KADOKAWA Group

Life & Work

暮らし・働く

〈お金をかけなくても うまくいく「子育て」〉しあわせFIRE 第3回


経済的に独立して早期リタイアを目指す「FIRE」が注目されています。しかし、子持ち世帯だと実行を躊躇してしまうこともあるのでは? 

本連載では、貯金ゼロの元浪費家が3人の子どもを育てながらFIREを成功させた体験をもとに、ストレスフリーの節約、初心者でも怖くない投資、お金を使わない子育てのスキルを紹介。体を壊すほどの残業地獄から、仕事を辞めることで家族と過ごす時間を増やし、幸せな生活を手に入れた方法に迫ります。

※本連載は『貯金ゼロの元浪費家・3児の父が子育てしながら成功できた しあわせFIRE』から一部抜粋して構成された記事です(毎週木曜日更新/全5回)



 

子どもにもマネーリテラシーを教えよう



 私は結婚してから本格的にお金の知識を身につけてきたのですが、「もっと早く知りた
かった!」という思いが強くあります。早く知っていれば、お金に関して不安に思うこと
も少なかったでしょうし、もっと楽に資産形成ができていたと思います。子どもには「私
と同じ道は歩んでほしくない」と思ったこともあり、小さい頃からお金の知識を学ばせる
ことが必要だと考えました。

 お金の使い方をマネーリテラシーを高めることと考えれば、小学生から教え始めるのが
良いのではないでしょうか。「毎月○円もらえるから、年間だと○円になる。どれくらい
お金を使い、いくら残しておきたいのか?」など、大人になっても基本的にやることは変
わりませんし、その思考を習慣化させることが大事です。

 マネーリテラシーを高めることにより、計画的にお金を使っていくことができるように
なります。また、お金を運用することの必要性やお金を守ることの重要性を理解すること
で、効率的に資産形成できるようになります。その知識やイメージを社会人になる前に
持っておくと、お金に困る可能性は低くなっていきます。

 では、どんな内容を教えると良いでしょうか。年代別で紹介します。

小学生はお金の使い方
月々のお小遣いを計画的に使うことで、実体験をもとに学んでいきましょう。ここで
大事なのは、将来的な見通しを持ってお金を使っていくことです。

中学生はお金の基礎知識
そもそもお金って何なのか? 円安・円高、世界経済との関係などについて、少しず
つ知識を身につけていきましょう。

高校生はお金の増やし方・守り方
投資にはどのような種類があるか? 節約とはどのようなものがあるか? 税金の基
本的な仕組みなどについて知識を深めていきましょう。また、「お金を運用すると実
際どうなるのか?」をシミュレーションしながら教えていくと良いでしょう。

 子どもが大きくなってからも、結婚、出産、家や車の購入などさまざまなライフイベン
トの際に援助している親は多いと思います。子どものマネーリテラシーが高くて、お金と
の付き合い方が上手だと、そのような時にお金の援助をする必要がなくなります。

 子どもにマネーリテラシーを身につけさせることは、「お金がかからない子育て」に直
接繋がるわけではありません。ただ、「お金に苦労する人生を送ってほしくない」という
親の願いは込められています。


親のお金の使い方が子どもに伝染する



 私自身、お金の使い方が親から伝染していたと感じています。親が浪費家で、私も結婚
前は浪費家でした。

 過去の私は、お金はあればあるだけ使っていましたし、そのことに疑問も持ちませんで
した。そのようなお金の使い方しか知らなかったのです。なぜか? それは浪費家である
親のお金の使い方を、知らず知らずのうちに当たり前だと思っていたからです。

 対して、私の妻は倹約家です。妻の親は、お金を適切に管理して計画的に使っていたそ
うで、そのお金の使い方を学んでいたようです。妻も親のお金の使い方に疑問を持つこと
はありませんでした。

 他から知識を得られない環境にあれば、子どものお金に対する考え方は親の考え方をそ
のまま受け継ぐ
と思います。「親のお金の使い方が子どもに伝染する」。子どもにお金に困
らない人生を送ってもらいたいので、親が良いお金の使い方を子どもに見せることは大切
だと思っています。

 親のお金の使い方として、良い例と悪い例を挙げてみます。

良い使い方
先取り貯蓄などお金が貯まるシステムを自分で作っている
計画的にお金を使えるように管理していて将来を見据えている
欲に負けず自分に厳しく、一時の感情に左右されない

悪い使い方
無計画で、あればあるだけ使ってしまう
「期間限定」「新商品」「数量限定」などのワードに弱く、なんでも欲しくなって買っ
てしまう
自分の価値観が確立されていないので、他人が持っているものが欲しくなりついつい
買ってしまう

 悪い使い方にならないよう普段から気を付けたいのが、「勢いで買い物をしない」こと
です。もともと欲しいと思っていなかったのに、「勢いや思いつき」でものを買おうとし
ている時は、1日経ってから買うように子どもにアドバイスしています。売る側は販売の
プロです。あの手この手で消費者の購買意欲をかき立ててきます。そこを冷静に判断でき
るようになると、販売のプロに負けない「消費のプロ」になることができます。



書籍情報


著者:みもじ

定価
1,540円(本体1,400円+税)
発売日
サイズ
四六判
ISBN
9784048975605

紙の本を買う

電子書籍を買う


この記事をシェアする

特集

ページトップへ戻る