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将棋棋士・藤井聡太さんが受けていた教育法としても話題となったモンテッソーリ教育。そのモンテッソーリ教育のオンラインスクールを運営し、7歳と1歳の女の子のママでもあるモンテッソーリ教師あきえ先生に、「気持ちのコントロール」についてお話を伺いました。
ネガティブな感情が芽生えた時に知っておくといい3つのこと
育児や家事や仕事をこなしながら、それを取り巻く人間関係もあり、イライラしたり、不安さを感じたり、ネガティブな感情を抱いてしまうことがありますよね。イライラを子どもに向けて後悔する、なんてこともあるかと思います。
そんな時、この3つのことを知っておくと、感情をコントロールしたり、向き合ったりすることがスムーズにいくかもしれません。
①「イライラすることは悪くない」ことを知る
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「毎日イライラしていて嫌になる」「子どものことを怒ってばかりで自己嫌悪」など、イライラすることはよくないこと。と、捉える人が多いのではないでしょうか。
イライラすることは、当たり前のことで、悪いことではありません。
ただ、イライラの感情をダイレクトに他者に向けて出してしまうことは、自分もしたくないことですし、されたくもないことですよね。もし、イライラした感情が出てきた場合、以下のことを試してみてください。
◆自分は何が嫌なのかを理解する
イライラする感情には必ず原因があります。
例えば……
・仕事でミスを指摘された
・買い物に行った時に子どもが泣いていて他人からの目線を感じた
・パパが今月3回目の飲み会に行った
・子どもの食べるスピードが遅く、寝るのが22時になった
イライラの原因はさまざまで、1つの場合もあれば、いくつか積み重なっている場合もあり、多種多様です。コンディションがいい時は気にならないことも、イライラの種を持っていると、気になってしまうことがあります。
そのため、もともと何でこんなにイライラしているのかを考えてみましょう。自分のイライラの原因を探ることで解消できることもあります。
◆イライラが二次感情の時もある
一時感情というのは、怒りや喜び、悲しみなどの基本感情を意味しています。二次感情は複数の基本感情が混じって生じる感情です。
例えば……
ワンオペ育児が続いていて、日々の出来事や悩みを話す機会が少なかった。久しぶりに早く帰宅したパパにイライラ!
この場合の一時感情は、孤独からくる「寂しい」という感情です。二次感情は、その「寂しい」という感情に「私ばっかり大変、忙しい」などのパートナーに対する羨望の感情が混じって、イライラになっています。
このように、一時感情が他にあってイライラしている場合、一時感情の原因となっていることを解決することで、イライラの感情が軽減するかもしれません。
②フレームを持ち過ぎない
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イライラの感情を辿っていった時、気がつくことが多いのは「人と比べる」「そうでなくてはならないと思う」などのフレームが原因になっていることです。
・〇〇ちゃんよりも歩き出すのが遅い
・あのママは仕事をしているのに家事も完璧
・自分は仕事をしていないから家事を完璧にしなくては
・うちのパパよりあのパパのほうが育児に参加している
・もう年長さんだからできるはずだ
・小学生になるまでには足し算ができなきゃだめ
・スイミングの進級テストは合格しないと
本来、世の中にはいろいろな価値観や考え方があるため、自分と違う価値観や考え方に触れた時は「そんな考え方もあるんだ!」という気づきになります。
しかし、フレームを強く持ち過ぎてしまうと、その通りにいかないことや、他人と比べて劣っていると感じた時に、ネガティブな感情を抱きやすくなります。
「これはこうあるべき」「普通はこう」というフレームを強く持ち過ぎずに、できるだけフラットな気持ちでいるよう心がけることがポイントです。
③自分の気持ちに余白を作る
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時間に余裕があったり、自分の気持ちに余白があったりすると、イライラしてしまいそうなことをスルーできることもあります。「がんばったらできる」と思うこともあるかもしれませんが、気持ちに余白を作ることは、簡単そうで意外とできないことでもあります。
・あと5分で出なくてはいけない
・今週はずっと自炊をしなくてはいけない
・今日中に仕事を終わらせなくてはいけない
このように、〇〇しなくてはいけないということが多くなると、気持ちに余裕がなくなりますよね。結果、イライラすることも多いと思います。
仕事が忙しい週であれば、出前や外食をして、時間に余裕を作る。子どもがイヤイヤ期で行動がスムーズにいかなそうな時は、毎日やっていた洗濯を2日に1回にするorコインランドリーを利用する。こんな風に、手抜きができそうなところは手抜きをして、自分の気持ちに余白を作ることをおすすめします。
“手抜き”という言葉はネガティブに捉えがちですが、育児をする上ではとても大切なことです。
そして、パートナーにたよることもひとつです。「どうせ言ってもやってくれない」「言うのが面倒」と、思うこともあるかもしれませんが、相手には何をして欲しいか、どこの部分を手伝うかなどがわかっていないこともあります。そのため、「子どもの着替えや食事はやるから、その間に食器の片づけをお願い」と、やってほしいことを具体的に伝えてみましょう。
もし、お願いできないと思うなら、一時保育や家事代行など、アウトソーシングするのもおすすめです。
育児をしている当人であるママやパパに余白を作り、子どもとの関係性を円滑にすることは、親にとっても子どもにとっても良いことなのです。
どうしてもイライラした時は怒りをダイレクトに出さないよう工夫
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ネガティブな感情を抱いた時に覚えておきたいことをお話しました。頭ではわかっていても、イライラしてしまうこともあるかもしれません。そんな時は、できるだけダイレクトに感情を出さないよう工夫してみましょう。
・怒りの言葉を瞬発的に発さないよう、数秒カウントする
・子どもからいったん離れられる環境であれば、隣の部屋などに行く
・怒りの感情をあらわにしてしまったら、落ち着いた時に子どもに謝る
このように工夫するだけでも状況が変わるかもしれません。「イライラすることは悪くないことを知る」「フレームを持ち過ぎない」「自分の気持ちに余白を作る」。この3つを意識して、少しずつネガティブな感情をコントロールできるといいですね。
次回は、イライラしたり、不安になったりネガティブになりがちなシーンごとの具体的な解決策をお届けします。(1月12日[金]公開予定)
監修:モンテッソーリ教師あきえ
国際モンテッソーリ教師ディプロマ(AMI)、保育士、幼稚園教諭。
公立の幼稚園教諭をしていた頃、日本の一斉教育に疑問を抱きモンテッソーリ教師に。現在は「子どもが尊重される社会」を目指して、モンテッソーリ教育に沿った子どもや子育てについての発信、オンラインスクール「Montessori Parents」の運営、ベビーブランド「mu ne me(ムネメ)」ファウンダー、オンラインコミュニティ「Park」を主宰。
◆「Montessori Parents」
◆「mu ne me(ムネメ)」
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