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小学生の「自分で丸つけ」はいつから?【中学受験のプロが解説】成績が伸びる正しいやり方と親のサポート

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子どものドリルやプリント、問題集の丸つけはどうしていますか? 自分でやったほうがためになるからと子どもにまかせてみたら、解答を丸写ししたり、“おまけの丸”をつけたり、消しゴムで間違いを消して書き直したり。そんな姿を目にしたら、つい口を出したくなってしまいますよね。丸つけはいつから、どのように子どもにまかせ、親はどんなふうにサポートするといいのでしょうか。SAPIXなどで講師をつとめ、現在は独自の読解メソッドで中学受験のコーチングを行っている齊藤美琴さんに、成績が伸びる丸つけ術と親の関わり方についてお話をうかがいます。


丸つけは間違いと向き合うチャンス

 答案用紙やノートと解答を並べて、正しいか間違っているかを照合できるようになったら、丸つけという作業は子どもにまかせられます。ただ、本来丸つけとは、◯や×をつけるだけではありません。丸つけで大切なのは、答え合わせした結果を、どのように次に生かすかです。

「歴史はできたけど、地理はできなかったな」「物語文は解けたけど、説明文はまったくわからなかった」などの感覚は、問題を解いた本人だけがわかることです。問題集を解いた後や模試の後に「どうだった?」と親が声をかけるより、自分の答えが間違っていると気づき、丸ではない印をつけるほうが、できていないことを自覚して、次に同じミスをしないためにどうするか考えるきっかけになります。あわよくば、自分で丸つけをして、子どもの心が動くのが理想です。悔しいという思いは、勉強に向かう大きな動機になります。

 とはいえ、親の丸つけはNGで、子どもが丸つけするほうが絶対にいいというわけでもありません。マルの数や点数にこだわる子どもは、解答用紙やノートに「×」をつける悔しさが成長のきっかけになりやすいですが、間違いや点数を気にしないタイプの子どもは自己採点が甘くなる傾向があり、親が丸つけをするほうが効果的な場合もあります。

 また、子ども自身が丸つけしやすい問題と、丸つけしにくい問題もあります。たとえば、計算問題や記号問題は正誤が明確ですが、国語の記述問題や漢字は、丸つけの難易度が高いジャンルです。特に初出の漢字は、トメ・ハネ・ハライのチェックが曖昧になりがちですから、子どもの丸つけ後に親がダブルチェックをしたほうが正しく効率よく覚えられます。何年生になったら丸つけを始めるべきという決まりはありませんが、小学3、4年生ごろまでに計算問題や記号問題の丸つけができるようになっておき、その後は子どもの気質と問題の内容、そのときの時間的な余裕を踏まえて、子どもにまかせるか、親が引き受けるかを判断するといいでしょう。



丸つけ直後に「現場のログ」を残そう!

 子どもが自分で丸つけをするときは、次のような流れでサポートしていきましょう。

《成績アップのための丸つけ術》

①「先生の目」で丸つけをする
丸つけは、なるべく問題を解いた当日に行います。子どもの丸つけの判定が甘くなるようなら、「学校や塾の先生の基準で丸つけして」と声をかけましょう。第三者の目線を意識すると、「この書き方で丸がもらえるかな?」と子どもが自分自身に問いかけるようになります。

② 間違えた問題に「理由」を書く
丸つけが終わったら、どうして間違えたのか、わからなかったのかという理由を子どもに書き込んでもらいましょう。時間切れだったのか、まったくわからなかったのか、時間がかかりそうだから飛ばしたのか。記憶が鮮明なうちに解いたときの感覚を「ログ」として残します。文章である必要はなく、まったくわからなかったは☆、時間切れは×、飛ばしたものは囲むなど、効率良くできる方法で構いません。「どうして間違ったのか“言い訳”を書いてみて」と伝えると、子どもがやる気になります。

③ 理由をもとに「仕分け」する
子どもが書いたログをもとに、「その場で解き直しできるもの」「根本的な見直しが必要なもの」、塾に通っているようなら「先生に質問するもの」に仕分けします。

④ 解き直す
「その場で解き直しできるもの」は、丸つけ後なるべく早く、できるだけ当日にやり直しましょう。解説を読みながら「なんで間違えたんだろう?」という目線で見直し、「ここでミスしたのか!」と原因を明確にできると、丸つけが効果的な学習になります。当日にやりきるのが難しい「根本的な見直しが必要なもの」や「先生に質問するもの」は、いつ復習や質問をするか計画を立てておきましょう。



「自分で丸つけ」の精度を上げる4つのポイント

 せっかく子どもが自分で丸つけをするのなら、精度高く行ってほしいものですよね。ちょっとした環境の整備によって、子どもの丸つけの精度が高まることもあります。次の4つのポイントを心がけて、子どもの丸つけをサポートしましょう。

ポイント①巻末の答えは切り離す
問題集の巻末に解答集がついている場合は、カッターなどで切り離して「別冊」にしましょう。横において見られるようにするほうが、丸つけも解き直しもやりやすくなります。

ポイント②解答集の該当部分にしるしをつける
丸つけを始めたばかりの子どもは、自分が解いた問題の答えが、解答集のどこに掲載されているのか見つけられないことがよくあります。該当箇所をカラーマーカーで囲ったり、付箋をつけたりして、スムーズに丸つけが始められるようにしましょう。

ポイント③漢字の解答が小さければ拡大コピーする
トメ・ハネ・ハライを細かくチェックするためには、正解の漢字がよく見える状態であることが大切です。解答集の文字が小さいときは、拡大コピーしたものを子どもに渡しましょう。

ポイント④×マークを嫌がるようなら違うマークをつける
丸つけの目的は、解き直しや復習が必要なところを見つけることです。ですから、○と×以外のマークでもまったく問題ありません。×マークが並ぶと子どもが気落ちしてしまうようなら、親子でルールを決めて、解き直しが必要な問題には星印やスタンプなど、本人が気にならないマークをつけましょう。解答欄が混み合っているドリルを解くときも、同じように間違えた問題にだけ印をつけると、あとから見返しやすいです。



親の出番はココ! 仕分けと解き直しのサポート術

 丸つけは、勘違いしていることや復習が必要な部分をあぶり出すためのシステムです。ただ問題を解いて丸つけをするプロセスを3回くり返すよりも、間違えた原因を突き止めて復習するほうが、確実に学力が身につきます。丸つけと解き直しは、必ずセットで行いましょう。

《成績アップのための丸つけ術》で紹介した「仕分け」と「解き直し」は、小学生が一人で行うのは難しい場合がほとんどです。解説を読んでもわからないことはよくあります。ここからは親が積極的にサポートしましょう。

 解き直しで役に立つのが、問題を解いたときの「ログ」です。どの文章・データを根拠に考えていたのか。書き込みと記憶を手がかりに、まず間違いに至ったプロセスを辿ります。参照する文章やデータを間違えていたのか、参照した箇所はあっていたけれども選択肢を選び間違えたのか、計算ミスがあったのかなど、具体的な原因を探しましょう。丸つけ後、数日経ってしまうと、解いたときの記憶を呼び起こすために余計な時間がかかります。できるだけ早く解き直しましょう。

 ノートや問題の書き込みをチェックしながら間違えた原因を探していると、「うっかりしちゃった」「わかってたのに」と子どもが言うかもしれません。また、時間制限がなく、問題を見るのが2度目の解き直しでは、難なく正解することもよくあります。これらを「うっかりミス」と処理して、「次は気をつけてね」で終わらせてしまうのは、とてももったいないことです。解き直して正解したから終わりにするのではなく、「なぜうっかりミスをしてしまったのか」「間違った根本的な原因はどこにあるのか」を見つけ、同じミスを繰り返さないための対策まで考えられるとベストです。

 たとえば、「間違っているものを選びなさい」という設問で正しいものを選んでしまったなら、設問を読みながら「×」と書いてから選択肢を読む。計算式をあちこちに書いて計算ミスをしたなら、同じ問題の計算式はまとまった場所に書く。こうして具体的な対策に落とし込むことで、うっかりミスは減らせます。受験を目前に控えた小学6年生は、間違いやすい言葉や漢字を集めたノートを作っておくといいですね。歴史上の重要人物の名前や地名など、よく間違える漢字はノートに書き出して大きく×マークをつけると、視覚効果によるミス防止が期待できます。

 解説を読んでもわからない場合は、塾に通っているなら塾の先生に頼りましょう。子どもが塾の先生に質問するのをためらうようなら、「この問題の解き直しもしたほうがいいか先生に聞いてみて」という声かけがおすすめです。高難度の問題であれば解き直しが必要ない場合もありますし、解き直しが必要な場合は解説してもらえるはずです。先生に質問する心理的なハードルが下がるので、ぜひ試してみてください。

こんなときはどうする?Q&A



Q. 丸つけをしたあと子どもが不機嫌になります…。

親としては対処に困ってしまう状況ですが、丸つけをして不機嫌になるのは、それだけ子どもが悔しさを感じているからです。まずは「できなくて悔しいね」「怒りたくなるよね」と子どもの気持ちに寄り添い、丸つけは評価ではないと伝え、「伸びしろポイントが見つかったね」「次できるように解き直そう」など、悔しさをモチベーションに変換する声かけをしましょう。

Q. 解答集を子どもに渡すと、答えを書き写さないか心配です。

解答集を子どもに預けたままにしておくのは、あまりおすすめしません。解答集が手元にあると、つい見たくなってしまう子どももいます。子どもの行動を変えるより、親の行動を変えるほうが労力はかかりません。子どもが解答を写すのが心配なら、解答は親が管理しましょう。親の不在時に問題を解き、丸つけまでまかせたいときは、「直したほうがいいところをピックアップしておいて」と子どもに伝えてみてください。

Q. 子どもが“おまけの丸”ばかりつけるときはどうしたらいい?

いいところに目を向けるのは素敵ですが、点数や成績を上げる秘訣は、できないことができるようになることです。そのために、間違いに向き合うという作業は欠かせません。子どもの丸つけが大雑把だったり、いいところばかりに目を向けたりしているときは、「次はどこを直せばいいかな?」と声をかけて、振り返りをうながしましょう。

丸つけは成績アップの最高のツール

 子どもに丸つけをまかせるのは、同じ間違いを繰り返さないためです。「また間違えた」「悔しい」と気持ちが動くと、その先の成長につながります。間違いと向き合うのは、大人でも容易ではありません。精神的な成熟を必要とする作業ですが、だからこそ小学生のうちに少しずつ取り組んでほしいと思います。

 自分で丸つけをして、仕分けをして、解き直しや復習まで一人でできる小学生はごく一部です。丸つけ後の仕分けと解き直しは、ぜひ親子で一緒にやりましょう。親子で一緒にやれば、子どもがどこまで理解していて、どこから復習が必要なのかがわかりますし、解き直しを経て次に正解できたとき、「できたね!」と声をかけられます。丸つけは評価ではありません。できていないことを見つけて、強化するためのツールです。そう思って取り組むと、親子ともに気持ちが楽になるかもしれませんよ。


取材・文:三東社


 

プロフィール



齊藤美琴
中学受験のコーチングをメインに、教科指導、幼稚園・小学校受験の相談など、家庭の力を引き出すレッスンを行う。SAPIXの個別指導部門・プリバート東京教室での国語科専任講師、ジャック幼児教育研究所(四谷教室)での講師を経てフリーランスとして独立。読解トレーニングときめ細かい学習コーチングに定評がある。2022年に渋谷ヒカリエ8階のシェア型書店に『みこと書店』をオープン。PICCOLITA(ピッコリータ)代表。



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