おうちでかんたん!モンテッソーリ 第18回:実践編 日常生活の練習~縫う・ひも通し~
前回は、ひもを結ぶということをお伝えしました。今回は、ひもや糸を使って、「縫ったり」「通したり」という活動についてお届します。自分の目と手をうまく協応させなくてはできず、根気や集中力も必要とします。
【縫う】
小さな穴に、細い針を通す。「縫いさし」と呼ばれる活動は、幼児期の子どもにとって、最も難易度の高い活動の1つといっても過言ではありません。モンテッソーリ教育の第一人者であった故・相良敦子先生も、著書の中でくりかえし、「就学前に身につけておきたい動き」として「縫う」「切る」「折る」「貼る」をあげています。このような細かい作業は、モンテッソーリ教育では「目と手の協応」のお仕事と言われています。
目と手の協応とは、目から入った情報を、身体を動かす運動機能と連携すること。それをくり返すことにより、子どもの器用さへとつながります。手先が器用になることだけが目的ではなく、思い通りに動く指先を手に入れることでの自信、集中力にもつながると考えられています。
【スモールステップで考えよう!】
これまでにくりかえしお伝えしてきたように、何事にもスモールステップがあります。それまで何も練習してきていない子どもに、とつぜん針と糸を渡しても難しいので、少しずつすすめていきましょう!
【縫いさしの進め方の一例】
<前段階>
①穴に「ペグを指す」などのおもちゃ(球を穴に入れるおもちゃや、小さな穴につまようじや、ストローを指すなどもオススメです)
②目打ちで穴をあけるおもちゃ
③ひも通しのおもちゃ
<初期>(紙を縫う)
太めの針に、2本取りで糸を通して用意しておく(玉止めもしておく)。短い線の上の穴を縫う。
<中期>(紙を縫う)
徐々に針の太さを細めのものに変えていき、慣れてきたらいろいろな形を縫う。
<後期>(布を縫う)
布を縫ってポシェットなどを作り、ボタン付けにも挑戦しましょう。
このような段階を経て進んでいくといいでしょう。はっきり、ゆっくり、区切って見せる。黙ってみせる! これが鉄則です。一度で出来るようにならなくて当たり前ですので、焦らないで楽しく行いましょう。