ヨメルバ会員のみなさんの「みんなどうしてる?」を調査!今回のテーマは“子どものデジタルデバイス利用”について。
「またスマホ見てる…」「ゲームばっかりで目が悪くならないかな?」—学校教育の場でもタブレットなどのデジタルデバイスが導入され、お子さんのデジタル機器との付き合い方に悩んでいる方は多いのではないでしょうか。今回のテーマは「お子さんのデジタルデバイス利用について」。お子さんがいるヨメルバ会員の方383人にアンケート調査を行いました。お子さんはデジタルデバイスをどのくらいの時間、どんな目的で使っているのか、また、保護者の方の悩みや、各家庭で実践されているユニークな工夫まで、調査結果をご紹介します。
【デジタルデバイスに関するアンケート調査結果】
何に使ってる?家庭でのデジタルデバイス利用の実態
◆1.使っているデジタルデバイスは?
まずはお子さんがどのようなデジタルデバイスを使っているか調査。最も多かったのは「学校から貸与されたタブレット/PC」で、4割のお子さんが使用していると回答されました。次に多いのは「 ゲーム機 (Nintendo Switch、PlayStationなど) 」で37.3%、3位は「 スマートフォン(本人専用)」で34.7%。「デジタルデバイスは使用していない」は18.8%に留まり、8割以上のお子さんが何らかのデジタルデバイスを使用しているという結果となりました。
◆2.学校のタブレット/PCの主な使い方は?
では、それぞれのデバイスはどのように使用されているのでしょうか。学校貸与のデバイスとそれ以外に分けて、使用目的を調査しました。学校貸与デバイスの利用目的TOP3は、「宿題や課題の提出」が78.4%、「インターネットで学習内容を調べる」が52.9%、「発表用の資料/レポートをまとめる」が41.2%と、多くのお子さんが学習のために使用している様子が伺えます。一方で、「学習と関係のない動画を見る」「学習と関係のないゲームやアプリで遊ぶ」という回答も一定数見られました。
◆3.学校貸与以外のデバイスの主な使い方は?
学校貸与デバイスが主に「学び」に使われているのに対し、家庭用のデバイスは動画やゲームといったエンタメのために使っている方が多い結果になりました。しかし家庭用デバイスを「学習アプリの利用」のために使っている方も3分の1程度いるなど、一台のデバイスの中で「学び」と「娯楽」が混在している状況が伺えます。「習い事の学習アプリがタブレット形式なので勉強に使えると思う一方、YouTubeで変な動画や子供向けではなさそうな動画を勝手に見たりしているので、タブレットを見て過ごす時間を子供任せにはできないなと思います。」というコメントもあり、「学び」と「娯楽」のバランスをどう保つかは大きな課題のようです。
◆4.デジタルデバイスの使用時間は?
家庭用デバイスの使用時間についても調査しました。平日は1時間未満が56.3%、「3時間以上」は8.1%に留まりましたが、休日は1時間以上が62.6%、「3時間以上」も23.2%と、かなりの時間を費やしていることが分かりました。
保護者が抱える悩みとメリット
◆5.デジタルデバイスの使用に関する不安や悩みは?
1日のうち多くの時間をデジタルデバイス利用に費やしているとなると、心配なことも多いと思います。実際に回答者の76.5%がデジタルデバイスの利用に関して不安や悩みを感じることがあると回答しました。
具体的な不安要素について訊いてみると、「依存や使いすぎ」「視力への影響」が約75%と特に多くの回答を集めました。3位の「ネット上のトラブル (課金、SNS、知らない人とのやりとりなど)」も約半数の方が不安視しており、利用時間、健康、そして安全性に関する悩みは、多くの保護者が共有する大きな課題であることが分かります。
上記の選択肢以外にも、「YouTuberの配慮の足りない言葉遣いに慣れてしまうこと」「不適切な広告に触れてしまうこと」といったお子さんが触れるコンテンツ内容の管理の難しさや、「今は姿勢がとにかく気になります。最初は座っているのですが、だんだんとだらーっという姿勢になって…。座って姿勢正しく利用できるアイテムがあったら知りたいです。」など、姿勢が気になるというコメントも複数見られました。
しかし、デジタルデバイスの利用は、決して悪いことばかりではありません。「良い効果」についてもアンケート結果を見ていきましょう。
◆6.「良い効果」と感じることは?
もっとも多くの回答者がメリットとして挙げたのは「娯楽や気分転換になる」という点で6割近くに上りました。家庭用デバイスの利用目的である動画視聴やゲームが、お子さんの日々の楽しみとして機能していることは、保護者の方も認めているようです。また、「学習に役立つ」と回答した方も半数以上、「調べ学習の効率が上がる」も42.1%の方が回答するなど、学習効率を上げ、知識が習得できるというメリットも感じているようです。
他にも、「折り紙が好きで動画を見ながら難しい作品に挑戦できる」「興味のあるものの世界が広がる」など、お子さんが自ら興味を広げられることや、「これからのデジタル化社会に慣れていく練習になる」「デバイスに小さい時から慣れておくのは必要なことだと思う」など、デジタルデバイスの使用が当たり前になりつつある現代社会において、将来への準備という側面をメリットとして挙げている方も見られました。
デメリットを減らし、メリットを活かすためのルール作り
◆7.どのようなルールを設けている?
では、具体的にどのようなルールを設けているのでしょうか。アンケートでは、「特にルールは設けていない」と回答した家庭はわずか7.4%に留まり、9割以上が、何らかの形でルールを設定していることが分かりました。
具体的なルールとして最も多かったのは、「1日30分まで」といった「利用時間を決めている」で約半数のご家庭で設定されていました。「一回15分で切断されるように設定している」「時間が来たら暗くなるよう、デバイス設定をしている」など、デバイスのタイマー機能を上手く活用している方も複数いらっしゃるなど、実践しやすいルールなのかもしれません。
次に多かったのが「勉強中・食事中は触らないようにする」という、デバイスを使わない時間を明確にするルールで、4割のご家庭で採用されていました。「利用時は親の目の届く場所にいるようにしている」という回答も37.2%と多く、「トイレには持ち込まない」「充電は必ずリビングで、自室には持って行かない」といった、使用場所を制限されている方も見られました。使う場所・時間を明確にするルール設定は、生活のメリハリをつけるのにも役立ちそうです。
さらに、自由回答からも様々な工夫を凝らしてデジタルデバイスと付き合う姿が見られました。
とある方は「1枚で10分ゲームができるチケット制にしています。1週間の初めに10枚渡して、1週間のうちで自分でどれくらいチケットを使うか考えてもらっています。」という、時間という目に見えないものをチケットにすることで、お子さんが自分でも管理しやすくする工夫をされていました。「チケット枚数分やったあと、きっぱりとはやめてくれないことが多いです。」ということでしたが、対立の種になりがちな利用時間をまずは可視化し、計画性や自己管理能力を育む学びの機会に変える素敵なアイデアですね。
74%以上の保護者が視力への影響を心配している中、お子さんの目を守るための工夫をされている方も。「30分使ったら5分目を休める。」 「30分間でタイマーをつけて、タイマーがなったら目の休憩を10分間取ること。」といったルールは、「もうやめなさい」という否定的な声かけではなく、「目を休めようね」という体を気遣う肯定的なアプローチで、お子さんも素直に受け入れやすいのではないでしょうか。また、姿勢に関しても「姿勢矯正できるイスを使うようにしています。またタブレットスタンドを使い、目から30cm離れるよう工夫させています。」など、アイテムを上手く使って対応されている様子も伺えました。
今回のアンケート結果からは、デジタルデバイスとの付き合い方について、多くのご家庭が同じように悩みながら試行錯誤していることが伝わってきました。多くの方が不安視されている「依存性」については、ネット・ゲーム依存専門心理師の方に「ゲーム依存に至るメカニズム」や「ゲームの使用ルールの決め方、子どもへの注意の仕方など」について解説いただいた記事を公開していますのでぜひご覧ください。
メリット・デメリットのどちらもあるデジタルデバイス。大切なのは、「なぜこのルールが必要なのか」「健康で安全に使うために必要なこと」を親子で話し合い、お互いに納得感を持つことなのかもしれません。「本人(長女)と話し合って、納得いくルールにしました。」「自分の子供を信じて、まずはとことんまで使わせてみました。そして自分なりの丁度良い付き合い方にたどり着いたようです。」など、良い形を見つけられた方も。
以上「デジタルデバイス」に関するアンケート調査結果をご紹介しました。この記事が、ご家庭に合った心地よいデジタルとの距離感を、親子で一緒に見つけていくための第一歩となれば幸いです。
調査概要
ヨメルバ会員を対象に 2025年11月1日~11月30日にインターネット上で実施。有効回答数612件のうち、お子さんを持つ383件の結果を掲載。