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学校の先生や司書を目指す現役大学生が、人体図鑑を本気レビュー!! レビュアー:東京学芸大学4年 深井彩花


KADOKAWAが刊行する図鑑シリーズ『角川の集める図鑑GET!』より、人体図鑑が発売されました。そこで、将来学校の先生や図書館司書になるために勉強中の現役大学生6名に、学生としての目線、未来の教育者としての目線、双方から本気でレビューしてもらいました!!



レビュアー:東京学芸大学4年 深井彩花

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“わかる”楽しさにワクワクがとまらない新感覚の図鑑



 私は、以前から“図鑑”というと調べ物をするときにしか開くことのない、知識が集約された読み物のような堅苦しいイメージを持ってしまっていた。そのため、小さい頃から自ら進んで図鑑を開く機会は非常に少なかったように思う。しかし、角川の集める図鑑GET!シリーズと出会い、読み込んでいく中で、自分の考えが大きく変わった。ユニークなキャラクターや分かりやすいイラストと共に説明されているこのシリーズは、図鑑として新鮮な印象を抱くとともに、思わず引き込まれるたくさんの見出しに絶えず興味を持って読み進めることができた。また、この図鑑は大人でも充分に楽しめる内容だと感じる。例えば、お腹が空いたときに音が鳴るのはなぜか、指紋があるのはなぜか、心臓は体のどの部分にあるのかといった疑問に対して、理由も含めてきちんと説明できるものはどれくらいあるだろうか。案外、大人でも答えいられない人体に関する不思議が多いことに気づかされる。本書は、それらの疑問の答えを、「そういうことだったのか!」と発見するような楽しみとともに自然と学んでいくことができる。そのため、私自身も“わかる”ことの楽しさにワクワクしながら読み進めることができた。私は、大人も子どもも一緒になって楽しみながら読み進めることができる本書を強くおすすめしたい。

 

こんな世の中だからこそ深めたい人体への理解

今世の中は新型コロナウイルスが猛威を振るい、人々は自分の健康を守ることを第一に考え、日常生活を送っているのではないだろうか。そんな中、私は「人体は壮大で奥深いぞ それを理解してこそ自分の健康を見つめることができる」という本書のキャラクターのセリフに強く惹かれた。生きていくために、そしてウイルスに負けない強い体をつくるためには、まず人間の体がどのようにはたらいているかを知ることが、何よりも大切なことである。



そんな本書の中で私が最も印象深かった気づきは、小腸にある壁のひだが表面積をテニスコート1面分にまで広げ、体に取り込まれた栄養素を余すことなく吸収出来るしくみになっているということであった。自分の体の中に、それほどまで工夫された仕組みが隠されていたことを知り心底驚いた。同時に、体の中という見えない部分に隠された生きるための工夫は、神秘的なほど奥深いと感じた。そして、こういった人間のからだのはたらきや工夫を知ることは“命のかけがえのなさ”を強く感じる良い機会となるのではないだろうか。



教科横断的な内容や視覚的に分かりやすい工夫!

本書の魅力はたくさんあるが、その中でも教科横断的な学習が可能になっているという点が大きなポイントなのではないだろうか。教科横断的な学習とは、それぞれの教科の内容を相互に関連付け、組織的に教育内容を捉えていくことである。人体の図鑑というと、一見“理科の中の生物学”に関する知識ばかりが豊富であるように感じる。しかし、本書は理科に限らず、社会科や家庭科といった他教科における学びも同時に深めることができる構成になっている。



例えば、感染症についてまとめたページでは、世界地図が載せられており、ウイルスが広まった世界的な流れを確認することができるようになっている。そのため、地理や世界史にまで目を向けて学ぶことができる。また、からだをつくる材料として栄養素について説明されているページでは、炭水化物、タンパク質、ビタミンといった、家庭科の授業で学ぶような内容にまで触れられている。



また、本書は視覚的に理解しやすい図やイラストが多く用いられている点もポイントである。例えば先ほどの体をつくる栄養素であれば、それらの栄養素がそれぞれ肝臓で何につくり変えられ体に作用していくかについて、図を通して非常に分かりやすくまとめられている。肝臓でつくり変えられる栄養素というと、私は中高生の時にその名称を丸暗記して覚えたことを思い出す。その時は、いまいちその役割や変化の理由が頭に入ってこず、理解に苦しんだ挙句、丸暗記してしまったのである。しかし、ここまで視覚的に分かりやすく、かつイラストで楽しくまとめてあるものがあれば、過去の私もただの丸暗記ではなく、なぜそうなるのかにまで深い理解をもって学ぶことができたのではないかと感じる。

以上のことから、本書は、今後子どもたちが学びを深めていく中で何か理解に困った際に、ひっぱりだしてきて読み返すことで理解を促す“資料集”のような役割を大いに果たすだろう。知識の無限の広がりを期待できる本書を、是非とも多くの子どもたちに手に取って読んでもらい、“わかる”楽しさを感じてもらいたい。

【ライタープロフィール】
東京学芸大学4年 深井彩花

【子供のころの図鑑の思い出】
私の家には動物、植物、昆虫、宇宙といったさまざまな分野の図鑑がありました。しかし、それらは私の兄こそよく読んでいたものの、私は挿絵が入っている本や物語にしか興味がなく、あまり図鑑とは縁がない幼少期を送っていました。


監修:坂井 建雄

定価
2,200円(本体2000円+税)
発売日
サイズ
A4変形判
ISBN
9784041118542

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