
「子どもは勝手に大きくなる」は大間違い! 身長は食事と生活習慣を変えればなりたいスタイルを目指せるかもしれない! 身長を伸ばすまったく新しいメソッド21を掲載した『1万5000人のデータに基づいた すごい身長の伸ばし方』をためし読み! ”身長外来”のパイオニアが効率的に身長を伸ばすメソッドを伝授します。
連載第1回は、第1章「成長についてまったく新しい考え方の提案」の中から「みなさん、ほうっておけば身長は勝手に伸びると考えていませんか?」と「データをそろえることが身長を伸ばすためのスタートライン」を紹介します!
※本連載は『1万5000人のデータに基づいた すごい身長の伸ばし方』から一部抜粋して構成された記事です。
みなさん、ほうっておけば身長は勝手に伸びると考えていませんか?
みなさん、身長を何㎝まで伸ばしたいですか?
私がまず最初に提案したいのは、自分の目標身長を決めることです。
というのも、ただ、ぼんやりと背が伸びればいいな、と思っているだけでは十分ではないからです。
お子さんの身長を伸ばすクリニックの外来で、みなさんの相談を受けていると、しばしば感じることがあります。
多くの人が、子どもの成長(身長の伸び)について誤解や勘違いをしています。
「身長はほうっておけば、勝手に伸びる」
というのが、とても多い誤解の1つです。
それと似たような誤解の1つに、「高校生になったら、身長が伸びる」と考えている人も、けっこうたくさんいらっしゃいます。
しかし、残念ですが、「どうせいつか伸びるだろう」は甘い考え。ほうっておいて、身長が伸びる保証は何もありません。
まず身長を伸ばそうという意志を持つ、決意を固めるのが大事、といってもいいでしょう。
そこから、すべてはスタートします。
高身長とは、自分から積極的に身長を伸ばすためのアクションを起こすことで、獲得していくもの。
そういう時代になってきました。
私の身長外来やYouTubeでの動画配信でも、こうした考えに基づいてお話をさせていただいています。
では、もう一度、おたずねしましょう。
あなた(お子さん)は、目標や理想の身長がありますか?
もしもなかったら、自分の目標の身長を決めましょう。たとえば、「180㎝台までいけたらいいな!」「憧れている○○○○さんくらいになりたい!」といった理想の身長でも、もちろんOKです。男子なら、「絶対170㎝台には乗せたい」とか、女子なら「160㎝はほしい」「平均身長よりは、もうちょっと上がいい」など、いろいろな目標設定があります。
ただし、石にかじりついてでも、何が何でも達成したい最低ラインの目標値こそが重要。何が何でもという強い意志が大事なのです。
まずは、目指すところを定めること。
そして、その身長に1㎝ずつでも近づいていくために、日々、できることを積み重ねていく必要があります。
では、身長を伸ばすために、重要な要素とは何でしょうか。
身長が伸びる仕組みはどんなメカニズムか、身長が止まる決め手となるのはどんな要素か、身長が高くなる人にはどんな特徴があるのかなどなど、医学的な研究の進展によって、新たにわかってきていることがあります。
こうした研究や新しいデータが身長を伸ばしていくための貴重な手がかりとなります。
データ&論文なども紹介しながら、これから、成長ついての新しい考え方を紹介していきます。
データをそろえることが身長を伸ばすためのスタートライン
身長を伸ばすために、ぜひチェックしておきたい重要な要素が6つあります。それは、最終身長を左右する要素でもあります。まず、その6つをピックアップしておきます。
〈最終身長に関わる6要素〉
- 現在の身長
- 両親の身長
- 過去の身長
- 思春期症状
- レントゲン検査
- 血液検査
それぞれ、簡単に解説します。
1. 現在の身長
いうまでもなく、これから、あなたの(お子さんの)身長を伸ばしていくためのスタートラインとなる数値です。
この数値をベースに、最終身長も含めた将来の身長を考えていきます。
2. 両親の身長
お子さんの身長は、ご両親からの遺伝的な影響を受けています。ご両親の身長を確認しておきましょう。
3. 過去の身長
現在に至るまでの身長の記録があれば、それは将来の身長を予測するための貴重な材料となります。
もしも記録があれば確認してください。
詳しくわかればわかるほど役立ちます。
4. 思春期症状
思春期とは、性ホルモンの分泌が始まる時期です。
男の子の体が男性の体へ、女の子の体が女性の体へと変わっていきます。
その体の変化(男子なら「陰毛が生える」、女性なら「胸が大きくなる」など)がいつ始まったか、もしくは、まだ始まっていないか、チェックしておくことがとても大切です。
思春期に入ると、身長の伸びにも加速がかかりますが、いつごろから思春期が始まったかが、身長の最終的な伸びと密接に関連しています。
5. レントゲン検査
本書では主に、手のレントゲン検査を取り上げます。
身長の伸びと最も関連の深い部分(骨の「骨端線(こったんせん)」といわれる箇所)を撮影し、それが最終身長を予測する重要なデータとなります。
6. 血液検査
私たちのクリニックでは、血液検査によって、多くの数値を調べますが、中でも、「ALP」を重視します。
ALPは、骨の代謝を示す数値です。
これも、最終身長を予測する重要な指標となります。
レントゲン検査と血液検査の数値については、整形外科などで調べる必要がありますが、その前の4項目については、お子さん自身やご両親が確認できるものばかりです。わかるデータはできるだけそろえておくとよいでしょう。
【書籍情報】