も観察できます。
水族「館」にとどまらない、自然いっぱいの水族「園」を体感してください。


人工河川「流れ」

(文=教育普及係 村松茉由子)

西臨海水族園
西臨海公園のなかにあり、600種を超える世界の海の生き物や身近な水辺の環境と出会える水族館。2,200トンのドーナツ型の大水槽で群泳するクロマグロや、国内最大級のペンギン展示場で泳ぎ回るペンギンの姿などを見ることができます。
住所 〒134-8587 東京都江戸川区臨海町6丁目2-3
TEL  03-3869-5152
公式HP  西臨海水族園HP
営業時間 9:30~17:00
Instagram  
東京ズーグラム 
Twitter  
西臨海水族園[公式] 
YouTube  
西臨海水族園公式チャンネル



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書籍情報


総監修:宮 正樹 監修:佐土 哲也 監修:小枝 圭太

定価
2,200円(本体2,000円+税)
発売日
サイズ
A4変形判
ISBN
9784041118535

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