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【自閉スペクトラム症と腸内細菌】祝♪書籍化記念!追加連載 第1回


⇧この連載が本になりました⇧



タイトルは『脳科学の先生! 子どもの発達障害の悩みを最新研究で解決してください』(久保田競、原田妙子/著)です。連載時から大幅に改稿し、新規書き下ろしコラムを追加した特別版です。

本の発売を記念して、全5回に渡って追加連載を行います。内容は、その新規コラムの一部抜粋で、主に発達障害や育脳、脳科学について語っています。
面白くてためになるお話が満載なので、みなさんぜひご一読ください!


コラム:自閉スペクトラム症と腸内細菌

 胃腸と脳は、密接に関連しています。ストレスを受けるとお腹の調子が悪くなったり、逆に胃腸の調子がよいとすっきりした気持ちになるといった経験をされている方も多いことでしょう。このような脳と腸の関係を「脳腸相関」といいます。自閉スペクトラム症(ASD)児では、消化器症状のある(胃腸の弱い)お子さんが多いという研究結果があります。

 そして最近、複数の研究で、ASDの子どもの腸内細菌の種類と量が、定型発達児と比べて特異である可能性が示されました。特に、ASD児では神経伝達物質の合成に関連する腸内細菌の機能が著しく弱かったことが報告(※21)されています。

 脳腸相関ということもあるので、今後、これらの研究が発展して、腸内細菌を調べることがASD診断の一助となったり、腸内細菌を整えることでASDの症状を和らげたりするといった治療につながる日がくるかもしれません。

 発達障害の子どもや大人が、現代社会でより困り感なく過ごせるように、発達障害についての研究は、今も世界中で行われています。


次回の追加連載 第2回「良い親子関係を築くには」は3/16(木)10:00 に公開されます。

※21:参考文献 Wan, Y. et al. Underdevelopment of the gut microbiota and bacteria species as noninvasive
markers of prediction in children with autism spectrum disorder. Gut 71, 910-918,
doi:10.1136/gutjnl-2020-324015 (2022).


コラムに関連した「子どもの発達お悩み相談室」連載の記事は…



書誌情報

『脳科学の先生! 子どもの発達障害の悩みを最新研究で解決してください』
著者:久保田競 原田妙子

最新研究で最高の子育てを!

・家計が子どもの脳に与える影響
・グルーミングで脳がストレスに強くなる
・急激に大きくなるASD児の脳
・3年後にIQを100以上にする療育

ヨメルバ人気WEB連載を書籍化(「うちの子ちょっと変わってる?」子どもの発達お悩み相談室)

全編改訂×新規書き下ろしコラム付

脳科学者が一般読者からの30のお悩み相談に答えます。
子どもを病ませない育て方とは?
わが子の「ちょっと変わってる」を障害にしないために――

・言葉の遅れには言葉のシャワー
・暴言などの虐待で発達障害と似た症状が
・喘息やアトピー性疾患の子のADHDリスク
・自閉スペクトラム症児の腸内細菌
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・子の海馬を10%大きくする親の働きかけ
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脳科学者が30の子育ての相談に最新研究で答えます!


著者:久保田 競著者:原田 妙子

定価
1,540円(本体1,400円+税)
発売日
サイズ
四六判
ISBN
9784041095317

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