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子育て・教育

やる気をアップさせる褒めることと「花丸」


日本の学校教育は「インプット(読む・聞く)」が中心。でもこれからの国際社会で生き抜くには「アウトプット(話す・書く)」力が重要です。アウトプット学習することで学習定着率がぐっと高まります。とはいえ、何から手を付けていいのか悩みものですよね。本記事では、『ドラゴン桜』の指南役としても知られる親野智可等先生が、家庭で取り組みやすい最新の学習法をお教えします!

連載第3回は、本誌の中から『やる気をアップさせる褒めることと「花丸」』をピックアップします。

※本連載は『自分で話せて書けるから、やる気倍増! 外に出してどんどん伸びる「アウトプット勉強法」』から一部抜粋して構成された記事です。記事内で使用している写真は本誌には掲載されていません。



 

 

POINT
・勉強をしても怒られるならやる気は出ない    
・一部分でも褒めるポイントを見つける
・褒める気持ちで大きな花丸をあげよう

 

否定的な言葉では子どものやる気を引き出せない

 実は〝勉強をすると叱られる〟と感じている子どももいるということをご存じでしょうか。
 これは、子どもが勉強したノートやドリルを見るなり、「漢字が間違っている。ここは違うでしょ。この前も教えたのに!」とか、「もっとしっかりやらなきゃダメ。すぐに直しなさい」などと、いきなり親に叱られてしまうことがあるからです。これでやる気が出せる子どもなど、いるはずがありません。
 こうした
大人の否定的な言葉が、子どもを勉強嫌いにさせているケースはとても多いことを知ってほしいと思います。
 それに気づかないで、「うちの子は宿題をやろうとしない」「通信講座や問題集を続けられない」と嘆くのは残念なことです。大人としては、子どもが間違えたところを教えて正すのが役目だと思われるかもしれません。でも、結局、子どもがやる気を出せないとしたら得策ではないわけですね



 

 

たくさん褒めてから修正や注意点を伝える

 子どもが書いたものを見たら、まず褒めてください。大切なのは、肯定的な言葉かけです。「褒めるところなんてない!」という保護者の方は、大事なところを見落としています。子どもが書いたものを見ている時点で、子どもが〝やった〞という事実があり、それは褒めるに値することです。
 さらに褒めるためには、「部分」に注目してみましょう。上手に書けている子どもの一文字を見つけて褒めてもいいですし、がんばって試行錯誤したところがあれば、それも褒めましょう。たとえ答えが間違っていても、式が合っていれば、それも褒められる部分です。
 そして、子どもが書いたものに直してほしいところや間違っているところがあれば、褒めた後に「ここは惜しかったね。難しかったね」と言って、書き直すように促せばよいのです。
 子どもの字が汚いと心配する保護者の方もいますが、その必要はありません。字を書くスピードが頭の回転についてこられないために雑になるという子もいますし、そういう子が書いたものは、中身が充実しているものです。そういうときこそ、「部分」を褒めてあげましょう。

 

 

花丸で子どものやる気をアップ

 子どもが取り組んだものを見て丸つけをするときも、〝丸つけで褒める〞という気持ちで行ってください。地味な丸でなく、ぜひ、盛大な花丸をつけてあげてください。しかも、見るだけで楽しくなるような花丸がおすすめです。
 花丸にニコニコの顔がついていたりすれば、子どももうれしくなります。筆記具も明るく華やかで太めの水性ペンや赤鉛筆がよいでしょう。答えを間違えたところに大きなバツをつける必要はなく、小さなレ点だけを残せば十分です。ぱっと見で、がんばったと認めてもらえる印象になっていることが大事です。たかが丸つけと思いがちですが、されど丸つけなのです。がんばったことを花丸という形で評価してもらえれば子どもは誇らしく、次もがんばろうとやる気を出せるものです。
 シールやスタンプもよいですが、おうちの人がくれる花丸は特別なものですよ。



 

 

アウトプット学習を習慣にして、この先もずっと学び続けられる子に

宿題や普段の会話など、身近なところからアウトプット学習に取り組むことは可能です。アウトプットすることで学習定着率が高まり、子どもの自信がつく……そうすることで学びの楽しさを覚え、中学、高校と自ら学び続けられるようになります。
本書では具体的なアウトプット勉強法をたっぷり紹介しています。ぜひ親子で取り組んでみてくださいね。


 

【プロフィール】

親野智可等(おやのちから)
教育評論家:本名 杉山桂一。
長年の教師経験をもとに、子育て、親子関係、しつけ、勉強法、家庭教育について具体的に提案。『子育て365 日』( ダイヤモンド社)、『反抗期まるごと解決BOOK 』(日東書院本社)などベストセラーも多い。人気マンガ『ドラゴン桜』(講談社)の指南役としても著名。Instagram、Threads、X(Twitter)、Blog、メルマガや各種メディアの連載などで発信中。オンライン講演を含む全国各地の小・中・高等学校、幼稚園・保育園のPTA、市町村の教育講演会、先生や保育士の研修会でも大人気となっている。

公式HP : https://www.oyaryoku.jp
Blog「親力講座」 : http://oyaryoku.blog.jp
Instagram・Threads・X(Twitter) @oyanochikara
YouTube @user-bl1yz4od8i
(2023年10月現在)
 



 

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