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クリスマスには図鑑がオススメ!教育家・小川大介さんが語る「図鑑GET!」の魅力

 小川さんに、『角川の集める図鑑GET!』を全巻くわしくレビューしていただきました!お子様の興味・関心や「学習タイプ」にピッタリなタイトルを探してみてくださいね。

『危険生物』:ハマる子続出の最強対決



『危険生物』は、ハマる子が続出しそうですね。生息地域別最強危険生物決定戦という発想が面白いのですが、私がぱっと開いたページがちょうど「アフリカゾウVSカバ」でした。4コママンガ形式で描き出す工夫もさることながら、イラストが適度に柔らかい色彩で描かれているところにも読者である子どもたちへの配慮が感じられます。過度に強い刺激で子どもの興奮を煽り立てるのではなく、落ち着いて楽しめるようにすることで説明部分も読んで欲しいという編集者の思いが伝わってきました。子どもたちはこの図鑑を通して、「危険生物」という名付け方にも、結局は人間の都合が関わっているということを理解しながら、生物の環境適応能力に驚いていくことでしょう。

『人体』:興味と理解がつながっていく



『人体』も動きを感じられる図鑑になっていることは驚きでした。冒頭の「消化器」の章から早速、食べたものがうんちになって出てくるまでが、見やすいイラストと顕微鏡写真を上手く組み合わせて表現されています。子どもたちは「うんち」に心惹かれるものですが、その興味が人体の構造と働きへの理解へとつながっていく様子が想像できます。中学受験において「人体」の単元で苦労する子はとても多く、面白みのかけらもない丸暗記で嫌いになってしまいがちなのですが、この図鑑で低学年から遊んできた子は、そんな苦労とは無縁でしょうね。人体の構造、医学の歴史、体に関する素朴な疑問、思春期の心と体、と豊富な話題で楽しめる図鑑ですから、親子の会話の題材としてもおすすめです。健康的な生活習慣を子どもに求める際にも、図鑑内の説明を一緒に読みながら話してあげれば納得感も格段に違ってくるでしょう。

『魚』:水族館のようなワクワク感



『魚』を開けば、水族館を歩いているような気分を味わえることでしょう。私の息子は小さい時から水族館が好きで、親子で各地の水族館を訪れてきたのですが、日本各地と世界の海、川、湖ごとに分かれた水槽を眺めて回るあのワクワク感が、この図鑑にはありました。文字での説明、解説が多すぎず適度な量で、分かりやすいイラストも沢山挟まれているおかげで、魚たちの写真が早く見たくなるのですね。しかもどの写真も「動き」が感じられます。見ているうちに興奮してきてページをどんどんめくっていく子もいれば、見開きの2ページをいつまでもじーっと眺めている子もいるでしょう。私は6000家庭以上の子育てに関わり、子どもたち一人ひとりの「学習タイプ」を見抜くことを得意としているだけに、この図鑑を手にした子どもたちが思い思いに楽しんでいる姿を容易に想像できますし、その楽しむ姿から見えてくるその子の学びの特徴を引き出していってあげたいという気持ちまで沸き起こってきてしまいます。

『星と星座』:星と宇宙に親しみが湧く



最後は『星と星座』。総監修の永田美絵先生は「癒やしの星空解説員」のキャッチフレーズでも有名な、日本のプラネタリウム界のトップスターで、実は私も一緒に仕事を何度も行ってきた仲なのです。そういうわけで図鑑を開く前から期待感は高まっていたのですが、見事に期待に応えてくれました!「ギリシャ神話」がふんだんに盛り込まれていて、渋谷のコスモプラネタリウムで永田さんの解説を聞きながら星空を見上げていた気分が蘇ります。季節ごとの星座では、「さがし方」が特集されていることも嬉しいですね。読んで楽しく、実際に星空を見上げる時には使える、生きた図鑑になっています。物語が先にあって、星や宇宙についてのデータ、解説が盛り込まれていく構成にも、親子で星と宇宙に親しんで欲しい、星空を見上げながら私たちが暮らす地球という星についても考えてみて欲しいという、編集者の願いが感じられます。

『恐竜』『昆虫』『動物』:世界の自然環境が伝わってくる

『恐竜』『昆虫』『動物』のレビューは、こちらの記事をご覧ください。


【小川大介さんプロフィール】



小川大介(おがわ・だいすけ)
教育家・見守る子育て研究所所長。中学受験情報局「かしこい塾の使い方」(https://www.e-juken.jp/)主任相談員。
1973年生まれ。京都大学法学部卒業。学生時代から大手受験予備校、大手進学塾で看板講師として活躍後、社会人プロ講師によるコーチング主体の中学受験専門個別指導塾を創設。子どもそれぞれの持ち味を瞬時に見抜き、本人の強みを生かして短期間の成績向上を実現する独自ノウハウを確立する。塾運営を後進に譲った後は、教育家として講演、人材育成、文筆業と多方面で活動している。6000回の面談で培った洞察力と的確な助言が評判。受験学習はもとより、幼児期からの子どもの能力の伸ばし方や親子関係の築き方に関するアドバイスに定評があり、各メディアで活躍中。自らも「見守る子育て」を実践し、一人息子は電車の時刻表集めやアニメ「おじゃる丸」に熱中しながらも、中学受験で灘、開成、筑駒すべてに合格。『頭がいい子の家のリビングには必ず「辞書」「地図」「図鑑」がある』(すばる舎)、『1日3分!頭がよくなる子どもとの遊びかた』(大和書房)、『頭のいい子の親がやっている「見守る」子育て』『子どもを叱りつける親は失格ですか?』『自分で学べる子の親がやっている「見守る」子育て』(すべてKADOKAWA)など著書・監修ともに多数。最新刊に『子どもが笑顔で動き出す 本当に伝わる言葉がけ』(すばる舎)を刊行。


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