ヨメルバ編集部がセレクトした絵本を、聞かせ屋。けいたろうさんといっしょに掘り下げます。第十九回は、絵本が破れそうになるほど人気の絵本『きんぎょが にげた』です。
『きんぎょが にげた』(作:五味太郎 福音館書店刊)
ヨメルバ:今日は言わずと知れた大ロングセラーですね。
けいたろうさん:そうですね。
この絵本、初めての絵本というイメージがあったんですけど、絵本には「2歳から」って書いてあるんです。
実際、1歳の娘に読んだんですが、僕が金魚を指さすと、娘も真似して指さすんです。だけど、何を指させばいいのかわかっていなくて(笑)。
それでも指さしはおもしろいんだなって思いました。
ただ、特定のものを探すのは、1歳だと難しいですね。月齢にもよると思うんですけども。なので、表記の2歳から4歳向きとしたのはさすがだなと思います。
ヨメルバ:なるほど。保育園でも読まれたことはありますか?
けいたろうさん:保育園で2歳の子に読んだんですけども、やっぱりすごく人気。1人を相手に読み始めても、すぐに子どもが集まってきちゃって。読めば大抵3人になっちゃうんですよ。指さして「これ!」とか「いた!」とか言うんで、楽しそうな雰囲気が出るんですよね。
3人集まると、金魚を指さすっていうより、抑えて捕まえるみたいな感じになるんです。本が破れそうになるくらい一生懸命に!
ヨメルバ:勢いが出るでしょうしね(笑)。
けいたろうさん:そうそう。我先に!ってなるんで、それもおもしろいんですよね。早押しクイズのようにみんなで楽しむおもしろさ、熱量も出てきていいなと思いました。
ヨメルバ:かわいいですね(笑)。確かに小さな子ども向けの設問としては、「金魚を見つける」なんですけれど、案外難しいところにいますよね。「見つけた!」っていう喜びもひとしおでしょう。
けいたろうさん:そうですね。終盤は難しくなってくる。
でも子どもはやっぱり見つけるし、どこにいるか分かっていてもおもしろい。だから早押しみたいになるんですよね(笑)。
2歳の今の時期は、よだれとか鼻水とか、いろいろつくんですよ金魚に(笑)。彼らの指についてるから。
金魚が鼻水でキラキラしたりして。紙だから、ウェットティッシュで拭くのもどうかなと思いつつ。
ヨメルバ:あはははは!
けいたろうさん:読み終わると「もう1回」って言うし、楽しいんですね。
ヨメルバ:なるほど。もちろん、金魚を探す絵本なんですけど、金魚のほかにも、絵に見るべきところがたくさんありますよね。家の中の様子とか、色とりどりのキャンディとか。色が綺麗ですよね。
けいたろうさん:そうですね。でも子どもの目線は金魚に一直線!
ヨメルバ:金魚しか見てない(笑)?
じゃあこの素敵な絵は、おとなにしか見えてないのかな!?
けいたろうさん:どうでしょう……? 子どもは「よし!次!」「よし!次!」となりますね。
ヨメルバ:本当にさがし絵本なんですね。
けいたろうさん:そうですね。もう完成されてますよね。
絵本への入口としても良い絵本だと思います。最初の1冊ではないのかもしれないんですけど、絵本を楽しみ始める入口になると思います。
ヨメルバ:たしかにそうですね。
ありがとうございました。
けいたろうさん作『きんぎょが にげた』のポップ