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今回は、こどもたちが毎日絵本に触れている場所、保育園や幼稚園での絵本についてです。保育士のけいたろうさんが、専門家ならではの知識と経験から教えてくださいますよ♪
皆さん、保育園や幼稚園において、絵本がどのように読まれているか、ご存知ですか?
園によってそれぞれではありますが、僕が勤務していた保育園のことをお伝えしたいと思います。
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絵本は毎日読みます! 朝の会で1冊、お昼寝の前に1冊、帰りの会で1冊。そう、一日3冊は読んでいます。すると、一年に700冊くらいは絵本を読んでいることになりますね(同じ絵本を何度か読んだりもします。)
クラスによっては、朝は読み聞かせでなく歌を歌ったり、体操をしたり、一日の保育の流れは様々です。でも、自由な時間に子ども自身が絵本を手に取る環境もきっとあります。
読む絵本や部屋に置く絵本に決まりは無く、先生それぞれの選書です。園には大抵多くの絵本がありますが、絵本好きの先生は、自分で買った絵本を持ってきたりもします。
僕が新人保育士だった頃にコンビを組んだ先生は、保育室の天棚に、自分の絵本をズラリと並べていました。園の絵本は昔ながらの名作が多かったりもするので、先生が買ってきた新作絵本も子ども達の楽しみです。
『今日はどれを読もうかな~?』と選んでいるその背中がまた、期待を膨らませるのです。子ども達の発達や興味に合わせていたり、自分が「今日読みたい!」と思う絵本であったり、様々です。その先生が好きだったのが、『ゆうれいとすいか』。懐かしいなぁ。
保育現場において、絵本はとても大切にされています。
絵本は、皆で一つのお話を味わう体験をくれたり、一人で過ごす落ち着いた時間をくれたりもします。絵本を通して、登場人物の気持ちを感じたり、色々と考えたりもするでしょう。園生活には無くてはならないものだと言えます。ですから先生達は、良い絵本の選び方、絵本の持ち方やめくり方等も学んでいます。
絵本を読むと、子ども達の喜ぶ姿が見られます。口をポカンと開けながら、絵本に釘付けになった眼差し。鬼やおばけの登場にちょっとドキドキしながらも、体を寄せ合うようにして話を聞いている姿。読み手側から見える子ども達もまた、たまらなく素敵なものです。
園での生活にまだ慣れない子が、絵本をきっかけとして生活や先生に馴染んでいくことも少なくありません。僕らも子ども達も、すっかり絵本の力を借りているのですね。
ところで、お母さん、お父さんはプロになる必要はありません。家庭での読み聞かせは、何よりその時間、親御さんとの関わりが大切なので、こだわらず自由に読んでもらって大正解なのです。
それに、家に何百冊もの絵本を用意しなくても大丈夫です。保育園や幼稚園にありますから!「またこの絵本~?」なんて言いながら、同じ絵本ばかりを読んでいても良いのです。その一冊が、その子にとってのお気に入り、[懐かしい絵本]になるそうですよ。
こういう日々ですから、なかなか書店や図書館に行けないこともあるでしょう。でも、逆に本がくれる楽しみもあるかと思います。
人との距離をとらなければならない日々ですが、保育園で、幼稚園で、家庭で、絵本がきっと、心の距離を近付けてくれますよね。
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『ゆうれいとすいか』作:くろだかおる/絵:せなけいこ(ひかりのくに刊)
ゆうれいが、おばけ組合から持ってきたスイカは、何と中身が青!
食べると…どうなる?大丈夫?ユーモアたっぷりのおばけ絵本。
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『なわとびょ~ん』作:シゲリ カツヒコ(KADOKAWA刊)
謎の男がもったおおなわを回すと、お年寄りがびょ〜ん!車もびょ〜ん!あんなものも、こんなものもびょ〜ん!保育現場で皆で笑おう!
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『パパとタイガのとびっきりキャンプ!』やく:聞かせ屋。けいたろう/さく:セバスチャン・ブラウン(教育画劇刊)
父子で行く、初めてのキャンプ絵本。下調べはバッチリ!
息子に良い所を見せたいパパだけど…けいたろうの新刊翻訳絵本。
【けいたろうさん出演イベント情報】
聞かせ屋。けいたろうさんと絵本作家の鈴木のりたけさん出演のイベントです。
『すしフェス2021』~シャリまみれ~
日時:7月18日(日)①11:00~12:00 ②14:00~15:00
会場:PLAY! PARK(立川)
くわしくはコチラ
https://play2020.jp/article/ws-sushifes/
今回ご登場した絵本
やく:聞かせ屋。けいたろう/さく:セバスチャン・ブラウン(教育画劇刊)
- 【定価】
- 1,650円(本体1,500円+税)
- 【発売日】
- 【サイズ】
- 297×220㎜
- 【ISBN】
- 978-4-7746-2192-0