仕事も人間関係も、すべて「ゲーム」にしてみたら? ヨシタケシンスケ『そういうゲーム』と見つける、自分だけのユウウツ攻略法

長い休みが終わり、新たな日常が始まります。そんなときふと心によぎる、あの「ユウウツ」な感覚…。特に、人間関係や仕事、あるいは自分自身との向き合い方において、モヤモヤを抱える人は多いでしょう。
そんなとき、きっとあなたの助けになるのが、ヨシタケシンスケさんの絵本『そういうゲーム』です。モヤモヤを「ゲーム」としてとらえてやり過ごす「考え方のヒント集」は、絵本でありながらどこか哲学的。どこから読んでもいいし、日によってぴったりくるシーンが違うかもしれない自由な本です。読んでいるうちに、あなたの新しい視点が見えて、気持ちが軽くなるかもしれません。
1. 人間関係を見直したいと思ったら
長期の休み明けに、再び始まる人間関係にナーバスになる方もいるかもしれません。この本は、私たちにこう問いかけます。
自分を傷つける人からどこまでとおくにいけるか。
そこそこ いごこちのいいばしょを
みつけることが、つくることができるかどうか。
そういうゲーム。

無理に誰かと合わせようとしなくてもいい。自分が心地よくいられる場所を探すこと、あるいは自分で作ること。それは、自分自身を大切にするための、とても重要な「ゲーム」かもしれません。
2.「この仕事(勉強)って何の役に立つんだろう?」という人へ
日々の業務や勉強に追われ、その「意味」や「意義」を見失いそうになることもあるでしょう。顕微鏡を覗く研究者の絵にこんな言葉が添えられています。
この病気を30年以内に地球上から
なくすことが できれば かち。
そういうゲーム。

すぐに結果が出なくても、成果が見えなくても、もしかしたら今取り組んでいることは、いつか誰かのために、未来のためになるかもしれない。それは、長い時間をかけて取り組む、尊い「ゲーム」です。目の前の小さな一歩が、いつか大きな「勝ち」につながるかもしれません。そう考えると、少し違った景色に見えてくるのではないでしょうか。
3. 相性が悪い人、距離が遠い人がいたら
職場や学校で、距離を縮めたいけれど難しい相手がいるとき。
少しずつなかよくなって、いつか
おなかをナデナデさせてもらえたら かち
そういうゲーム。

猫と人間の関係は、人間関係にも通じるときもあります。無理に親友になってベタベタする必要はないけれど、少しずつ相手との距離を測り、お互いにとって心地よい関係性を見つける。それは、同僚、上司、先生、あるいは近所の人との間でも同じかもしれません。そして「そういうゲーム」としてしまえば逆におもしろくなってしまうかも!? 相手を猫だと思って(!)焦らず、少しずつ、トライ&エラーで楽しんでしまいましょう。
4. 「嫌い」を大事にし、パワーに変える
「嫌い」という感情を抱くことに罪の意識を感じる必要はありません。
坂道を自転車で奮闘する男性の絵に、刺激的な言葉を重ねているページがあります。
価値観の合う人と どれだけいっしょにいられるか。
やっかいな人と どれだけ関わらずにいられるか。
嫌いな人を呪うパワーで どこまで前に進めるか。
そういうゲーム。

ネガティブな感情を、自分を奮い立たせる「パワー」に変えるゲームです。呪うほど人を嫌いになるパワーや、自分の中にあるどんな感情も、使い方次第で「勝ち」につなげていけばいいのです。
5.「正解じゃない側」も正解
大勢と違う自分、あるいは自分の抱く感情が「正解ではない」と感じてしまうとき。
自分が「正解」の側に
いないことのさみしさに、
かわいい服を着せてあげられたら かち。
そういうゲーム。

多数派の中にいなくても、そしてそれを隠していたとしても、「隠す」という感情さえ愛おしいものとして受け入れることの大切さに気づかせてくれます。自分の中にあるネガティブな感情や、人と違う部分を否定するのではなく、それに「かわいい服を着せてあげる」ように、優しく包み込んでみる。矛盾に苦しむのではなく、ゲームにできるようになったら素敵ですね。
長期休み明けの憂鬱な気持ちも、「そういうゲーム」としてとらえ直してみることで、少しだけ気が楽になるかもしれません。また『そういうゲーム』を読んで、自分にしっくりくるページを見つけてニヤッとするのも、またゲームです。
あなただけの「ゲーム」のルールを見つけ、「明日からの毎日がちょっと楽になるかも」 と思えたら、かち。
そういうゲームです。
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