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子育て・教育

季節の遊びが子どもたちを育む! 教育の専門家スペシャル対談【後編】

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◆前編はこちら


親子で一緒に楽しめる春夏秋冬「季節遊び」のコツ!

__保護者が子どもと一緒に楽しめる遊びはどのようなものがありますか?

【春の季節を感じる遊び】

横山先生:春はいろんな植物が育ってくる季節。雑草を観察しながら行う草相撲はおすすめです。


写真:PIXTA


麻生先生あとはタケノコ。旬の期間は短いですが、春ならではです。探しに行けたらいいですけど、買ってきたタケノコの皮をお子さんと一緒にむくのも、楽しいし学びになります。


『あそべるひらめくきせつの図鑑』P16-17


 

【夏の季節を感じる遊び】

横山先生:夏はセミ探しがおすすめ。どこの木にいるか、鳴き声を比べたり羽の形を観察したり、抜け殻を探したりしても楽しいですよ。あとはお庭の草むしり。草の生命力を実感しながら、庭の掃除にもなって一石二鳥です。


『あそべるひらめくきせつの図鑑』P30-31


麻生先生:家の中で色水遊びをしたり、旬の野菜を輪切りにしてスタンプ遊びもいいですね。あとは親戚が大勢集まる機会があれば、スイカ割りもぜひ挑戦してほしいです。目隠しをしている人にとっての左右はどちらか考えて指示を出しますし、声が聞こえる方に向かっていく感覚も育めます。

横山先生:夏といえば花火。線香花火の「パチパチ」など、「どんな音がするかな?」とオノマトペクイズをするのもいいですね。


写真:PIXTA


 

【秋の季節を感じる遊び】

麻生先生:秋と言えば落ち葉。紅葉した色とりどりの落ち葉を拾い集めて並べる「落ち葉アート」も楽しいです。


写真:PIXTA


横山先生:どんぐりコマやどんぐりの帽子をマッチングさせたりするのも面白いですよ。あとは、松ぼっくりが濡らして縮むという性質を活かして、濡らして口の小さいビンなどに入れて、乾燥したら出せない!と言う実験もおすすめです。


『あそべるひらめくきせつの図鑑』P46-47


 

【冬の季節を感じる遊び】

横山先生:冬は氷作りがおすすめです。洗面器に水をはり、その中にお花やラメなんかを入れてベランダに置いておくと、とってもきれいな氷ができますよ。

麻生先生:その氷が「どうしたら早く溶けるか」を調べるのもいいですね。水をかけたり日向に置いたり……。あとは都会だと見つけにくいかもしれませんが、霜柱があったら踏んでみて、ザクザクという音と感触も体験してほしいですね。


写真:PIXTA


『あそべるひらめくきせつの図鑑』P62-63


図鑑を手元に置いて、生活の中で季節の移り変わりを感じてほしい

__最後に、保護者の方々が忙しい日々の中で子どもに季節遊びを経験させる際の言葉のかけ方や図鑑の活用方法を教えてください。

横山先生:図鑑は本棚にしまうと取り出すのがおっくうになってしまうので、机の上に置いていつでも手にとれるようにしてほしいですね。あとは、四季のイラストのページで「絵探し遊び」をしてみましょう。アマガエルはどこ? カタツムリはどこ? と親子で交代して問題を出して、何秒で探せるか、競い合ってみるのもおすすめです。そのうちに、どの絵がどの季節のページにあるかを覚えてくるはず。もちろん、図鑑の写真と実物を照らし合わせに外に出かけるのもいいですね。


『あそべるひらめくきせつの図鑑』P22-23


麻生先生:私もこの四季のイラストのページ、とっても大好きです。これだけで授業が展開できると思います! 今は春や秋が短くなっているとはいえ、四季があるのが日本のよさなので、ぜひ親子で季節を感じる遊びをたくさんしてほしいですね。

横山先生:この図鑑は持ち歩きもしやすいコンパクトサイズなので、家の中だけではなくて持ち歩いてボロボロになるまで使い込んでほしいですね。
季節のカレンダーの欄があるので、そこに家族の誕生日を書くのもおすすめ。時が流れ季節が移り変わるのを感じられるようになるはずです。


『あそべるひらめくきせつの図鑑』きせつカレンダー


麻生先生それは素敵ですね。季節って「今日から夏、秋」と変わるのではなくて、順々に移り変わっていくものですが、それを幼児が体感するのって難しいんです。特に幼児は、直前の季節の出来事を忘れやすいので、図鑑を使って戻ったり進めたりできるのはいいですよね。秋が近づいてきたら秋のページを見て、秋を見つけに散歩したり、夏のページに戻ったりして、季節の移り変わりを感じてもらえるといいなと思います。
あとは、季節の行事でも四季を感じられますよね。たとえば、お雛様や鯉のぼりの折り紙がひとつあるだけでも、家の中に季節感が出るし、心が豊かになります。

 

横山先生いいですね。お子さんが幼稚園や保育園で作った季節の作品を飾り、それをもとに話すだけでも季節の学びになりますよね。子どもは自分が作ったものを親が飾ったり大事に保管したりしてくれると、「自分が大事にされているな」と感じるんです。もちろん、今回ご紹介したような季節遊びは、ただやらせるのではなくて、「どうやるのかな?」と問いかけ「教えてくれてありがとう」「真剣に見ていて偉いね」と、過程や意欲を褒めてあげてくださいね。




インタビュー:加藤朋美
撮影:瀬戸口善十郎


【プロフィール】

横山洋子

千葉経済大学短期大学部こども学科学科長・教授。富山大学大学院教育学研究科学校教育専攻 修了。国立大学附属幼稚園教諭、公立小学校教諭として17年間の現場を経て現職。著書に『こどもおうちあそび大全』(永岡書店)、『子どもの育ちを伝える幼稚園幼児指導要録の書き方&文例集」(ナツメ社)、『根拠がわかる! 私の保育総点検」(中央法規)など多数。監修に『あなたのからだをだいじにするほん』(Gakken)『0・1・2歳児 保育のあそびまるごとBOOK』(KADOKAWA)『保育所&幼稚園 実習の記録と指導案まるごとBOOK』(KADOKAWA)など

 

麻生尚子

伸芽会教育研究所副部長。幼児教育歴26年の経験を生かし幼児の発達に応じたきめ細かい指導により、保護者からの信頼も厚い。雙葉小学校をはじめとする女子難関校から共学難関校、幼稚園受験まで幅広い合格者を輩出。絵本『やってみよう!』の監修者。




【書籍情報


監修: 横山 洋子

定価
1,760円(本体1,600円+税)
発売日
サイズ
B5変形判
ISBN
9784041158838

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