
防災グッズをそろえること、備蓄をしておくこと。どれも災害に備えるうえで大切な行動です。けれども、地震や津波、集中豪雨が実際に起こった瞬間、とっさに正しい行動を選べるかどうか―― その“判断力”こそが、本当の意味での防災力です。『大地震・津波・集中豪雨が起こったそのときに NG行動がわかる防災事典』は、元レスキュー隊員の著者が現場で培った知見をもとに、災害時にありがちな「NG行動」と、その代わりに取るべき具体的な行動を丁寧に紹介する一冊です。
連載2回は「風の侵入を防ぎ、窓ガラスの破損・飛散防止対策をしよう」「水のうを作り、浸水を防ごう」を紹介します!
※本連載は『大地震・津波・集中豪雨が起こったそのときに NG行動がわかる防災事典』から一部抜粋して構成された記事です。
◆これまでの回はこちらから
● 暴風の対処:自宅の対策
風の侵入を防ぎ、窓ガラスの破損・飛散防止対策をしよう

©みぞぐちともや
台風は地震と異なり、気象庁が強さや速度、進路予想などを発表します。台風が到達するまでに対策をすれば、被害を減らすことが可能です。暴風時は在宅避難が主になるので、次のような対策をしましょう。
● 窓を閉め、鍵をかける
● 雨戸がある場合は閉める
● 換気扇をOFFにする
● マンションの通気口など、空気の出入り口をすべて閉める
● 窓ガラスの破損・飛散防止対策をする

©みぞぐちともや

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★飛散物から窓を守る対策
窓ガラスの強度を高めることはできませんが、窓ガラスの飛散で起こる二次災害を防ぐことができます。
①雨戸がある場合は雨戸を閉める
②雨戸がない場合
→ 養生テープやプラダンを窓ガラスに貼り、カーテンを閉めて洗濯バサミなどでとめる
→ 窓ガラス飛散防止シートは防犯対策にもなるので、普段から貼っておくとよい
助かる命を助けるために
● 「SCNG」で対策!
● 「S(シート)」…窓ガラスにシートなどを貼る
● 「C(クローズ)」…空気の出入り口を閉める
● 「NG(No Going out)」…無理な外出をしない、させない
● 暴風の対処:自宅の対策
風の侵入を防ぎ、窓ガラスの破損・飛散防止対策をしよう

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屋内浸水の可能性がある地域の家は、重くて使い勝手の悪い土のうの代用として「水のう」で被害を防ぎましょう。
●水のうの作り方
二重のビニール袋の中に水を入れしばる。
●水のうを置く場所
①ドアの外側や窓の内側
②トイレや、台所などの排水口
トイレの水たまりや台所・洗面台・風呂場・洗濯機などの排水口から下水が逆流することがあるため。



助かる命を助けるために
ライフライン(水道)がストップした際は、水のうの水を生活用水に利用する
● 南海トラフ地震の発生確率は、政府発表で30年以内に80%。
そして、近年は集中豪雨や大型台風も頻発し、災害はいつ、どこで誰を襲うか予測できない時代に入っています。
本書は、「備える」だけでなく、「その瞬間にどう行動するか」までをやさしく、具体的に示した新しい形の防災本です。
日々の暮らしの中に、少しだけ防災の意識を。
この本が、そのきっかけになれば幸いです。
【書籍情報】
- 【定価】
- 1,540円(本体1,400円+税)
- 【発売日】
- 【サイズ】
- 四六判
- 【ISBN】
- 9784046073600