小さいころから、学校以外にも習い事や塾などでとても忙しい子どもたち。「寝る時間を削ってでも……」となりがちですが、「睡眠」こそ賢い子・生き抜く力を持つ子に育つためにとても重要なもの。
そうはいってもなかなか時間がとれない、とお悩みの保護者のみなさんのために、親も子もがんばりすぎないベストな睡眠のためのよい方法をお伝えするのがこの本です。
※本連載は『忙しくても能力がどんどん引き出される 子どものためのベスト睡眠』から一部抜粋して構成された記事です。記事内で使用している写真は本誌には掲載されていません。
子どもが中高生になると、学校で過ごす時間が長くなります。その後、塾や部活も入ってくると、電車通学をしている子によっては6時台に家を出て、そのまま22時近くまで帰宅しない生活になる可能性もあります。そしてこの忙しさが引き金となり、生活が夜型になって睡眠時間が圧迫されていくことが多いのです。
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内閣府の調査によると、平均就寝時間は中学生では22時55分、高校生では23時42分です。一方、平均起床時刻は、中学生では6時41分、高校生では6時36分。平均的な睡眠時間は中学生では7時間46分、高校生ではなんと7時間睡眠を切って、6時間54分となっていることがわかりました。
アメリカの国立睡眠財団では14〜17 歳は8〜10時間、個人差を最大限考慮しても「7時間以上は眠った方がいい」としています。これを見ると、日本の子どもの睡眠は推奨時間に達していないことがわかります。ただ一方でアメリカの中高生たちも10人中6〜7人は睡眠時間が足りていないことがわかりました。
日米いずれの中高生もしっかり眠れていないようですが、実はこれには理由があります。思春期に入るとメラトニンの分泌パターンがこれまでよりも遅くなり、23時頃に分泌が始まるため、朝になってもメラトニンレベルが高い状態が続きます。そのため、夜型のリズムになるのです。女性は19歳、男性で21歳が夜型のピークとなり、中学生は夜型に向かって体が変化を迎えている途中なのです。そしてこの体の変化に加えて、日本でもアメリカでも子どもたちは学業や課外活動、さらに友人とのスマホなどでのやり取りが増え、どんどん睡眠時間は削られてしまうのです。
体は夜型に移行しても、脳も体もまだまだ成長をする時期です。だからこそ、子どもの睡眠とスマホの利用には中高生でも親が介入してもいいかもしれませんね。
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■ 「休む時はしっかり休む」を心がける
私(著者)が自分の子どもたちに願うのは、「自分自身を好きでいること」と「やり抜く力を身につけること」。しかし、しっかり睡眠がとれていないと、この2つを育むのはなかなか難しいのです。
そして大人が幸せで幸福度が高いことも、子どもの笑顔に大きく影響します。ですので、この本では大人の睡眠についてもふれています。
親も子も、睡眠をないがしろにせず「休む時はしっかり休む」を心がけていただけることがとても大事。この本がみなさんにとって、「最高のねむり」を手に入れられるヒントになることを心から祈っています。
書籍情報
- 【定価】
- 1,650円(本体1,500円+税)
- 【発売日】
- 【サイズ】
- 四六判
- 【ISBN】
- 9784046068576