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社会が大きく変化するにあたり、子育てを取り巻く環境も大きく変わっています。その中で、親が抱える悩みには昔ながらの考えにしばられている「思い込み」も多く、他人軸ではなく自分軸で考える習慣をつけることで、そうした無駄な悩みから解放され、気持ちよく生きることができます。
また、そうした過度の思い込みを外し、空いた時間や気持ちの余裕を使って、自分の人生も考えることが大切です。なぜなら、親が幸せであることが子どもの幸せに直結しますし、子どもが独り立ちしたあとも自分の人生におけるキャリアを継続させることができるから。『子どもも自分も一緒に成長できる これからの親の教科書』では、これらを体現してきた著者・廣津留真理さんが詳しく紹介しています。
連載第1回は、『子どもの「好き」を伸ばすには?』にスポットを当てていきます。
※本連載は『子どもも自分も一緒に成長できる これからの親の教科書』から一部抜粋して構成された記事です。記事内で使用している写真は本誌には掲載されていません。
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「家で勉強しなければいけない」を疑ってみる
子どもの将来を考えて口うるさくなってしまう――。
親なら誰でも一度は抱いたことのある悩みではないでしょうか。実際に、私のところにもこうした悩みを話す方がよくいらっしゃいます。
例えば、家で全然勉強しないから、いつも「勉強しなさい」と叱ってしまう。でも、学校でしっかり勉強しているのに、本当に家でも勉強しなくてはいけないのでしょうか。
私の娘のすみれさんは、いつからか家であまり宿題をしないようになりました。休み時間などを利用して、すべて学校で宿題を終わらせていたのです。ただ、彼女の場合はバイオリンを習っていたため、効率化して時間を作らないといけないという理由もありましたが、そのような事情がないとしても気持ち次第で、宿題は学校に行っている時間内でこなすことはできると思うのです。
もちろん、学校によっては信じられないほどの量の宿題を出すところもあり、すべての人が学校で宿題を全部できるとは思っていません。
どうしても家に持ち込まなければいけないけれど、子どもは家で勉強してくれない――そんなときはどうするか。
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子どもとのコミュニケーションが深まる「リビング学習」
私なら、「学校で習ったことをもう一度家で勉強するなんて無駄だからやめなさい」と言いたくなってしまいますが(笑)、そうもいかないのが現実。実際、娘も学校で宿題を済ませる習慣が身につく前は家で宿題をしていました。
そんなとき、私がおすすめしたいのは、子どもと一緒に親も宿題をするという方法です。
私は、以前から「リビング学習」を提唱していますが、娘がリビングで勉強していたとき、宿題は格好のトークネタだと思っていました。「今日はどんな宿題が出たの?」とか、一緒に問題を解きながら、それに関係する話をしたり、ついでに学校のことを聞いたり。毎回、学校から新鮮なトークネタが来るので、ありがたく思っていました。
宿題は子どもが一人で自分の部屋でするもの――それも、ぜひ外したいマインドブロックの一つです。
一人で勉強するものだと思い込んでいるから、勉強しない子どもに「勉強しなさい」と言ってしまうのだし、ついつい口うるさくなってしまうのです。でも、宿題を子どもとのトークネタと考え、一緒に勉強するという習慣が身につけば、自然と口うるささも減っていくのではないでしょうか。
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いい学校に通わせたい理由は何ですか?
親としては、「子どもをいい学校に通わせたい」というのも大きな悩みというか願いでしょう。
そのために、小さい頃から塾に通わせたり、夏休みとか冬休みに夏期講習や冬期講習に通わせたり、受験するとなったら何度も模試を受けさせたり。
でも、それって、子どもが望んでいるわけではなく、そして親自身に明確な目的があるわけでもなく、それが「世間の普通」だからなんとなく子どもにやらせているという方はいませんか?
たしかに、昔ほど学歴や肩書きが重要ではなくなったとは言え、いまだに学歴が大きな判断材料になるところはあります。
でも、学歴だけを求めて、いい学校、いい大学に行くのは根本的に間違っていると昔から思っていました。
私の娘はハーバード大学に進学しましたが、それを知った周囲の人からは「すごい!」という言葉をたくさん言われました。そのほとんどは「ハーバード大学がすごい」という意味で言っていたような気がします。けれど、彼女は学力的にすごい大学だから選んだわけではなく、自分のやりたいことに合っている大学がたまたまハーバード大学だったのです。
学校の知名度や偏差値だけで学校を決めるのではなく、自分がやりたいことを見つけ、それが実現できる学校を選ぶ。それが、本来の進学先の決め方ではないでしょうか。
だからと言って、なにも学歴を求めて塾に通うのが悪いとは言っていません。もし、子どもの将来やりたいことに学歴が必要なら、そのために塾に通わせるのは正しい選択です。
だけど、クラスの友達が塾に通っているからうちの子どもも通わせるとか、いい学校に進学することが世間一般ですごいとされているから通わせるとかであれば、少し考え方を変えてみてはいかがでしょうか。
ここでも他人軸ではなく、主体的な自分軸で子どもの将来を考えることが大切です。
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子どもの習い事を選ぶ基準とは
子どものやりたいことができる進学先を選ぶ。
そのためには、子どもが何をやりたいのか、将来どんな大人になりたいのかを見つけなければなりません。
でも、子どもは学校という小さい世界で生きているので、幼い頃から本当に自分のやりたいことを見つけられる子は、ほんの一握りしかいないでしょう。
子どものやりたいことを探すために、何か習い事をさせるのも一つの手です。
ただ、そのときに大事にしたいのは、親である自分が得意なことだったり、好きである程度の知識を持っていたりするものを選ぶことです。やっぱり子どもが一番見ているのは親なので、自分が習っているものを親がどのように楽しんでいるかを見せてあげるのが、何よりも大切だと思うのです。
例えば、棋士の藤井聡太さんのようになってほしいと思い、自分でもよくわからないのに、いきなり将棋を習わせても、何をどうすれば子どもが将棋を楽しんでくれるようになるかは見当もつかないでしょう。
でも、もし自分はピアノが得意で、子どもにピアノを習わせたら、教えることもできるし、一緒に楽しむこともできます。
それで、結果として、子どもにピアノが合わなかったとしても構いません。
なぜなら、親と一緒にピアノを練習したという経験の中で、どのようにすれば技術が上がるかとか、どうすれば楽しむことができるかといったスキルを身につけることができるからです。
そして、そのスキルを活かせば、例えば将棋をやってみたいとなったときに、自分なりに上達する方法を考えたり、楽しむための工夫をしたりするようになるでしょう。
そんなことを繰り返すうちに、自分に合う、本当にやりたいことが見つけられるようになると思います。
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自分を諦める子育てはもう終わり。今の子育ての当たり前を知ろう
第1回は、『子どもの「好き」を伸ばすには?』を見てきました。
子どもを育てるのは大変で、悩みはつきないもの。でも、そんな些細な悩みを一つずつ減らし、毎日を気持ちよく過ごすのも子育てで大切なことです。思い込みからくる子どもへの悩みを少しずつ解消し、「時間がない」「お金がない」といったネガティブマインドをポジティブに変え、子どもの人生も自分の人生もハッピーにする。
子育てが始まる方も、今まさに悩みを抱えている人も、書籍をチェック!
【著者プロフィール】
廣津留真理(ひろつる まり)
ディリーゴ英語教室代表、株式会社Dirigo代表取締役、一般社団法人Summer in JAPAN代表理事兼CEO。早稲田大学第一文学部卒業。大分市の公立小中高から塾なしで米国ハーバード大学に現役合格した娘・廣津留すみれの家庭学習指導経験から確立した「ひろつるメソッド」でディリーゴ英語教室を運営し、これまでに数万人を指導、英検や難関大学合格に導く。現役ハーバード生が講師陣のサマースクールSummer in JAPANで多様性重視のグローバル教育を推進し、2014年に経済産業省「キャリア教育アワード」奨励賞受賞。主な著書に『「好き」と「得意」を伸ばす子育てのルール15』『英語ぐんぐんニャードリル』『英語ぐんぐん ニャー単600』(以上、講談社)などがある
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