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絵本には子どもから大人まで楽しめる作品がたくさんあります。わが子への読み聞かせやプレゼント用に絵本を探している人も多いのではないでしょうか。しかし、絵本にはさまざまな作品や種類があり、どれを選べばいいか迷ってしまうもの。そこで今回は、長年絵本に親しんできたヨメルバ編集部が、赤ちゃんから夢中になれる人気絵本と年齢別の絵本の選び方を紹介します。
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<ヨメルバ編集部>
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絵本の読み聞かせは親子の絆を深めてくれる大切な時間。そのため、0歳から始めても決して早すぎることはありません。この時期の子どもに向けた絵本を選ぶポイントと人気絵本をご紹介します。
0歳児への絵本の選び方
見たり聞いたりさわったり、五感で楽しめる絵本がおすすめ!
赤ちゃんの視力はまだ成長段階のため、色と形はできるだけわかりやすい方が認識しやすいといわれています。カラフルな色が使われていたり、大きくて単純な形や模様が描かれている絵本は、赤ちゃんにも見やすく、安心して楽しめます。
また、リズミカルな音を聞いたり、絵本に触っているだけでワクワクする、オノマトペが描かれている絵本や、めくりやすいボードブック、布絵本などもおすすめです。目や耳で感じ、手で触って楽しめる絵本で親子の時間を楽しんでみてはいかがでしょう。
0歳児におすすめの絵本3選
赤ちゃんの時期から夢中になれる人気絵本3作品をご紹介! どれも赤ちゃんの興味を引くような個性的な作品なので、ぜひ一緒に楽しんでみてください。
「Sassy」シリーズ監修で生まれた初の布絵本『Sassyのあかちゃんぬのえほん あーそーぼ』
文・絵・デザイン/La ZOO 監修 /Sassy/DADWAY
赤ちゃん向け絵本として人気の「Sassy」シリーズから生まれた初の布絵本。しゃかしゃか音が鳴ったりリボンを 引っぱったり、おもちゃとしても遊べます。世界的人気育児ブランドのDADWAYが作品を監修しています。
「ベビーカーに付けて毎日のお出掛けに持っていきたい、軽くて丈夫な布の絵本です。洗濯できるので、赤ちゃんがかみ付いても、ぺろぺろ舐めても大丈夫。ひもを引っ張ったり、本をガシッとつかんだりと遊び方は自由自在!」(ヨメルバ編集部)
刊行以来人気のボードブックシリーズの大人気作『しましまぐるぐる』(Gakken)
Gakken
2009年に発刊されて以来、またたく間に人気になったボードブックです。コントラストが強くカラフルなデザインで「しましま」と「ぐるぐる」が見開き一面に登場。赤ちゃんが注目しやすい特徴が詰まった一冊となっています。
「カラフルなしましまとぐるぐる模様に赤ちゃんも夢中! 模様の中からお顔がひょっこり出たり、模様がおいしそうなキャンディやふわふわなタオルになったりと、思わず次のページをめくりたくなります。出産祝いにもおすすめです」
ページをめくるのが楽しい三浦太郎さんの人気作品『くっついた』(こぐま社)
三浦太郎 作
ページの端と端にいる動物が、ページをめくるとくっついた! その繰り返しを何度でも楽しめる赤ちゃん絵本です。三浦太郎さんのシンプルで温かみのあるイラストにほっこり。親子のスキンシップにも最適です。
「動物たちがくっついて、最後にパパとママ、赤ちゃんがくっつく。愛情と優しさがあふれ出す絵本です。親戚が集まる場で、この本を読み聞かせれば、赤ちゃんを取り囲んだ幸せ空間のできあがり!」
少しずつ言葉を話すようになり始める1歳から2歳の時期。また、自分で歩けるようになることで、興味の幅も広がります。そんな時期の子どもにぴったりの絵本とその選び方を紹介します。
1~2歳児への絵本の選び方
毎日の生活に身近な内容や簡単な言葉が描かれた絵本がおすすめ
1歳から2歳は食べる、寝る、保育園に行くなど、生活の中で繰り返されることに興味を持ち始める時期。自分の生活になじみのある内容なら、子どもも絵本を読みやすいのではないでしょうか。
また、この時期は保育園などで「はーい」と元気よくお返事できるようにもなりますよね。簡単な言葉なら、ママやパパといっしょに声に出して絵本を読める場合もあります。じっと絵本を楽しむことが苦手でも、いっしょに声に出して読める絵本なら次々と読めるかもしれませんね。
1~2歳児におすすめの絵本3選
おかずになりきって元気よくお返事!『おべんとうバス』(ひさかたチャイルド)
作・絵/真珠まりこ
赤いバスに次々とお弁当のおかずたちが乗り込んできます。乗り込むたびに「はーい」と返事をするおかずたち。バスや食べ物、お返事など、子どもが大好きで身近な物がたくさん出てきます。愛嬌のあるおかずたちにも注目です。
「子どもたちは、たまごやきやハンバーグといったお弁当のおかずになりきって元気よく『はーい』とお返事します。おにぎりさんたちのお返事がリズミカルなのが、1歳娘のお気に入りポイントです!」
世界中で翻訳されているエリック・カールの代表作『はらぺこあおむし』(偕成社)
作:エリック・カール 訳:もりひさし
世界中から愛され続ける絵本作家、エリック・カールの代表作。アメリカでは1969年、日本では1976年に翻訳版が発売されて以来、ロングセラーとなっています。食べ物に穴が空いている仕掛けは、まるであおむしが食べたかのよう。数や曜日を知るきっかけ作りにもおすすめです。絵本の内容をそのまま歌詞にした歌もあり、読み聞かせながら親子で歌うのも楽しいかも♪
「大胆な絵柄と仕掛けが印象的で、何年経っても読み続けられる一冊。あおむしが食べるシーンでは子どももいっしょにパクッ。立派なチョウになるラストは迫力があり、子どももパタパタと羽ばたくように読んでいます」
怖いけど不思議と読みたくなる『ねないこだれだ』(福音館書店)
せな けいこ 作・絵
『いやだいやだ』など、赤ちゃんの日々の生活を描いた「いやだいやだの絵本」のうちの一冊です。同シリーズは温かみのある貼り絵が印象的で、せなけいこさんの代表作。『ねないこだれだ』は1ページ目から夜ならではの雰囲気が伝わってきて、少し怖いけれど繰り返し読みたくなる魅力があります。
「寝たくない! 寝るのやだ! 寝ないとどうなるの?そんな子どもの気持ちに応えてくれる絵本です。寝る前に読むと怖さもUP。子どもに“抱っこしながら読んで”とせがまれます」
3歳から4歳になると自分の好みがはっきりとし、それを人に伝えるのも上手にできるようになります。子どもの“好き”や“気になる”を聞きながら絵本を選べば、読み聞かせをより楽しめそうですね。
3~4歳児への絵本の選び方
子どもの自主性を促す絵本やストーリー性のある作品がおすすめ
自分の意思を伝えられるようになり、色々なことをやりたいと言いだす3歳から4歳の時期。そんな子どもに「自分一人でやったらどうなるんだろう?」と未来を想像させるだけでも、よい体験になるのではないでしょうか。その「やりたい」を理解し、子どものやる気を尊重するような絵本を選ぶと、より絵本の世界を堪能できるかもしれません。
また、赤ちゃんの時期と比べ、少し文章が長い絵本も理解できるようになってきます。子どもの関心や好みにもよりますが、ストーリー性のある絵本も読み聞かせのラインアップに取り入れてみるのもよさそうですね。
3~4歳児におすすめの絵本3選
人間味のあるネコ『11ぴきのねこ』(こぐま社)
馬場のぼる 作
ユーモアあふれる絵柄と語り口で人気を集める馬場のぼるさんの代表作。1967年に出版され、翌年には第15回産経児童出版文化賞を受賞。その後も多くのシリーズが出版されるほど人気が高い絵本です。
「ネコだけれど人間味がある11匹のほっこりとした魅力に引き込まれること間違いなし! 子どもの成長とともに、爆笑ポイントや本の感想がどう変わっていくのかなと楽しみにしつつ、何度も何度も読みたくなる一冊です」
まるで自分がホットケーキを作っているような気持ちに!『しろくまちゃんのほっとけーき』(こぐま社)
わかやまけん 作 , もりひさし 作 , わだよしおみ 作
お料理やお手伝いに興味がある子どもに大人気。しろくまちゃんが一生懸命ホットケーキを作る様子を見ていると、まるで自分が作っているかのような気持ちになれます。鮮やかなオレンジ色が基調となった絵も魅力のひとつ。ホットケーキができる工程を知り、作る喜びまで体験できる絵本です。
「しろくまちゃんといっしょにホットケーキ作りに挑戦。フライパンに入れて少しずつ焼かれる様子が丁寧に描かれていて、子どもたちは釘付け! 見ていると大人も食べたくなっちゃうくらい絵本の世界観に引き込まれます」
女の子のドキドキに共感!『はじめてのおつかい』(福音館書店)
筒井 頼子 作 / 林 明子 絵
5歳の女の子がママにおつかいを頼まれる場面から物語は始まります。一人で任されるうれしさと緊張感には、子どもも大人も共感せずにはいられません。自分一人でやってみたいと思い始めるこの時期だからこそ、自分がおつかいしている気持ちになって楽しめる作品です。
「女の子のドキドキ感が子どもに伝わるらしく、『ぎゅうにゅう くださあい』のシーンは、緊張感に包まれます。昭和のノスタルジックな雰囲気は、令和に生きる子どもには新鮮にうつるようようです。手の中であたたかくなったお金に愛おしさを感じます」
このころになると、絵本はもちろん、文字量の多い児童書も読めるようになる子どもも増えてきます。選択肢が広がる5歳以降におすすめの絵本と作品の選び方をご紹介します。
5歳児への絵本の選び方
考えるきっかけを作る絵本を選んでみよう
5歳ごろになったら、相手の気持ちやさまざまな物事を考えるきっかけになる絵本を選んでみてはいかがでしょう。日常生活の中でもお友達の立場に立って物事を考えられるようになってきますよね。絵本は自分ではない相手の気持ちを知るきっかけにもなります。
コミュニケーションを学べる絵本で、子どもの世界を広げてあげるのもおすすめです。
また、絵本の中には、生死や社会情勢、食べ物のルーツなど、大人も考えさせられるようなテーマを扱う作品もあります。そんな絵本をママやパパといっしょに読んで考えたり、世界を学んでいくのもよいかもしれませんね。
5歳以降の子どもにおすすめの絵本3選
ユーモラスな友情物語を5編収録『ふたりはともだち』(文化出版局)
アーノルドローベル 作 / 三木卓 訳紙版
世界的人気作家、アーノルドローベルによる人気作品です。仲良しの2匹のカエルが主人公で、お互いを思いやる気持ちがあふれる短編集。同作に収録された『おてがみ』は小学校の国語の教科書にも採用されています。
「読み聞かせに最適な5つの話を収録。カタツムリに頼んだお手紙が届くのを今か今かと待ちわびるがまくんとかえるくんの幸せな気持ちを想像するとほのぼのします。『おてがみ』が特におすすめです」
多くの人に生きる意味を問い続ける『100万回生きたねこ』(講談社)
作・絵:佐野洋子
100万回も生きたねこの生涯を描いた人気絵本。100万回死んでは100万回生き返り、100万人の人がねこの死を悲しんだのに、ねこは1回も泣きませんでした。その理由はなぜでしょう。1977年に出版されて以降幅広い世代に愛され、多くの人に生きる意味を問い続けています。
「生きる意味を考えさせられる、子どもから大人まで幅広い年齢層に支持されている名著。どんな感想をいただくか、どんな気持ちになるか、読むたびに少し違ってくるのが味わい深いです」
同じ言葉なのに違う気持ちを感じる?『わにさんどきっはいしゃさんどきっ』(偕成社)
作・絵:五味太郎
歯医者さんに行くってドキドキするけれど、実は歯医者さんもドキドキしてる!? むし歯を治療しに行くわにさんと、わにさんを治療する歯医者さんの心境が描かれています。『きんぎょがにげた』(福音館書店)など数々の名作を生み出した五味太郎さんの人気作。ユーモアたっぷりの絵と言葉が印象的な絵本です。
「同じセリフを繰り返しているだけなのに、それぞれの立場で感じていることが異なるのが面白い! 歯医者さんがどうしても苦手な子も『かくごはできた』のセリフを読めば、なんとか頑張れるかも!?」
さまざまな絵本がある中で、今回はヨメルバ編集部おすすめの人気絵本を年齢別にご紹介しました。子どもは絵本を通じてさまざまな体験をし、多くのことを学びます。絵本選びに迷ったら、子どもの希望を聞きつつ、年齢にあった絵本を手に取ってみてはいかがでしょう。子どもといっしょに、親子で豊かな読書体験を楽しめるといいですね!