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もっとわかる! はじめての、親子えほん 第16回<おとなが夜に読む絵本>


こんにちは《聞かせ屋。けいたろう》です。
今回は、おとなにおすすめの静かな夜に読みたい絵本。映画のような物語を紹介します。


まずは


『夜のあいだに』(ゴブリン書房)


 

重々しい空、人々が下を向いて歩くグリムロック通り。一人寂しげに座り込む少年。
ある朝、その場所で不思議なことが起こります。昨日まで、ただただ緑を茂らせていた大木が、フクロウの姿に変わっていたのです

 



 



 

それから……次の朝にはネコが、その次の朝にはウサギが、町の木をキャンパスとして現れ出たのです。朝が来る度に通りは色付き、町の人たちは上を眺めることが多くなりました。
ページをめくる度に明るくなって行く、人々の表情を見ていると、読者の自分まで気持ちが明るくなって行きます。


 



 

原題は[The NIGHT GARDENER]=真夜中の庭師。たった一人の庭師による真夜中の仕事が、町を変えていったのでした。なぜそれは「夜」に行われていたのか、彼は何を思って木を刈るのか?
邦題をあえて『夜のあいだに』としたのも技アリですね。
その場所が、人々の心が、豊かに色付いていく様子を見事に描いた絵本です。

 

もう一冊紹介します。


『よるのかえりみち』(偕成社)


 




母親に抱かれて歩くウサギの子。景色が後ろ向きに過ぎて行き、ふとすれば瞼が落ちてきそうな、夜の帰り道です。皆に等しく訪れる、夜。
それぞれの夜を絵本の中で少し、覗き込みます。町を染める黒が何とも深く、柔らかく、少し切ない。




夜の帰り道に聞こえる声、漂ってくる匂い、窓の向こうに感じる雰囲気。
ひとりの時間、誰かとの時間、賑やかなパーティー。お風呂に入ったり、本を読んだり、灯りを消したり。「時」として見れば、同じ「ある夜」なのに、人の数だけ夜があることを思います。
誰かの夜を思うこと、想像することはありますか?
最近の自分にとっての夜は、急ぎ足。今日という日を閉じようと、ベッドを目指す夜ですが、何だかそれがもったいないような気がしました。
毎夜、することはありますか? 今夜の予定はありますか?
今夜は急がず、音楽をかけて、本でも読んでみようかな。

 

あ……良かったら皆さん、これらの絵本を読んでみてください。
今夜の予定の一つとして、是非。

 


作 テリー・ファン&エリック・ファン 訳 原田 勝

定価
1,870円(本体1,700円+税)
発売日
サイズ
30.5cm×21.6cm
ISBN
978-4-902257-37-3

作 みやこし あきこ

定価
1,430円(本体1,300円+税)
発売日
サイズ
27cm×21cm
ISBN
978-4-03-332460-9

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