
防災グッズをそろえること、備蓄をしておくこと。どれも災害に備えるうえで大切な行動です。けれども、地震や津波、集中豪雨が実際に起こった瞬間、とっさに正しい行動を選べるかどうか―― その“判断力”こそが、本当の意味での防災力です。『大地震・津波・集中豪雨が起こったそのときに NG行動がわかる防災事典』は、元レスキュー隊員の著者が現場で培った知見をもとに、災害時にありがちな「NG行動」と、その代わりに取るべき具体的な行動を丁寧に紹介する一冊です。
連載4回は「『警戒レベル4』が発令されたら速やかに全員避難しよう」を紹介します!
※本連載は『大地震・津波・集中豪雨が起こったそのときに NG行動がわかる防災事典』から一部抜粋して構成された記事です。
◆これまでの回はこちらから
● 水害時の避難:全員避難
「警戒レベル4」が発令されたら速やかに全員避難しよう

©みぞぐちともや
「警戒レベル4(避難指示)」が発令された場合、対象地域の人全員が危険な場所から避難を始めてください。
警戒レベル5で避難すればよいと勘違いしている人がいますが、それは大きな間違いです。警戒レベル5は出されない場合があり、また、警戒レベル4で災害が発生したケースもあります。
水害からの避難は、市町村の発令する避難指示にしたがうことが大切です。

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★警戒レベル5とは?
「警戒レベル5(緊急安全確保)」は、災害がすでに発生、または切迫している状況です。この段階では安全な避難は不可能であり、手遅れの可能性もあります。警戒レベル4の段階で避難を完了させる必要があります。
★夜間に避難するときの注意
なるべく周りの安全確認がしやすい日中に避難するのが望ましいのですが、夜間に移動することになった場合は、普段以上に交通事故に注意が必要です。
夜間・強い風雨の悪条件下では、人・車とも視界は極めて悪く、接触事故の危険があります。ヘッドランプなどで照らして、こちらの存在を知らせるようにしましょう。
助かる命を助けるために
● 避難場所への経路が、川の増水で危険地域になっていないかなどを確認する
● 避難場所の混雑状況を調べ、避難しやすい場所を選ぶ
● 南海トラフ地震の発生確率は、政府発表で30年以内に80%。
そして、近年は集中豪雨や大型台風も頻発し、災害はいつ、どこで誰を襲うか予測できない時代に入っています。
本書は、「備える」だけでなく、「その瞬間にどう行動するか」までをやさしく、具体的に示した新しい形の防災本です。
日々の暮らしの中に、少しだけ防災の意識を。
この本が、そのきっかけになれば幸いです。
【書籍情報】
- 【定価】
- 1,540円(本体1,400円+税)
- 【発売日】
- 【サイズ】
- 四六判
- 【ISBN】
- 9784046073600