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子育て・教育

聞かせて!けいたろう 第15回  《父親としての読み聞かせ》


「聞かせて!けいたろう」の連載は、今回が最終回です。次回からはnoteに引っ越しますので、引き続きよろしくお願いいたします! さて、最終回のテーマは、「父親としての読み聞かせ」。プロの読み聞かせ屋であるけいたろうさん、おうちではお父さんでもあります。けいたろうさんが家でどのようにお子さんと絵本をつないでいるのか、じっくりはなしてくださいました!

こんにちは!聞かせ屋。けいたろうです。
僕には、もうすぐ6歳になる娘と、1才5ヶ月の娘がいます。今日は、家庭での読み聞かせについてお話ししたいと思います。

まずは、第一子が産まれた時。「よし、さっそく読み聞かせをしてみよう!」と思いまして、生後二日目で赤ちゃん絵本を読みました(笑)。しかし、思い切り泣かれました。
さすがに早過ぎたかと反省しつつ、絵本の出番を待っていたのですが、第一子が絵本に興味を持ったと実感したのは、もうすぐ1才になる頃。手を振ってバイバイをするようになったので、『ばいばい』という赤ちゃん絵本を買いました。



『ばいばい』作・絵:まついのりこ(偕成社刊)

すると、この絵本に向かってバイバイするようになったのです。
これは嬉しかったですね。そして次々と絵本を求めるようになったのは、1才3ヶ月頃。僕の予想より遅かった印象です。

彼女は歌が好きだったので、0歳の頃から曲に合わせて体を動かしていました。なので、歌絵本を気に入ったようでした。



『どんな いろが すき』絵:100%ORANGE(フレーベル館刊)



『おばけなんてないさ』絵:せな けいこ(ポプラ社刊)

一度絵本を気に入ってからは、ふとした時に絵本を手渡しに来るので、その時に読むという感じでした。
その頃に表紙を見せて並べられる本棚を買ったので、そこから選んで持ってきます。やはり表紙が見える事と、手に取りやすい場所に絵本があるという事は、大事だと思います。

子どもが持って来たから読み始めると、すぐにどこかに行ってしまう時もあるのですが、それは“絵本を手渡す”という遊びをしているのかもしれませんね。それはそれで楽しいのだと思います。無理をして最後まで読まなければいけないわけでもありませんし、親としても気楽に構えていたら良いかな。

第一子はもうすぐ6歳になるのですが、毎晩3冊の絵本を選んで、寝室に持っていきます。はじめは僕が選んでいたのですが、次第に自分で選ぶようになって、「これは長い?」「これは短い?」なんて、話の長短でバランス良く選んでいきますね(笑)。はじめは何冊も持って行っていましたが、やはり読む方も大変だったので、3冊という決まりが出来ました。

まぁ、寝室では僕は読ませてもらえないんですけどね(笑)。「ママがよんで!」という風になります。完全に母の役割らしいです。読み聞かせは技術だけではない事を、毎晩思い知らされます。

第二子は、絵本に興味を持つのが早かったですね。生後6ヶ月で絵本を読んでもらう事が好きになったようです。きっかけは『なでなでなーで』という赤ちゃん絵本。



『なでなでなーで』絵:わたなべ さとこ 作:にへい たもつ(KADOKAWA刊)

「なでなでなーで だーいすき」という言葉と共に、娘を撫でていたのですが、それがすごく嬉しそうで。絵をじっくり見つめるのです。驚いたのが、泣いた時でもこの絵本を読み始めると泣き止み、落ち着くこと! 抱っこをしても泣き止まない時ですら、絵本で泣き止んだのですよ。親としては、「これは助かる!」と思いまして、リビングと寝室に1冊ずつ置きました(笑)。

その後に好きになったのは『いろいろばあ』という絵本。



『いろいろばあ』作:新井洋行(えほんの杜刊)

「ばぁ!」と縦に開くインパクトも良かったようで、嬉しそうに目で追っていました。

「赤ちゃん絵本を手渡すのは生後6ヶ月くらいから……」と、よく言われるのですが、僕は第一子の子育て経験上、それは早いんじゃないか? と思っていた節がありました。でも「確かにその通り!」と思わせてくれたのが、第二子でした。その後動き回るようになると、絵本から離れる時期もありましたが、今では姉妹で絵本好きです。

絵本を好きになる時期やきっかけは、子どもそれぞれだと思います。親としてはどこかに「本好きになって欲しい」という思いがあって、それが絵本好きから始まるものような気がしますよね。そういう僕は子どもの時に本好きだったかというと、漫画しか読んでいないという……(笑)。そういう事実は棚に上げて、絵本を好きになってもらう為に僕も頑張りました。

ポイントとしては……

①玩具と同じように、絵本も本人が手に取りやすい場所にあること。
②赤ちゃんの頃は、絵本を舐めたりかじったりもしますが、それも認めてあげること。そんな時期は、丈夫な厚紙絵本(ボードブック)がオススメです。
③絵本の対象年齢を意識すること。先々長く読めそうだからと、幼児向けの絵本を買う方が居ますが、洋服のサイズ同様、成長過程でぴったりの絵本も変わります。特に0〜2歳向けには赤ちゃん絵本がオススメです。
④ 親子で絵本を楽しむこと。無理して絵本を押し付けない。子どもを絵本好きにさせる事を目的としないでください。親子で絵本を読む時間が好きなったら、それが一番です。

偉そうに言ってしまいましたが、僕の子育てもまだ始まったばかり。うまくいかないことも多々あります。しんどい時、苦しい時、そんな時に絵本が親子を助けてくれたら良いなぁと思います。はじめは、その子にぴったりの絵本が分からないと思いますが、図書館の司書さんや子育て支援施設の先生方はきっと、良い絵本を知っています。皆の力、絵本の力を頼ってみてくださいね。

今月紹介した絵本


作・絵:まついのりこ(偕成社刊)

定価
660円(本体600円+税)
発売日
サイズ
14cm×14cm
ISBN
978-4-03-102450-1

絵:100%ORANGE(フレーベル館刊)

定価
770円(本体700円+税)
発売日
サイズ
18cm×16cm
ISBN
9784577043790

絵:せな けいこ(ポプラ社刊)

定価
968円(本体880円+税)
発売日
サイズ
20.7cm×20.6cm
ISBN
9784591110485

作:にへい たもつ(KADOKAWA刊)

定価
1,078円(本体980円+税)
発売日
サイズ
その他
ISBN
9784041092101

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作:新井洋行(えほんの杜刊)

定価
935円(本体850円+税)
発売日
サイズ
18cm×18cm
ISBN
9784904188125

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