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1万人以上の脳を見て、画期的な脳トレ法を考案してきた医師ならではの目から鱗の知恵が満載の1冊『脳と子どもの専門医が知っている 子どもの脳がみるみる育つ新習慣』をためし読み公開!(※「はじめに」からぜひご覧ください!)
「うちの子、発達障害かも?」と心配する親御さんに、お子さんの苦手や困難を解決するちょっとした習慣を提案します。
第5回のお悩みは…
Q.つらいことばかりで、子育てから逃げ出したくなります
Q.子どもをほめるのが苦手です
に答えます。
子育てから逃げる先を確保してほしいです
「生きていればそれでいい」と思えるか
「子育てがつらい」とおっしゃるのは、ほとんどお母さんです(あくまでも私のクリニックの場合ですが)。お父さんから、そのように伺ったことはあまりありません。もしかすると、お父さんから「子育てがつらい」という言葉をあまり聞かないのは、多くのお父さんは意識的であれ無意識であれ、つらくなる前にうまく逃れているのではないかと想像します。仕事、ゴルフのレッスン、会社の同僚との飲み会、気晴らしのコンビニ……。子どもからちょっと逃げる先が、いろいろあるのではないでしょうか。
でも子育てがつらいお母さんは「逃げ出したくなる」状況でも、実際には逃げられないから、つらい気持ちがだんだん大きくなってしまうのです。つらいのは発達障害だからではなく、ほんとうによくがんばっておられるからです。
子どもというのはどうにも思いどおりにはならないので、理想を求めれば、つらくなるのは当然です。私もそうでした。でもそういうとき、私は「多くを求めない」という考え方にシフトするようにしていました。細かい部分は理想どおりではないけれど、とりあえず元気に生きていればそれでいい―と。というのも我が家はとても難産だったので、「母子ともに生きてさえいればそれでいい」と望んだあの日のことを思い出すと、もうそれ以外のことはどうでもよくなってしまうのです。冷静に考えれば、お子さんが生まれてきただけでもすばらしいことだと思いませんか?
もしそう思えないなら、あなたの心身が疲れているからだと考えます。仕事でも習い事でも美容院でもスーパーでも、なにか子育てから短時間でも逃れる先を確保するのが賢明です。
「9対1の法則」を思い出してください
「できないこと」だけ考えるのは楽しくない
子どもでも大人でも誰でも、他人から自分の欠点や苦手ばかりを指摘されていると、自分でも「できないこと」にしか目を向けられなくなります。そのせいで、それまで問題なくできていたことさえできなくなってしまうという残念な展開は、めずらしくありません。
子どもはみんな脳が発達過程なので、できることもできないこともあってあたりまえ。この時期に、子どものできること、ほめてあげたいことではなく、できないことばかりにフォーカスしてしまうのは、子どもにとっても親御さんにとっても不幸なことです。脳は楽しい気持ちでいるときにしか、うまく働かないし、成長もしないのでしたよね。お子さんの脳に、自分の欠点や苦手についてばかり考えさせてしまうのは、お子さんの脳にとって楽しくないですから、成長のスピードが落ちてしまいます。
ところでこれは大人の脳も同じです。親御さん自身も、「ほめるのが苦手」といって、自分のできないことばかりにフォーカスしていると、楽しくないし、脳をうまく生かせません。「9対1の法則」でしたよね。できないことひとつにこだわる前に、できることを9つ思い浮かべる習慣を、親御さんは、お子さんだけでなくご自身の脳のためにも実践してください。
できないこと=「ほめるのが苦手」「子どもの長所に目がいかない」を気にする前に、親としていつもふつうにできていることを9個思い浮かべてみてください。そうやって、自分のできることを確認し、脳を活性化させれば、お子さんの意外な長所がいくつも見つかるはずです。
今回ヨメルバで紹介したのはほんの一部です。
書籍の中では、そのほかにも多くの悩みに答えています!
著者:加藤 俊徳
- 【定価】
- 1,650円(本体1,500円+税)
- 【発売日】
- 【サイズ】
- 四六判
- 【ISBN】
- 9784046057112