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春休み・GWは上野へGO!図鑑の世界を体感する「超危険生物展」が親子のおでかけに最高な理由

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東京・上野公園の国立科学博物館で、特別展「超危険生物展 科学で挑む生き物の本気」が開幕しました!
2026年6月14日(日)まで開催中のこの展示、生き物好きなお子さんとのおでかけにぴったりな学びスポットなんです。
この記事では、特別展「超危険生物展」がもっと楽しくなるポイントをご紹介します!
とにかく強くてカッコいい! ――でも、それだけじゃない。「危険生物」たちの魅力をたっぷり味わえる展示です。


アフリカゾウの全身骨格の前に立つ、本展アンバサダー・音声ガイドを務める麒麟・川島明さん(左)と総合監修の川田伸一郎さん(右)




まずは”圧倒的な迫力”でひきこまれる

特別展「超危険生物展」は、人間にとってときに脅威となる生物を 「危険生物」として紹介し、そのおどろくべき「必殺技」を科学の視点から解き明かしていく展示です。

第一展示場は、「肉弾攻撃系」危険生物をあつめたエリアAから、「特殊攻撃系」危険生物をあつめたエリアBへとつづきます。

強大なパワーや鋭いキバ、ツメ、ツノにハサミなど、自らの肉体を究極の武器とする危険生物がめじろおしのエリアA。
いきなり巨大生物の標本や剥製たちに圧倒されます!
ライオンやゴリラ、カバ、オオアナコンダ、ホホジロザメなど、近づくことさえ危険なはずの生き物たちを間近に見ることができます。


ミナミゾウアザラシの剥製。体長5mもの巨体がとてつもない圧を放っている。


「飼育下で世界最大のワニ」としてギネス世界記録に認定された巨大ワニ、イリエワニ<ロロン>の実物大レプリカ。現地フィリピンで生体を3Dスキャンし、3Dプリントで再現されたその姿はいまにも動き出すような精密さ。


さらにエリアBでは、毒や強烈なオナラ、強酸性の胃液、電撃などさまざまな「特殊攻撃」をもつ生き物たちの必殺技が徹底解説されます。


お尻から100℃にも達する高温のガスを噴射するミイデラゴミムシの実物標本。


霊長類で唯一毒をもつスローロリスの剥製。咬むことで効果を発揮するその毒の性質はいまだ未解明な部分が多い。


眺めてまわるだけでも、思わずワクワクしてきます。
ただ、「すごい」「強い」だけで終わらないのが、この展示の魅力。
特別展を監修した先生方に、展示の見方がぐっと深まる注目ポイントを教えてもらいました!

海の王者の頂上決戦

  • この人に聞きました!
  • 写真
  • 特別展「超危険生物展」監修者
    田島木綿子さん
    (国立科学博物館 動物研究部 脊椎動物研究グループ 研究主幹)
    おもに海の哺乳類の監修を担当

―海の哺乳類を長年研究されてきた田島先生が、とくにおどろいたことはなんですか?

田島さん:
シャチがホホジロザメを食べる
ということは、私もこの展示の準備のなかではじめて知りました。それも、ただサメのお肉を食べるんじゃないんです。とくに栄養がたっぷりつまったサメの肝臓を狙っているんですね。
私が子どものころは、「肝油ドロップ」というものがありました。「肝油ドロップ」は、サメの肝臓がもつ豊富な栄養を凝縮したもので、とくに子どもの栄養補助食品としてつかわれてきました。人間もシャチも、まるっきり同じようにサメの肝臓を利用しているわけです。もちろんシャチにとっても、ホホジロザメとの戦いはものすごく危険です。シャチはサメの肝臓に貴重な栄養があると知っているわけじゃないのに、どうして大きな危険をおかしてまでそんな狩りができるのか、とても不思議に思いました。



―シャチとホホジロサメは見た目がそっくりですね。

田島さん:
すばらしい着眼点です。それは収斂進化といって、まったくちがう分類の生物がおなじような環境や生活に適応することで、からだの全体や一部がよく似た形になる現象です。シャチとホホジロザメは、おなじ海の頂点捕食者だからこそそっくりな見た目をしているんですね。
でも、シャチの頭骨と、ホホジロザメのアゴと歯の骨格標本をよく見くらべてください。全然ちがうつくりをしているでしょ? 見た目はよく似ていても、まったく違う生き物であることがいろいろな展示からわかってくるはずです。


シャチの頭骨。


ホホジロザメのアゴの動きを再現した模型。アゴが飛び出るように動く。


 

毒の虫たちも生きている

  • この人に聞きました!
  • 写真
  • 特別展「超危険生物展」監修者
    丸山宗利さん
    (九州大学 総合研究博物館 准教授)
    おもに節足動物の監修を担当

―丸山先生いちおしの標本はどれですか?

丸山さん:
サソリですね。標本箱にならんでいるサソリを見比べてみると、おもしろいんです。ハサミが大きくて怖そうに見えるサソリほど、毒は弱いんですよね。このなかで一番毒が強いのは、一番からだの小さい「シニガミサソリ(デスストーカー)」です。「LD50 0.25mg/kg」と毒の強さも書いていますが、これはマウスでは体重1kgあたり0.25mgで死に至るという意味なので、たとえば体重60kgの人間だと15mg(0.015g)くらいが致死量になります。ものすごく少ないですよね。こういう猛毒のサソリが、現地へ調査にいくと普通にそのへんにいるんです。


左上が猛毒の「シニガミサソリ(デスストーカー)」。右の「ダイオウサソリ」や下の2匹は毒は弱い。


―丸山先生が怖いと思う生物はなんですか?

丸山さん:
ツェツェバエです。アフリカ睡眠病(トリパノソーマ症)の病原菌を媒介するんですが、この病気にはワクチンがないので怖いんです。ぼくも何度かツェツェバエに刺されたことがあるんですが、たまたま大丈夫だっただけで怖かったですよ。
それから日本で身近な生物だと、スズメバチですね。日本ではクマよりも多く人を殺している生き物なので、非常に危険です。ただ、スズメバチにせよマダニやカにせよ、「危険生物」といっても、やっぱり自然のなかではとても重要な存在なんです。だから、「危険=イヤなもの」というふうにはとらえずに、危険生物も生態系のなかで欠かせない役割を担っているということを知ってほしいですね。


昆虫探検家・写真家の島田拓さんと丸山宗利さんが長年追い求め、ついに見つけた幻の生物「サスライアリの女王」の標本も展示されている。発見の瞬間はTBSテレビ「クレイジージャーニー」で放送され、大きな話題となった。専門家でもめったに見られない貴重な本物の標本だ。なお、サスライアリの働きアリたちは女王アリがいなくなると、ほかの群れに合流することが知られている。


 

電気魚たちの秘密が透明標本でまるはだかに

  • この人に聞きました!
  • 写真
  • 特別展「超危険生物展」監修者
    武井史郎さん
    (中部大学 応用生物学部 環境生物学科 講師)
    一部の魚類の監修を担当

―デンキウナギやシビレエイのように、生き物が電気をつかうなんておどろきです。

武井さん:
私たち人間も、脳などの神経細胞では電気をつかっているんですよ。ただ、水は電気を通すので、水のなかの生物にとって電気をつかうことは、私たち陸の生き物が思うよりもずっと身近なんです。いろいろな種類の魚が電気をつかってエサを探したり、コミュニケーションをとったりしています。意外なところでは、太古の時代からすがたを変えず「生きた化石」ともいわれるシーラカンスも電気をつかうんですよ。
なかでもデンキウナギやデンキナマズ、シビレエイなどは発電器官が強力で、電気の力を攻撃や防御にもつかうように進化したということなんです。


デンキナマズの剥製。


特殊な薬剤でからだを透明にしたデンキナマズの標本。


武井さん:
デンキナマズの剥製と透明標本を見比べると、発電器官がどこにあるかよくわかると思います。デンキナマズの発電器官は筋肉を変化させることでつくられていて、透明標本を見ると、体の筋肉のまわりをブヨッとした発電器官がおおっているのがわかります。剥製をみるとずんぐりむっくりした見た目でかわいらしいですし、筋肉が発電器官にかわったぶん泳ぎも苦手なんですが、これほど大きな発電器官をそなえていることから電撃の強烈さが想像できますよね。
デンキナマズやデンキウナギのような淡水の電撃系危険生物と、シビレエイのような海の電撃系危険生物では、発電器官のつながり方が直列つなぎと並列つなぎでちがっているのもおもしろいポイントなので、それぞれの透明標本を観察してみてほしいです。

ほかにも見どころ盛りだくさん!

第二展示場では、毒をもつカサゴやガンガゼウニ、刺されると世界一痛いともいわれているサシハリアリ(パラポネラ)といった危険生物の生きたすがたが見られます。



グッズショップでは、特別展「超危険生物展 科学で挑む生き物の本気」監修者たちが監修した、かわいいけれどリアルな造形のぬいぐるみがたくさん!
豪華な公式図録もおすすめです。また、「仮面ライダーオーズ」や「デュエルマスターズ」とのコラボグッズも順次発売されていくそうです。


丸山先生が監修したミイデラゴミムシのぬいぐるみは、はねのしたまでこだわっているそう。


幻の生物「サスライアリの女王」がぬいぐるみに!おそらく世界初のはず。


帰りは国立科学博物館に併設されたレストラン「ムーセイオン」やアトレ上野でのごはんもお子さん連れの方におすすめです。

図鑑で展示がもっと楽しめる!



『角川の集める図鑑GET!危険生物』は、7つの地域で最強の危険生物同士が戦ったらどっちが強いか科学的に考察する「最強決定戦!!」コラムが大迫力の学習図鑑。

危険生物に出会ってしまったときの命の守り方や、本当にあった事件をとりあげた「危険生物事件簿」など、さまざまな切り口から世界中の危険生物を解説しつくす1冊。
展示とあわせて読んでみると、親子でたくさんの発見や会話が生まれることまちがいありません。



さらに同シリーズから、丸山宗利さんが総監修をつとめた『角川の集める図鑑GET!昆虫』もおすすめです。学習図鑑ではめずらしい世界中の昆虫を紹介した1冊で、なんとカブトムシ・クワガタだけで150種以上を掲載! 大きさ・重さなどさまざまな「世界一」の昆虫がわかります。



また、本展でサスライアリやサシハリアリ(パラポネラ)たちの奇妙な世界に魅了された方は、『蟻客 アリと共に生きる虫たち』をぜひ手にとってみてください! これは「蟻客(アリの巣のお客さん)」とよばれる、アリになりすましたり、アリをだましたりしてアリとともに生きる不思議な生物たちを紹介する衝撃的な奇書。丸山宗利さんと島田拓さん、小松貴さんという「蟻客」研究の第一人者たちが、15年以上の旅と研究の成果をつめこんだ珠玉の1冊です。

『角川の集める図鑑GET!危険生物』『角川の集める図鑑GET!昆虫』『蟻客 アリと共に生きる虫たち』は特別展のグッズショップでも販売しています。

 

【展示情報】

展覧会名 特別展「超危険生物展 科学で挑む生き物の本気」

会期 2026年3月14日(土)~6月14日(日)

開館時間 9時~17時(入場は16時30分まで)

夜間開館 4月25日(土)~5月6日(水・休)は18時まで開館(入場は17時30分まで)

休館日 月曜日、5月7日(木)

※ただし3月30日(月)、4月27日(月)、5月4日(月・祝)、6月8日(月)は開館

会場 国立科学博物館(東京・上野公園)

料金(税込) 【当日券】

一般・大学生 2,300円

小・中・高校生 600円


公式サイト https://chokikenseibutsuten.jp/

公式X @chokiken2026

公式Instagram @chokiken2026

 

(取材・文・写真:宇城悠人)


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