野菜や動物、食べ物など、私たちの身近にあるものを消しゴムでリアルに表現した“おもしろ消しゴム”を製造している株式会社イワコー。その精工な作りと豊富なバリエーションで、長年多くの人に愛されてきました。その人気は日本にとどまらず海外でも注目されており、訪日外国人のお土産としても喜ばれています。
そんな、“おもしろ消しゴム”は一体どのように作られているのでしょうか? 製造の秘密を探るべく、ヨメルバ公式キャラクターのヨモモンと一緒にイワコーの消しゴム工場の見学に参加してきました。昭和43年創業という歴史あるイワコーの魅力を、徹底レポートします!
消しゴムなのに、プラスチック!?
まず、私たちを迎えてくれたのは、工場の入口に飾られていた“おもしろ消しゴム”の数々。
野菜に、恐竜に和菓子…どれも本物をそのまま小さくしたような再現度。
かわいいディスプレイにテンションが上がりつつ、ここまでリアルに再現するための製造工程がますます気になってきます。
早速、工場内へ!…と思いきや、今回特別に、通常の工場見学では紹介していない消しゴムの材料への着色工程を見せてもらえることに。
“おもしろ消しゴム”の色を付ける前の材料はこちらです!
“おもしろ消しゴム”の材料
消し“ゴム”なのだから、ゴムでできていると思いますよね? 実は、プラスチックが原料になっています。
実際に触ってみると、とてもプラスチックだとは思えない、手に馴染みのある消しゴムの触り心地でした。
ここに、色を付けていきます。
顔料
色の種類はなんと300~400色ほどあるそうで、緑だけでも52種類! 細かい色の違いまでこだわり抜いているからこそ、“おもしろ消しゴム”のあのリアルさが実現できるのですね。
色付けの工程では、原料のプラスチックと顔料をタンブラーに入れて混ぜ合わせていきます。
タンブラー。
1回(色)につき50㎏の材料を投入し、10分間この筒(タンブラー)を回転させながら色を付けていきます。
消しゴムの中まで染み込ませるというよりは、表面に粉を均一にまぶしていくようなイメージで色を付けていきます。
きれいな青色に。触ると手が真っ青になってしまうということで…見るだけにさせていただきましたが、とても貴重な場面を見せてもらいました!
通常の工場見学では、材料を見たり、触る体験はできるので、ぜひ着色工程を想像しながら見たり触ったりしてみてくださいね。
24時間フル稼働! “おもしろ消しゴム”のパーツが作られる流れとは?
さて、工場見学では、この材料を、“おもしろ消しゴム”製造マシンこと、「射出成形機(しゃしゅつせいけいき)」のホッパーと呼ばれる筒の中に入れて消しゴムのパーツが作られる様子を見学します。
射出成形機。右端にある筒がホッパーで、材料を入れるところです。
イワコーにはこの製造マシンが15台あり、なんと24時間フル稼働しています!
材料を入れて、140度の熱で溶かします。それを金型(かながた)と呼ばれる型に流し込んで冷やしていきます。
おもしろ消しゴム製造マシン解剖図。※当日配布の見学ガイドより一部抜粋
140度で溶けた消しゴム…触ってみたところとっても熱かったです。表面に少し触れるだけでも熱すぎて、思わずすぐに手を離してしまうほどでした。
溶けた材料(消しゴム)。
この熱々の消しゴムが金型に注入され、冷やされることで、“おもしろ消しゴム”のパーツが出来上がります。
冷やして固めるので、出来上がった消しゴムは熱くないです。
このパーツは、1日でなんと約60万パーツも作られます。それらを組み立てることで、約15万個の“おもしろ消しゴム”が完成するのです。
イワコーの宝「金型」
消しゴムのパーツを形作るのは「金型(かながた)」と呼ばれる鉄の大きな型です。
約500種類。頑丈な鉄製のためとても長持ちで、壊れたり捨てたりすることはめったにありません。
棚にずらりと並んでいる四角い箱が金型の本体で、作るパーツに合わせて機械にセットします。
実は、本体の中にさらに小さな型をセットしてから使用します。
しいたけの消しゴムを作るためのパーツ。約1200種類あります。
実際に機械へセットされている状態がこちらです。写真では開いていますが、通常は閉じた状態で使用します。
パーツができる仕組みを例えるなら、たい焼き。違うところは、たい焼きは型を開けた状態で生地を流し込み閉じて焼きますが、消しゴムは型を閉じた状態で溶かした材料を流し込みます。
溶けた消しゴムの材料を型に入れる様子。
まるで弾丸のように勢いよく飛び出していきます。
こうして、“おもしろ消しゴム”のパーツが次々と作られていくのです。
見学の中で何よりも印象に残ったのはやはりこの金型! 金型だけで約10億円の価値があり、“おもしろ消しゴム”の製造にはなくてはならないもの、いわば、イワコーにとっての資産です。日本にいる職人さんに依頼をして作ってもらっているそうで、日本の物作りへの技術の高さも垣間見ることができました。工場見学の際は、ぜひじっくりと注目してください。
材料のロスなし! 捨てるものはありません
パーツができあがると同時に、なにやら棒のようなものが混じって落ちてきました。
右側に注目してください!
これはパーツを成形する際に出てくる不要な部分で、プラモデルのパーツの周りにある枠(ランナー)のようなものです。
不要なものなのでゴミとして捨てるのかと思いきや、これを粉砕機に入れて細かくし、再び消しゴムの材料として再利用するのだそうです。
無駄なものは一切なしです! 材料は余すことなく使われるので環境にもよいですね。
イワコーの真髄に迫る、座学&消しゴムの組み立て体験
工場見学のあとは、“おもしろ消しゴム”のひみつに迫るクイズタイム!
「そもそも消しゴムっていつできたの?」という素朴な疑問から、イワコーのこだわりや本物らしさの理由まで、楽しく教えていただきました。
思わず「へぇ〜!」と声を上げてしまう内容ばかりで、子どもはもちろん、大人も一緒になって楽しめます。
いちごとたい焼き、本物らしさのこだわりがどこか分かりますか?
また、工場内で作っているパーツを使っての組み立て体験も行いました。
このパーツで3つの“おもしろ消しゴム”を作ります。
思わず…無言で組み立てに没頭してしまいました。ちなみにこの組み立て、親御さんよりもお子さんのほうが早いことが多いのだそうです。ぜひ親子でどちらが早く完成させられるか、勝負してみましょう!
出来上がったのは、ニワトリとパンダとアイスクリームでした。
ニワトリの目のパーツがとっても小さいのでなくさないように細心の注意を払いました!
工場内で見たパーツが、どうやって“おもしろ消しゴム”になっていくのか、目で見て実際に組み立ててみることで理解がとても深まりました。
最後に、創業者である岩沢善和氏が生前、工場見学に訪れた子どもたちに伝えていた言葉が紹介されました。
小さなことでもいいから、「一番」になりなさい。
日本で一番高い山を聞かれたとき、多くの人が真っ先に「富士山」と答えられるでしょう。では、2番目に高い山を答えられますか? まずは何か一つ、一生懸命やってみること、それが積み重なって「自分にもできる」という自信が生まれ、人々の記憶に残るような成果につながっていく…岩沢氏の経験から語られる「小さな一番」をひたむきに追い続ける大切さは、子どもたちの背中を押すエールのような言葉に感じ、胸が熱くなりました。
イワコーの工場は、とてもアットホームな雰囲気でありながら、ものづくりに対する妥協のないこだわりと情熱をひしひしと感じる場所でした。工場内を遠くから窓越しに見るのではなく、間近で見学できるのも大きな魅力です。
工場には、“おもしろ消しゴム”が買えるお店も併設されているので、お帰りの際にはぜひ立ち寄ってみてください。工場見学に参加しなくても買うことができますよ。
たくさんの種類があるので、爆買い必至です。
ぜひ、工場見学に参加して“おもしろ消しゴム”の魅力に染まってください♪
創業者の岩沢善和氏も薦めてきます!
<イワコーの工場見学 詳細>
場所:埼玉県八潮市大瀬184-1
※八潮駅南口より、徒歩15分ほど。
※駐車場あり。駐車場には限りがあるため、できるだけ公共の交通機関・タクシー等をご利用下さい。
★HPに駅からの行き方が動画や画像で紹介されているので、迷わず行くことができますよ。
対象年齢:小学生以上(中学生以下の方は保護者同伴)
※未就学児(乳幼児も含む)をお連れの方は、売店等でお待ちいただいております。
開催時間・所要時間など:
工場見学開催時間
(1)10:00〜(2)14:00〜
①工場見学と②組み立て体験で合計約2時間程度となります。
※各回開催時刻の10分前までにお越しください。
開催日:指定された土曜日(原則月2回程度)
ご予約方法:各見学日の前々月の同日午前0時から受付開始
(例:2026年9月12日開催→2026年7月12日0時から予約可能)
※予約は先着順となります。定員に達し次第、受付を終了させていただきます。
そのほか、注意事項や予約の詳しい情報は、公式HPでご確認ください。
https://www.iwako.com/factory-information/offline/