キャンプは、五感をフル活用して子どもの心とからだの成長をうながす最高の自然体験です。自然との距離をぐっと縮めてくれるキャンプアイテムが「ハンモック」。今回は、キャンプコーディネーター・漫画家のこいしゆうかさんに、ハンモックの楽しみ方とおすすめのアイテムについてお話をうかがいます。
■ 大自然に浮かぶような開放感を味わおう!
 キャンプといえば、青空の下で料理を作ったり、焚き火をしたりといったシーンを思い浮かべる方も多いのではないでしょうか。こうした場面では、目線が下を向いていることがほとんど。キャンプ場では、意外と下を向いている時間が長いのです。
 そこでおすすめしたいのが「ハンモック」です。ハンモックに寝転ぶと、自然と目線が上を向きます。空や雲、木々の揺らぎを見つめたり、月や星を眺めたり。まるで大自然のなかで浮かんでいるような開放感を味わえます。これはハンモックでしか味わえない感覚です。
 キャンプ場では、ぜひテント横に設営してみてください。ハイキング後に休憩したり、お昼寝したり、椅子のように腰かけてのんびり飲み物を楽しんだりと、さまざまな場面で活用できます。双眼鏡を使って、ハンモックに横になったまま野鳥観察や星空観察をするのもいいですね。子どもが小さいときは親子でハンモックのひとときを満喫して、子どもが大きくなったら親専用にすることもできます。最近は、テントを持参せずハンモックで就寝する「ハンモック泊」と呼ばれるキャンプスタイルも確立されています。丈夫な生地のものを選べば、想像以上に長く使えますよ!
■ こいしさんおすすめ!「ハンモック5選」
「親子で使うなら、軽さより耐久性を重視したハンモックがおすすめ」とこいしさん。子どもと使いたいおすすめのハンモックを教えていただきました。
◆バイヤー『バルバドスハンモック』
たっぷりの布に包まれリラックス
こいしさん:バイヤーオブメインは、野外用の家具を扱うアメリカ・メイン州生まれのブランドです。『バルバドスハンモック』は、厚みのあるコットン混合の布をたっぷりと使用したブラジリアンハンモック。丈夫な生地がすっぽりとからだを包み込み、ゆったりと過ごせます。
左から、レインボー、シャーベットなど、全4色展開。
こいしさん:1人用ではありますが、耐荷重150kgで親子2人で寝転んでも十分な大きさです。のんびりと空を眺めたり、お昼寝をしたりして、ハンモックタイムを満喫できます。耐久性が高く、長く使えるところも魅力です。
商品情報
バイヤー『バルバドスハンモック』
商品サイト:https://aandfstore.com/products/12410010
画像提供:株式会社エイアンドエフ
◆ENO『ダブルネストハンモック』
通気性と速乾性に優れた独自素材を使用
こいしさん:近年、軽量性を追求したポリ素材のハンモックが増えています。持ち運びしやすいものの、製品によっては摩擦で破損するケースも見られます。通気性と速乾性に優れた独自素材を使用した『ダブルネストハンモック』は、600g以下と軽量なうえに耐久性に定評があり、子どもと一緒に安心して使えます。
シンプルな無地の『DoubleNest® Hammock』とポップな柄が楽しい『DoubleNest® Hammock Prints』。
こいしさん:ハンモック本体に収納袋が一体化されたポケッタブルタイプで、収納袋を紛失する心配がありません。ハンモックを使っているときは、収納袋にドリンクなどを入れられます。別売りのストラップ(『Atlas™ Hammock Straps』)と組み合わせれば、初心者も簡単に設営できます。
商品情報
ENO『ダブルネストハンモック』
商品サイト:https://enohammock.jp/collections/hammocks
画像提供:有限会社サンウエスト
◆チケットトゥザムーン『コンパクトハンモック』
ファーストハンモックに最適!
こいしさん:キャンプアイテムやアウトドアアイテムにもよく使われるパラシュート生地を使用したハンモックです。500gと非常に軽量で、耐久性が高く、価格も手ごろ。気軽に購入しやすく、まずはハンモックがどのようなものか試してみたいというときにぴったりのアイテムです。『コンパクトハンモック』は1人用で、親子で一緒に使うのなら、同じパラシュート素材を使用した『オリジナルハンモック』もあります。
左から、ブラウン、ジェードグリーンなど全7色展開。洗濯機で洗えてメンテナンスしやすいところも魅力。
こいしさん:ブランド名にちなんだ、月の形をした「エクスプレスセッティングバッグ」に収納できます。とてもキュートな形状で、バックパックのサイドポケットに入れられるコンパクトさも魅力です。
商品情報
チケットトゥザムーン『コンパクトハンモック』
商品サイト:https://e-mot.co.jp/product/compact-hammock/
画像提供:株式会社モチヅキ
◆ほほほハンモック『ブランコソファハンモック』
作り手の顔が見える国内生産の手編みハンモック
こいしさん:ほほほハンモックは、国内のハンモックメーカー。やわらかな肌ざわりのコットン100%の紐を使い、1点ずつ手編みにこだわってつくっています。『ブランコソファハンモック』は、腰かけて使うハンモックです。背部分までしっかりと包み込むので、後ろに転倒する心配がなく、ブランコのように楽しむこともできます。一つひとつ手編みでしっかり作られているので、大人も安心してくつろげます。
左から、レインボー、生成りなど6色展開。
こいしさん:ハンモックは海外製のものが大多数ななか、ほほほハンモックは作り手の顔が見えるところが大きな特徴。ほつれなどが気になったときに問い合わせしやすい点も魅力です。別途料金が必要ですが、好みの形やサイズ、色にこだわったオーダーメイド品もあります。世界にひとつだけのハンモックは、プレゼントや贈り物にもおすすめです。
商品情報
ほほほハンモック『ブランコソファハンモック』
商品サイト:https://hohoho.base.ec/items/113509673
画像提供:ほほほハンモック
◆『the Hammock』
通気性がよく、からだにやさしくフィット
こいしさん:『the Hammock』は、コットンの糸をていねいに編み込んで作られたメキシカンハンモックです。ハンモックの発祥の地はメキシコなど中南米だと言われていて、高温多湿の気候のなか、暑さや害虫から身を守るために浮いて寝る道具として生まれたと考えられています。編み込んで作られた『the Hammock』は風通しがよく、暑い季節でも快適に過ごせるのが特徴です。
XS、MEDIUM、LARGE、JUMBOの4サイズ展開。親子で使うなら、大人が縦に乗っても広々使えるJUMBOが最適。
こいしさん:布製のハンモックより比較的軽く、やさしくからだにフィットします。ハンモックにうまく乗れるか心配な場合は、からだをしっかり受け止めてくれる大きめを選ぶと安心です。まずお尻からゆっくりと椅子に座るようにして腰かけ、ハンモックに少しずつ体重を預けるようにして横になります。大きめのサイズを使う場合、ロープに対してからだが斜めになるようにするとより安定します。
商品情報
『the Hammock』
商品サイト:https://www.the-hammock.com/shopping/hammock/
画像提供:株式会社 the Hammock
■ ハンモックでゆったりとしたひとときを
「ハンモックを購入するときは、必ず木にくくるストラップが付属しているか確認しましょう」とこいしさん。ストラップは別売りの場合がほとんどなので、設営するときに困らないよう、あらかじめ準備しましょう。
「一般的に、ハンモックは約2〜3メートル、大人の足で3歩ほど間隔があいた2本の木に取り付けます。居心地がいい場所を探すのも大切ですが、丈夫な木を見つけることも重要です。葉が落ちている木は枯れている可能性があるので避け、腐食していない丈夫な木を選びましょう。適切な間隔の木を見つける自信がないようなら、片方は木に、もう片方はワンサイドスタンドを活用するのがおすすめ。ハンモックの使用はNGというキャンプ場もあるので、事前に確認しておくと安心です」
慌ただしい日常から離れて、ハンモックでゆったりとしたひとときを。子どもと一緒に山や森に出かけてみましょう!
取材・文:三東社
【プロフィール】
こいしゆうか
キャンプコーディネーター・漫画家。女性が自立してキャンプをする「女子キャンプ」の提唱者。メーカーコラボによるオリジナルテント「PANDA」などのデザインも手がける。雑誌やラジオ、テレビなどさまざまなメディアでキャンプの魅力を発信。『ゆるっと始めるキャンプ読本』(KADOKAWA)など著書多数。