
防災グッズをそろえること、備蓄をしておくこと。どれも災害に備えるうえで大切な行動です。けれども、地震や津波、集中豪雨が実際に起こった瞬間、とっさに正しい行動を選べるかどうか―― その“判断力”こそが、本当の意味での防災力です。『大地震・津波・集中豪雨が起こったそのときに NG行動がわかる防災事典』は、元レスキュー隊員の著者が現場で培った知見をもとに、災害時にありがちな「NG行動」と、その代わりに取るべき具体的な行動を丁寧に紹介する一冊です。
連載3回は「高齢者や小さな子どもがいる家庭は『警戒レベル3』で避難!」を紹介します!
※本連載は『大地震・津波・集中豪雨が起こったそのときに NG行動がわかる防災事典』から一部抜粋して構成された記事です。
◆これまでの回はこちらから
● 水害時の避難:災害時要援護者の避難
高齢者や小さな子どもがいる家庭は「警戒レベル3」で避難!

©みぞぐちともや
「警戒レベル」とは、各市町村が発令する避難情報に付されるもので、災害発生の危険度が高くなるほど数字が大きくなります。
レベルは5段階ありますが、覚えておいてほしいのは「警戒レベル3(高齢者等避難)」と「警戒レベル4(避難指示)」です。 水害においては、避難の遅れにより被害にあう例が多く見られます。警戒レベル3が発令された場合、避難に時間がかかる人とその支援者はすぐに避難を始めてください。

©みぞぐちともや

★家族が避難したがらない―元レスキュー隊員の思い
土砂災害警戒区域に住んでいる高齢者の方の中には、危険な状況であることを理解しているにもかかわらず「逃げるのはしんどいから避難しない」という人がいます。
過疎化が進んだ地域などでは、若者がいないので避難も進みにくいようです。
私自身の祖父も兵庫県の土砂災害警戒区域の中で一番危険な山奥に住んでいるのですが、「災害が起きても避難しない」と言っています。「そんなこと言わんといてくれよ」と伝えているのですが……。このような場合、大切な人の命を救うには、自分で迎えに行き、強制避難させるしかないのでは、と考えています。
● 南海トラフ地震の発生確率は、政府発表で30年以内に80%。
そして、近年は集中豪雨や大型台風も頻発し、災害はいつ、どこで誰を襲うか予測できない時代に入っています。
本書は、「備える」だけでなく、「その瞬間にどう行動するか」までをやさしく、具体的に示した新しい形の防災本です。
日々の暮らしの中に、少しだけ防災の意識を。
この本が、そのきっかけになれば幸いです。
【書籍情報】
- 【定価】
- 1,540円(本体1,400円+税)
- 【発売日】
- 【サイズ】
- 四六判
- 【ISBN】
- 9784046073600