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今回からはじまった新連載は、ヨメルバ編集部が絵本をセレクト。聞かせ屋。けいたろうさんといっしょに絵本について掘り下げます。
第一回は、さまざまな賞を受賞している『おしっこちょっぴりもれたろう』です。
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『おしっこちょっぴりもれたろう』(PHP研究所)
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今回は『おしっこちょっぴりもれたろう』(PHP研究所刊/作・絵 ヨシタケシンスケ)を取り上げます。
この本は「第29回けんぶち絵本の里大賞」をはじめ「第11回MOE絵本屋さん大賞」1位や、「第11回 MOE絵本屋さん大賞」パパママ賞2位など、様々な賞を受賞しています。
そしてこのシリーズは3作出ているようなんですが、シリーズ累計が194万部突破と書いてあります。パパやママからも人気の絵本だし、絵本の目利きからも選ばれているという絵本なんですね。けいたろうさんのお宅にもこの絵本があるんですよね?
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僕も持っています。ヨシタケシンスケさんの絵本はうちにはあまりないけれど これは買いましたね!
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なぜ買われたんですか?
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それはもう、「わかるわあ~!」という共感に尽きると思います(笑)。
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ご自身の経験と合わせて?
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ありますから。とくに男は(笑)! ぼくら男性は、けっこうもれちゃう経験があると思うんです(笑)。なので、初めて読んだ時に「おしっこけっこうもれたろう君」の登場に超笑いましたよ。それで「買いだな」と思った。自分が笑えるから、子どもと一緒に笑いたい。読んでいるおとなも超共感できるというのがぼくが買ったポイントなんじゃないかな。子どもと笑えるということで、パパママ賞も納得です。
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amazonにある購入者のコメントを見ていると、「おしっこがもれてしまう悩みを、そんなに悩まなくてもいいって伝えてくれる絵本です」のような親目線のコメントもあって、ちょっとしたお悩み解決絵本のような役割もあるようです。
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ドンマイっていう本なのかな。
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子供のお悩み解決の絵本っていくつか種類がありますが、この絵本は「しょうがないよね!」って笑い飛ばせるのが絶妙だと思いました。
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「それでもいいんじゃない?」っていう感じでしたよね。
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うちの子どもが小さいころに、もれたろう状態になっていることがよくあって、母としては「どうしていつも漏れているんだろう?」と思っていたんです。この絵本を読んだ時に「あ、そういうもんなんだ」っていうことを知りました。それで怒らなくてもいいことなんだとか、笑い飛ばしていいことなんだということが新たな発見でした。
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男の子って、おしっこに関しては結構自由なんです。途中で止められたりする(笑)。だから、ヨシタケさんという男性がこの絵本を描いたというのはすごく納得のテーマです。
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けいたろうさん、この絵本を家でお子さんたちと読まれてお子さんの反応はどうでしたか?
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子どもたちも好きですよ。笑いながら見ています。「もれたろう」もそうですけど、他の子の困りごと「タグがちくちくする」とか「歯に何かつまっている」とか「鼻くそがピロピロしている」とか、そのバリエーションが完璧ですよね(笑)。子どもだけの困りごとかと思いきや、おとなになってもあるんですよね。でも、おとなになったら言えない(笑)。だからおとなもほしい絵本なんじゃないかな。おとなが困っていても表立って話せないことをヨシタケさんが描いているから、それを笑いながらシェアするのがよいポイントかなと思います。
困りごとの部分も、いろいろと思いあたるものがありますよね。絵本でみると「あるある!」って言いたくなっちゃう。子どもだけに限った困りごとじゃない。
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最後のお母さんの顔もいいですよね(笑)。もれたろうのパンツもおじいちゃんのパンツも、きっとこのお母さんが毎日洗ってくれてるんですよね。だから、読者のお母さんは絵本のお母さんの表情を見て「ですよね!」 ってすごい 共感ができるんだと思います。
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お母さん目線で読んでいると、洗濯する側の共感ポイントもここにある。だから「パパママ両方から支持される。すごい絵本ですよね。
子どもと読むときは、言葉の使い方も完璧ですよね(笑)。「鼻くそがピロピロしている。」とか。ほうれん草が歯に挟まっているところは、口を開けて読むとおもしろかったですよ(笑)。「ちがうの。ほうれんそうが は にはさまってて とれないの。」の部分。子どもがめっちゃ笑っていました。そういうふうにアレンジを加えたくなるくらいおもしろい。
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ほかにもアレンジを加えてよかった部分はありましたか?
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はなくその部分とか。実際に鼻息をふんふんすると子供がよろこびますよね。
親子の読み聞かせだったら、お互いに楽しくてナンボだからいろいろ試してみてもいいですよね。
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この絵本は保育園で読んだことはあるんですか?
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保育園でも人気ですよ。保育園で読むときは、全員に見えるようにとか、うまく間をとったりと、工夫して読みますけれど、家庭での読み聞かせは、ただただ楽しめるように読んでいます。
この本は気軽に手に取れるサイズ感がいいし、お値段もちょうどいい(笑)。共感の気持ちで思わず買って、手元でクスクス笑う絵本ですね。
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けいたろうさん作『おしっこちょっぴりもれたろう』のポップ