KADOKAWA Group

Children & Education

子育て・教育

すごすぎる鉱物の世界 第7回 毒の石


2025年2月に刊行された『驚異の標本箱―鉱物―』から鉱物好きの子にぜひ見てもらいたい鉱物を紹介します!自主学習や自由研究にもおすすめのテーマです!
※本連載は『驚異の標本箱―鉱物―』から一部抜粋して構成された記事です。


毒の石



ヒ素は、酸素と結合して水に溶けると、猛毒の亜ヒ酸になる危険な元素である。ヒ素を含む鉱物そのものが猛毒というわけではないが、触った後は手を洗う、口に入れない、などの注意は必要である。硫砒鉄鉱(りゅうひてっこう)の昔の呼び名は「毒砂(どくしゃ)」で、加熱すると表面に三酸化二ヒ素(さんさんかにひそ)という白い物質を生じる。これを口に入れてしまうと、体の中の水分で亜ヒ酸ができ、中毒症状が現れる。鉄のヒ酸塩であるスコロド石は、かつては「葱臭石(そうしゅうせき)」という和名で呼ばれていた。ハンマーなどで叩くとニンニクやネギ(葱)のような香りがする。


鉱物データ

スコロド石
学名 Scorodite(スコロダイト)
和名 スコロド石(すころどせき)
化学式 Fe3+AsO₄・2H₂O
結晶系 直方晶系
モース硬度 3 ½ ~ 4
分類 ヒ酸塩鉱物
標本の高さ:1. 7 cm/産地:ナミビア Tsumeb Mine, Tsumeb, Namibia/所蔵:個人蔵


クレジット

写真=紀伊國潔(鉱物写真家)
文=渡邉克晃(サイエンス・コミュニケーター)


書籍情報


著者: 渡邉 克晃 著者: 田中 陵二 著者: 紀伊國 潔

定価
5,500円(本体5,000円+税)
発売日
サイズ
A4変形判
ISBN
9784041156124

紙の本を買う

電子書籍を買う


この記事をシェアする

特集

ページトップへ戻る