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もっとわかる! はじめての、親子えほん 第20回<絵を存分に味わう絵本>


こんにちは。聞かせ屋。けいたろうです。 ときどき「絵本は、絵と文章、どちらが大事?」なんて話になりますが、もちろんどちらも大事です。でも、絵本は「絵」の「本」と書きますね。今回はスゴイ絵を存分に味わせてくれる、3人の絵本作家さんと、おススメの絵本を紹介します。

まずはこの絵本作家さん。 


『だれのパンツ?』(KADOKAWA)




これを描いたのはシゲリカツヒコさん。巨大なパンツの持ち主を探して団地を登っていく少年、彼をつまみ上げる鬼! この迫力、まるで体温を感じるような生々しさ、圧巻です。鬼の絵を描かせたら右に出る人はいないんじゃないかと、僕は思っています。

 


『かぜがつよいひ』(くもん出版)




では、しりとりの展開に合わせて、マグロ、ロボット、ろくろっくび! あ……前言撤回、鬼だけじゃなくて何を描いてもスゴいんです。絵本に惹き込まれるような世界観を味わえることでしょう。

 

次に紹介するのは、鈴木のりたけさん。

 


『すなばばば』(PHP研究所)




この砂感がスゴい! 僕は絶対描けないけれど、砂ってこうして描くのですね。砂場の砂が、とんでもないことになるお話なのですが、砂を砂らしく魅力的に描けないと成り立たないですよね(笑)。鈴木のりたけさんは、素材感を絵に表すのが素晴らしいのです。もはや匠のわざ!

 


『らくがきボール』(小学館)




こちらでは、ラグビーボールの素材感にびっくり。ラグビーブームにかこつけて、ボールを触った時のあの感触が思い出されます! のりたけさんは、発想力もすごいのです。これは何と、ラグビーボール型の絵本。読み終えた勢いで、そのままトライしてもオッケー(笑)。


さてここで、絵本の絵を味わう一番の方法をお伝えしましょう。それは「読み聞かせ」です。読んでもらっている間、じっくりと絵を見つめられるのがその理由。自分一人で絵本をめくっていると、文章を読まねばならず、絵を見る時間が明らかに少なくなります。それは大人でも同じこと。文を読んだら、確認程度に絵を見て、次のページへ進む大人の多いこと! ほとんど文しか見ていないのです。「絵」「本」なのに、なんともったいないことでしょう。読み聞かせであれば、文を読んでもらっている間、その場面の絵を味わう時間が約束(確保)されるのです。耳で心地良く話を聞いて、目で絵をじっくり味わえるわけですね。
これが絵本の最高の味わい方だと、僕は思っています。
だから僕は、大人にだって絵本を読み聞かせしていました。子どもが大きくなったとしても、「自分で読めるでしょ?」でなく、読んであげたい本が絵本なのですね。
 

最後に紹介するのは、はたこうしろうさんです。


『こんにちは!わたしのえ』(ほるぷ出版)




この絵本を読むと、色がこちらに迫ってくるような感覚を覚えます。絵本の中で主人公がひたすら絵を描く話ですが、「みんな わたしから うまれてくるんだ」という言葉にあるように、絵が色が、うごめいているように感じるのです。

 


『どしゃぶり』(講談社)




この絵本は、雨がまるで命を持っているかのように描かれています。どしゃぶりを体全体で受け止める少年。雨も絵の具も本来は無機質な液体ですが、はたさんがあまりに生き生きと描かれるので、それらが何だか生きているようなのです。

こんな素晴らしい絵の数々を、気軽に親子の手元で楽しめる。
絵本ってスゴいなぁ、と思います。

 


作/シゲリ カツヒコ

定価
1,430円(本体1,300円+税)
発売日
サイズ
A4変形
ISBN
9784041076989

作/昼田弥子 絵/シゲリカツヒコ

定価
1,540円(本体1,400円+税)
発売日
サイズ
26.6cm×21.6cm
ISBN
9784774329277

作・絵/鈴木のりたけ

定価
1,320円(本体1,200円+税)
発売日
サイズ
A4変形
ISBN
9784569786124

作/鈴木のりたけ  監修/日本ラグビーフットボール選手会

定価
1,430円(本体1,300円+税)
発売日
サイズ
B5判
ISBN
9784097268369

作/はたこうしろう

定価
1,540円(本体1,400円+税)
発売日
サイズ
A4変形
ISBN
9784593100835

文/おーなり由子 絵/はたこうしろう

定価
1,540円(本体1,400円+税)
発売日
サイズ
AB判
ISBN
9784061333246

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