勉強に集中しないわが子についイライラしたり、なかなか上がらない成績に焦って怒ったりしてしまうことはありませんか? その原因は実は、中学受験の本来の性質を知らない「親」自身の認識にあるかもしれません。今回は、親も子どもも安心して受験に臨むための「大切な二つの心構え」について、やさしく解説します。
※本連載は『中学受験 合格をつかむ自宅勉強法』から一部抜粋して構成された記事です。
中学受験は「特殊な受験」
近年、首都圏や大阪の中学受験率は過去最多を更新し続けています。受験熱が高いエリアでは、中学受験しない人はクラスにほんの数名しかいない小学校も多く、「中学受験をするのが当たり前、受験をしないのは少数派」という感覚を持っている方も多いことでしょう。
では、実際のところどうなのでしょうか? 中学受験率を見てみると、首都圏では20%程度、関西圏では10%程度。都内で最も受験率の高い文京区、港区、中央区でも50%程度(2025年入試)です。中学受験熱が高まっているといっても、全国的に見れば中学受験をするのは少数派なのです。
そんな中学受験では、小学校の学習内容を大きく超える問題が出題されます。高校受験も大学受験も、基本的には学校の学習指導要領を超える内容は出題されません。ところが中学受験では、難関校はもちろん、中堅校でも学習指導要領を超えるレベルの問題が出題されるのです。
つまり、中学受験とは、少数の人たちが受ける「特殊な受験」であり、学校と並行してハイレベルな勉強を必要とするものなのです。
さらに、親が自身の大学受験や高校受験の成功体験をもとに、一方的にわが子を指導してもうまくいかないことが多いのも実情です。なぜなら、30年前と今の中学受験は大きく様変わりしているからです。30年前は御三家と呼ばれるトップ校でしか出題されなかった難問が、今や中堅校でも出題されるようになっています。今の中学受験は、30年前とは比べものにならないほど難しくなっているのです。
中学受験は「特殊な受験」であること。
中学受験は「難しくなっている」こと。
この二つのことを忘れると、勉強に集中しない、成績が上がらないわが子をつい怒ってしまいます。まして、受験するのはまだ11、12歳の子ども。成長の個人差が大きい年頃です。わが子を怒りたくなったら、「そもそも中学受験は特殊な受験」ということを思い出してください。
また、中学受験では、約3人に1人しか第1志望校に入ることができません。「まさか」の不合格もありえます。お子さんやご家庭の状況によっては途中で別の選択肢を選ぶ判断をして、受験から撤退する家庭も少なくありません。合格だけを目標にするのではなく、受験勉強を通じて成長することなども目標にしたいものです。
中学受験は、わずか11、12歳の子どもたちが挑む「特殊でハイレベルな受験」です 。思うようにわが子の成績が伸びないときこそ、この前提に立ち返ってみてください。本書は、そんな厳しい道のりを歩む親子が、道に迷わず、そして家庭内の空気を穏やかに保ちながらゴールへ進むための「地図」となる一冊です 。
書籍情報
中学受験のリアルを語る!うえだしろこさん×にしむら先生スペシャル対談
西村創先生が監修を務めたコミックエッセイ『中学受験に挑戦したら、想像以上に壮絶でした』の発売を記念して、著者のうえだしろこさんとのスペシャル対談が実現! 受験準備から壮絶な受験本番までを赤裸々に描いた本書をもとに、中学受験のリアルを、受験指導のプロと保護者の立場から存分に語っていただきました。
▼前編
▼後編
▼『中学受験に挑戦したら、想像以上に壮絶でした』のためし読み連載▼