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子ども科学電話相談でおなじみ・小菅先生とめぐる!動物園ツアーレポート

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「角川の集める図鑑GET!」の創刊5周年を記念して、「あこがれの先生」との特別な体験のプレゼントキャンペーンが開催されました。第二弾の特賞として開催された「小菅正夫先生とめぐる動物園ツアー」の様子をダイジェストでお届け! 親子で動物園をまわるときの楽しい見どころや持ち物がわかります!


多摩動物公園に集合!



朝9時、東京都日野市にある多摩動物公園に集合! 「多摩動物園」ともよばれるこの園は、日本最大級の広さをほこる動物園なんです。あつまったのは、動物が大好きな4組の親子。さっそくワクワクのツアーに出発です!


動物の「ポイント」を見よう!


小菅正夫先生(札幌市・円山動物園参与、獣医師)


小菅先生:
動物を見るときは、こまかいところにも注目してみましょう。たとえば、つま先や目。そういうところに、それぞれ動物のおもしろさがあらわれるからね。だから動物園には、双眼鏡を持ってこよう。双眼鏡は両方の目でのぞくから、こまかい部分も立体的に見えてとても便利です。飼育員さんたちも首から双眼鏡を下げているでしょ? あれは、動物たちがケガをしてないかな、体調が悪くないかな、と確認するためなんです。

動物園への持ち物
・双眼鏡
・水などの飲み物
・ぼうしや日傘
※記録のため、カメラもあると便利です


キリンがいっぱい! 舌やほっぺを見よう!



小菅先生:
こんなにたくさんのキリン、なかなか見たことがないでしょ? 多摩動物公園では、15頭のキリンが飼育されています。じつは、これくらいの群れの大きさが野生に近いんだね。むかしは、キリンは一番飼育がむずかしい生き物だといわれていました。数年しか生かすことができなかったんだね。だけどこうして、たくさんのキリンをいっしょに飼って野生に近いくらしを再現することに日本ではじめて成功したのが、多摩動物公園なんだ。


ベロ~


小菅先生:
舌を見てごらん! キリンの舌はものすごく長くて器用でしょう。あれは、アカシアというトゲのある葉っぱ(図1)を食べるのにとても便利なんです。ああやって高いところにあるカゴの葉っぱを舌でからめとるのがキリンにとっては自然に近い食べ方なんだね。


図1・アカシアの葉(CC0 Public Domain)



もうひとつ、キリンの食事にはひみつがあるんだ。双眼鏡であのキリンのほっぺをよーく見ていてね……。


ぷくっ


参加者:
ほっぺがふくらんだ!

小菅先生:
そう! もぐもぐしてなにか食べているよね。あの食べ物、どこから来たのでしょう?

参加者:
ええっ。

小菅先生:
あれはね、胃のなかののみこんだ葉っぱをもう一回口にもどして、かみ直しているんだよ。これを「反芻(はんすう)」といいます。反芻をしてかたい葉っぱをすりつぶすと、胃のなかにいる細菌や原虫とよばれる小さな生物たちと、エサがよくまざります。じつは、キリンもぼくたち人間も、動物は植物をそのままではぜんぜん分解することができないんだよね。植物を分解しているのは、胃のなかの微生物たち。かれらが植物の細胞壁をこわして、動物が消化できる成分に変えてくれているわけ。葉っぱばかり食べているのにあんなにキリンのからだが立派なのは、微生物のおかげなんだ。いま、モグモグしていたエサを少しずつ飲んでいるけど、ぜんぶ飲み込んだらまた首の下から15センチくらいのかたまりがヒュッと長いのどを上がってくるのが見えるよ。すごくはやいから見逃さないようにね!

参加者:
なんか、ウシみたい!

小菅先生:
おお~、いいところに気がついたね。キリンは、ウシのなかまなんだよ。


ポリポリ……


参加者:
あっ! キリンが枝で目をかいてる! かわいい!


チンパンジーの「文化」を目撃!?



小菅先生:
チンパンジーも群れでくらしているね。むかしは、チンパンジー1頭ずつに人の手でミルクをあたえたり、毛布をかけたりして育てる「人工哺育」がよく行われていました。でも、そうして育ったチンパンジーは、ほかのチンパンジーとうまく繁殖できないことが多かったんだ。その問題を日本で最初に解決したのも、多摩動物公園なんだよ。多摩動物公園のように、オスとメスがおなじくらいの群れのなかで生まれ育ったチンパンジーは、人間がなにも教えなくても、自然に繁殖行動ができるんだよ。

参加者:
チンパンジーが棒をさしこんでるのは、アリ塚?

小菅先生:
よく知っているね! たしかに野生のチンパンジーは、アリ塚に棒を入れてシロアリを食べることがあります。でも、動物園にあるのはつくりもの。日本のアリやシロアリはアリ塚をつくらないし、本物のアリ塚はもっと大きいからね。このつくりもののアリ塚の中には、うすめたジュースが入っています。

ぼくが旭山動物園でチンパンジーを飼育していたころ、おもしろいことがありました。旭山のチンパンジーたちも、枝をさしこんで塚のなかのハチミツ(多摩動物公園ではうすめたジュース)をとっていたんだけど、あるときアフリカから来た野生のチンパンジーが群れに加わったんです。すると、そのチンパンジーの枝の使い方が、ほかのチンパンジーとは少しちがっていたんだよね。枝の先を奥歯でジャキジャキとかんで、ぼそぼそにしてからさしこむんだ。そうすると、ぼそぼそのところにハチミツがごっそりくっつく。
そのチンパンジーは、その“秘密の棒”をだれにもわたさないで、大事に持っていたんだけど、しばらくすると、ほかのチンパンジーたちもまねをするようになりました。繁殖のために、旭山動物園のチンパンジーが多摩動物公園にやってくることもよくあるから、もしかしたら、ここのチンパンジーたちも……。


ガシガシ



参加者:
あっ! 枝をかじってる!

小菅先生:
おおー、ここにも枝をかじる工夫が伝わっていたみたいだね。こうしてなかまのあいだを伝わっていく知恵が「文化」です。やっぱりチンパンジーと人間はよく似ているね。


絶滅のピンチから復活したコウノトリ



参加者:
カタカタカタって音がきこえます!

小菅先生:
ニホンコウノトリがくちばしを叩きあわせて音を出しているね。「クラッタリング」といって、大人のコウノトリの求愛行動です。じつは、いまここでコウノトリが見られることは本当にすごいことなんだよ。
野生のニホンコウノトリは、一度絶滅してしまいました。1971年に兵庫県豊岡市で最後の一羽が死んでしまったんだね。それから、コウノトリの運命は保護センターや動物園の個体に託されたんだけど、コウノトリを卵からかえすのはすごくむずかしかったんだ。だけど、多摩動物公園がコウノトリの繁殖にはじめて成功して、そのおかげでいまは絶滅のピンチを乗り越えて、400羽以上のコウノトリが野生の環境でくらしています。


「昆虫園」はチョウ好きの楽園!?

多摩動物公園には、動物園にはとてもめずらしく「昆虫園」があります。そのなかの大温室の扉をあけると、なんと約15種類のチョウがあたりを飛びまわっています!



小菅先生:
日本には、昆虫を展示する「昆虫園」がいくつかあります。でも、多摩動物公園のように、365日チョウが自由に飛びまわる温室をつくるなんて発想は、どこの施設にもなかったんだ。チョウ好きにはたまらない光景だけど、これはとてもむずかしいことをやっているんだよ。いつでもチョウが飛んでいるということは、つねに卵を孵化させているということだから、管理がすごく大変なんです。むずかしい飼育方法でも、生き物やお客さんにとっていいやり方ならチャレンジする多摩動物公園らしさがつまったコーナーだね。


多摩動物公園は命のバトンをつないできた場所!



小菅先生:
今日はいろんな生き物を見てきたね。ここまでめぐってきてわかったように、多摩動物公園は動物たちにとってくらしやすい環境をつくるチャレンジをずっと続けてきた動物園です。じつは、それこそが動物園の大切な役割のひとつなんだよね。キリンやチンパンジーは、多摩動物公園生まれの子孫たちがものすごく元気なので、いろいろな動物園での繁殖を助けています。それから、コウノトリやトキのように、絶滅のピンチに立たされた動物の飼い方や増やし方を見つけることにも、多摩動物公園は活躍してきました。そうやって貴重な生き物たちの命をつないできた歴史があって、いまも展示が続いていることがぼくはとてもうれしいんです。



これにて小菅正夫先生のツアーはおしまい。
参加者はそのあとも、ツアーでめぐらなかったエリアをたっぷり堪能しました。

多摩動物公園は、レポートで紹介したほかにも、バスに乗って間近でライオンを見られる「ライオンバス」や、高さ約15mのロープをオランウータンが軽快にわたるすがたが見られる「スカイウォーク」など迫力満点の体験がめじろおしのスポットです。

園内にはベビーカー・電動車いすのレンタルや、休憩ができるカフェやレストランもあり、家族でのお出かけも安心♪
ゴールデンウィークにおとずれてみてはいかがでしょうか。




おまけ



右の前あしと後あし、左の前あしと後あしをそれぞれいっしょに動かす「側対歩」という歩き方をするモウコノウマ。「側対歩」は上下の動きがすくないので、モウコノウマに乗っていたむかしのモンゴルの騎馬民族は、弓矢がよくあたったそうです。


むかしのモンゴル兵が弓矢をひく様子を見せてくれる小菅先生。



図鑑でもっと動物園が楽しくなる!



小菅正夫先生が総監修をつとめた『角川の集める図鑑GET!動物』は、世界の動物が生息地域ごとにみられる図鑑! それぞれの動物がどんな環境でくらしているかがひとめでわかる背景付きの写真が厳選されているから、ながめるだけで世界の自然が感じられます。動物園に行く前や帰ってきてから読んでみると、親子でたくさんの発見や会話が生まれることまちがいありません。


(取材・文・写真:宇城悠人)


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