
2025年2月に刊行された『驚異の標本箱―鉱物―』から鉱物好きの子にぜひ見てもらいたい鉱物を紹介します!自主学習や自由研究にもおすすめのテーマです!
※本連載は『驚異の標本箱―鉱物―』から一部抜粋して構成された記事です。
目に見えない微細な構造が色を生む

美しいモルフォ蝶の色は、物質そのものの色ではない。微細な繰り返し構造をもつ鱗粉(りんぷん)によって特定の色の光のみ増幅されて出る色である。このような発色を干渉色または構造色といい、鉱物にもこのような発色が知られる。ラブラドライトやムーンストーンのような長石(ちょうせき)類は構成成分の揺らぎによって非常に細かい周期層構造をつくり、これによって特定方向からの光を干渉させ、色をキラリと出す(イリデッセンス)。オパールは非常に細かい球状のシリカ球状粒子の集合で、この球の大きさが揃うと美しい遊色(ゆうしょく)をみせる。最近は奈良県でレインボーガーネットと呼ばれる虹色に光る柘榴石(ざくろいし)が見つかり、話題になった。
鉱物データ
プレシャス・オパール(珪化木がオパール化したもの)
学名 Opal(オパール)
和名 オパール/蛋白石(たんぱくせき)
※ プレシャス・オパールはオパールの変種名
化学式 SiO₂ . nH₂O
結晶系 非晶質
モース硬度 5 ~ 6
分類 酸化鉱物
標本の高さ:3.0 cm/産地:アメリカ Virgin Valley, Humboldt Co., Nevada, USA/所蔵:
個人蔵
クレジット
写真=紀伊國潔(鉱物写真家)
文=田中陵二(科学者)
書籍情報
- 【定価】
- 5,500円(本体5,000円+税)
- 【発売日】
- 【サイズ】
- A4変形判
- 【ISBN】
- 9784041156124