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絵本の読み聞かせはいつから行うと効果的?  0~1歳に初めて読むおすすめの絵本も紹介


想像力や感性を育み、語彙力をアップさせる効果もあると言われる絵本の読み聞かせ。「いつから始めればいい? 0歳だと早すぎる?」「どんな絵本を選べばいい?」など、読み聞かせに関する疑問を、お茶の水女子大学特任教授で、幼稚園教諭やこども園の園長なども務めてきた宮里暁美先生にうかがいました。


監修:宮里 暁美(みやさと あけみ)
お茶の水女子大学特任教授
お茶の水女子大学こども園園長として園運営に携わり、「つながる保育」を主軸に置いた教育・保育活動を展開。保育の現場や保育者の養成に30年以上にわたり従事。

 

もくじ

読み聞かせはいつから始めるのがよい?


0~1歳児に初めて読む絵本の選び方とおすすめ作品



ヨメルバ編集部が読み聞かせにおすすめする絵本


 

読み聞かせはいつから始めるのがよい?

子どもへの読み聞かせを始めるのは、新生児の頃から?おしゃべりができるようになってから?それとも、ママが妊娠中の時から? 実際に読み聞かせを始める時期について、宮里先生に聞きました。


おすわりができるようになってから本格的にスタート

「〇ヶ月から始める」という厳密な決まりはありませんが、4~5ヶ月ころから「こんな絵本を読んであげたい」という絵本を選んで、子どものそばに置き、おすわりをしたり、おもちゃで遊ぶようになる頃に興味を持って手にとるような様子が見えたら、読んであげる、という感じがいいと思います。

ママやパパのひざにおすわりさせて、絵本のページをゆっくりとめくりながら、読んでみてあげてください。なじみのあるママやパパの声にのせて、ページをめくるたびに絵や色が変わり、赤ちゃんはそこからたくさんの刺激を受けるのです。

0~1歳の頃は、文章があまり長くなくて、視覚的にわかりやすいものや、赤ちゃんの手でも扱いやすい大きさや形のものを選んでみるのがいいですね。

「妊娠中から読んだ方がいい?」「胎教にもいい?」と聞かれることもあります。ママの声がおなかの赤ちゃんに聞こえていると言いますが、何を話しているかというよりも、ママの声の響きや音色、そしてその声に込められた気持ちが伝わっているのではないかと思います。

もちろん、絵本を読んであげるのもいいと思いますが、生まれてくる赤ちゃんを思って、心穏やかに生活したり、時に優しく呼びかけたりすることが何より大切です。




読み聞かせのコツや注意するところは?

「読み聞かせ」という呼び方だと、「しっかり読んであげなければいけない」と、プレッシャーに感じる方もいるかもしれませんが、楽しく読めばどんな読み方でも大丈夫です。絵本の始まりから順を追って見るのもいいですが、好きなページを開いて、「黄色いボールがあったね」「ねこさんが歩いているんだね」などと、絵本に描かれている絵について、お話するのもいいですね。

あとは、赤ちゃんの近くに絵本を置いて、実際に触れさせてあげるのもおすすめです。好きなページをめくって「あ、あ」と何か話したそうにしていたり、絵本に描かれている動物に触れたり、絵本をちょっとかじってみたり、思い思いの楽しみ方をしていくでしょう。

「1日1回必ず読み聞かせをする」と決めるより、赤ちゃんとの生活の中でさまざまな形で絵本に触れる機会をなるべく持つようにするといいと思います。「寝る前に1冊読む」「土日に読んであげる」など、親子で楽しみにするタイミングを決めるのもいいですね。

忙しい時に子どもに「本読んで!」と言われると、ついイライラしてしまって、そのイライラが言葉や声色にでてしまうこともあるので、無理をしないことが大切です。しかし、絵本を読んであげることは、心豊かな育ちにつながる教育上とても良い効果があることなので、「本読んで!」のリクエストに応えるか応えないかは、豊かな子どもになるかどうかの分かれ道になっているとも言えるでしょう。

0~1歳児に初めて読む絵本の選び方とおすすめ作品

これから絵本の読み聞かせを始めようと思っている方におすすめの作品や、絵本を選ぶ時のポイントなどをお話します。




0~1歳児への絵本の選び方

 子どもの手でも持ちやすいサイズ 
ママやパパが持って読んであげることもありますが、子どもが自分でめくることができると、自分自身で遊ぶこともできます。子どもは、気に入ったページを開いたり、元に戻ったりしながら絵本で遊ぶので、コンパクトサイズで扱いやすいものがいいでしょう。絵本の角が丸いものは、より安全性が高いですね。

 ページ数が少ないもの 
ページ数が多いと絵本が重たくなるので、ページ数は少なく、軽めのものを選ぶようにしましょう。子どもの手でもめくりやすく、お出かけの時に持ち運びやすいのでおすすめです。

 視覚的にわかりやすいもの 
使われている色がカラフルだったり、たくさんのものが描き込まれていなかったり、パッと見てわかりやすいものがいいですね。「シンプル過ぎて、飽きてしまうのでは?」と思うかもしれませんが、「この赤い丸は何に似てる?」などと、話を発展しやすいという見方もできます。


 

 0~1歳児におすすめの絵本 

 

【シンプル】形や色の変化で展開し、赤ちゃんでもわかりやすい

ごぶごぶ ごぼごぼ (駒形 克己 作/福音館書店 刊)



「ぷーん」「ぷぷぷ」など、赤ちゃんになじみのある擬態語が使われています。色も赤や黄色など、カラフルなものが使われていて、丸みのあるイラストがとてもかわいらしい。小さな丸がだんだん大きくなったり、色が変わったりして、子ども達は食い入るように見ています。

 

まるてん いろてん (中辻 悦子 作/福音館書店 刊)



色とりどりの丸が、並んだり、くっついたり、ページをめくるたびに変わって行くのがおもしろく、子ども達からもリクエストされることが多い絵本です。文字が少ないので、開いた時に描かれているものがすっきり見えて、子どもでも理解しやすいんだと思います。

 

【乗り物・食べ物】生活の中で見かけることがあるものは親しみやすい

でんしゃ (バイロン・バートン 作・絵/こじままもる 訳/金の星社 刊)



子どもは性別を問わず、乗り物が大好きなので、まずこの表紙を見てとてもニコニコっとしてくれます。線路やトンネル、踏切など、電車にまつわるものがたくさん出てきて、少し物語性もあり、かと言って難しい内容ではないので、長期に渡って楽しむことができます。

 

くだものさん (tupera tupera 作/Gakken 刊)



りんごやみかんなど、子ども達が大好きなくだものが主役になっている絵本は、イラストもユーモアたっぷりで、人気が高いです。読んであげると、子ども達が「早く早く!」と、次のページをめくることをわくわくしながら待っているのが印象的。

 

【親子】読みながら、親子でほっこりした気分になれるのでおすすめ。

くっついた (三浦太郎 作/こぐま社 刊)



金魚さんやぞうさんなど、ページをめくるたびに、さまざまな生き物がくっついていく絵本。最後には、ママやパパと私が「くっついた!」となるところで、思わずにっこり♪ ぜひ、親子で読みながら、「くっついた!」してみてくださいね。

 

おひさまあはは (前川かずお 作/こぐま社 刊)



花や木や太陽が「あはは」と笑っているという内容。なんてことない日常の風景も、「あはは」と笑うだけで楽しいものに見えてくるもの。最後にママが男の子を抱っこして「あはは」と笑う場面が、とても幸せそうで、見ているだけで笑顔がこぼれます。

親子が笑顔になれる楽しい絵本をたくさん読もう!



小さい頃にママやパパに本を読んでもらった記憶というのは、子どもの心の中にしっかり残るもの。
子どもの「好き」を知るきっかけになったり、絵本の中だけで出会えるキャラクターがいたり、絵本はさまざまな可能性を秘めています。
忙しい毎日の中で、子どもとのコミュニケーションを深めるひとつのツールとしても、絵本はとても効果的なものであると言えます。ぜひ、たくさんの絵本を親子で楽しんでみてくださいね。

ここからは、ヨメルバ編集部が読み聞かせにおすすめする絵本を紹介!

読者のみなさんから「買ってよかった!」という感想を多くいただくおすすめの絵本を紹介します。

【初めての絵本】0歳から楽しめるかわいい絵本。

Sassyのあかちゃんえほん にこにこ



発達心理学を研究し、デザインされたトイブランドSassyのキャラクターとグラフィックが描かれた絵本。生後2~3ヶ月の乳児にも認識できるはっきりとした色やイラストが特徴。

 

新装版 Sassyのあかちゃんぬのえほん あーそーぼ



シャカシャカ音のするページや、ひっぱって遊べるひもやリボンがついた布絵本は、指先を動かしながら、目と脳の発達を促します。お出かけ時にも携帯しやすく、初めての絵本に最適!

 

【寝かしつけに◎】寝る時間になったら読んであげて♪

ねむねむごろん



ぞうさんやくまさんなどの動物たちが、みんなねむねむ……。そんな姿を見ている子どもを自然と眠りの世界に誘います。寝る時間になってもなかなか寝られない子どもにもおすすめの一冊。

 

【子どもの心の成長を助ける】安心感や信頼感を与えることができる。

なで なで なーで



動物や赤ちゃんが、ママに口や頭や首などをやさしくなでなでしてもらい、見ているだけでほっこりする絵本。日々、発達していく子どもに向けて、ママやパパからの愛情を伝えるのに最適です。

 

【子どもの反応が良好!】大好きな「いないいないばあ」

おばけのばあ



子どもがちょっぴり怖がる存在のおばけが「いないいないばあ」と、楽しませてくれます。「おばけさん、〇〇ちゃんとお友達になりたいのかな?」と、やさしく声をかけながら、反応を楽しんでください。

 

【3歳~ずっと楽しめる】育児の中にワクワクを♪

かえましてん



横から見ると四角のケーキも、上から見ると三角、丸などいろんな発見があるということがわかる絵本。子どもと一緒に読むことで、子どものひらめき脳が育ち、食育をすることもできます。

 

きょうりゅうかくれんぼ



ティラノサウルス、トリケラトプスなどの恐竜たちが、海や森などさまざまな場所でかくれんぼ。「どこにいるかな?」と、声をかけながら、一緒に探すことができる参加型絵本。恐竜に興味を持つきっかけにも。


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