ヨメルバ編集部がセレクトした絵本を、聞かせ屋。けいたろうさんといっしょに掘り下げます。第二十一回は、インパクトがすごい絵本『いちごりら』です。
『いちごりら』(文:麻生かづこ 絵:かねこまき ポプラ社刊)
ヨメルバ:この絵本は2024年の大インパクト絵本ですね。
けいたろうさん:そうですね。
この絵本は表紙がめちゃくちゃいいんですよね。絵を描いてるかねこまきさんは『めんぼうズ』っていう著作があって、人面の綿棒を描いてるんですよ。そういう絵のスタイルなので、表紙のゴリラがインパクト抜群です。
ヨメルバ:イチゴもゴリラもリアルな感じですよね。
けいたろうさん:そうですね。ちょっと気持ち悪い感じがいいと思います(笑)。
ヨメルバ:表紙のゴリラと目が合うんですよね。それで思わず手に取って、読んで、購入するパターンなのかなと思いました。
けいたろうさん:そうですね。絵本の絵って“絵になる”んですよ。好きな絵本を面で見せるだけでも、部屋を飾るインテリアっぽくなったり。お気に入りの表紙を並べてみるのも、なかなかいいと思います。僕の家には、表紙を見せて飾れる本棚がありますよ。
ヨメルバ:なるほど、素敵ですね。
この絵本は家や保育園で読まれたりしましたか?
けいたろうさん:家でも保育園で読んだんですけれども、思った通りの反応が子どもから返ってくるので、すごいなと思っています。
ヨメルバ:どんな反応ですか?
けいたろうさん:「ありえない」っていう笑いですよね。
ヨメルバ:なるほど。この絵本は、内容としてはダジャレですが、ダジャレのヒントが出てくるじゃないですか。例えば、ゴリラがイチゴを食べたら、いちごりら。ブドウが好きなウサギ。ウサギとブドウで「う」が一緒だから……ぶどうさぎか。とか、次は何が来るのかと、子どもたちも考えてるんですか?
けいたろうさん:そうですね。繰り返しパターンの絵本で、「来るぞ来るぞ、次も来るぞ」って期待して、その通りのものが返ってくるので、それがおもしろい。ベタでいいんですよね。
ヨメルバ:そして、絵が自分の想像の上をいってるっていうのがいいですよね。
保育園だと何歳ぐらいに読んだんですか?
けいたろうさん:3歳でも4歳でも5歳でも読んでます。幼児の中でもちょっと上の歳の子の方が、より楽しいっていう感じでした。対象年齢が広いので、おはなし会でも活躍すると思います。
ヨメルバ:小学生はどうでしょうか?
けいたろうさん:小学生でもおもしろいと思いますよ。この絵本、文章はすごく短いんですけれども、小学生だから文章の長い絵本じゃないといけないっていうこともなくて。絵本として質の高い作品って、文章が短いものが多いんですよね。絵と文のバランスなんですよ。「この絵を持ってくるのであれば、文章はこれぐらいでいい」っていう、さじかげんが大切。
この絵本で言えば、麻生かづこさんがこのアイデアを思いついて、文章も考えるという役割分担なのですが、そこが秀逸です!
ヨメルバ:ある程度大きい子の方が、「ありえない」っていう感覚が楽しめますよね。絵の情報量が多いから、おとなでも十分楽しめますね。
けいたろうさん:そうですね。おとなでも楽しめると思います。
おとなもおもしろがれるって、大事なことですよね。
この絵本を読んだら、何かを学べるとか、そういうのじゃなくて、
親子で一緒におもしろがったから、親子で同じ絵本を好きになる。そういう魅力があると思います。まぁ、ちょっと気持ち悪いですけどね (笑) !
作:麻生かづこ 絵:かねこまき
- 【定価】
- 1,595円(本体1,450円+税)
- 【発売日】
- 【サイズ】
- 243mm x 212mm
- 【ISBN】
- 9784591181836