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楽しみ方がわかる! はじめての、親子えほん 第10回<子どもは笑う! おとなはポカン!? 不思議なオノマトペ絵本>


今回は特別編として、けいたろうさんの担当編集が、けいたろうさんに「オノマトペ絵本」の楽しさについてインタビュー!
けいたろうさんが“宇宙的な絵本”という、その楽しさとは一体なんでしょう。


『がちゃがちゃ どんどん』(福音館書店)


―――『がちゃがちゃ どんどん』は、けいたろうさんがお気に入りのオノマトペ絵本だそうですが、どういったところがおすすめなのでしょうか?

オノマトペの文章と絵のピッタリ感がすごいんです。絵の配置で読み方が想像できる絵もあって、それが楽しさの一つでもあります。




―――なるほど。


ここの「どさん」という部分は、完全に落ちてきていますよね。




―――たしかにそうですね(笑)。「どさん」以外のなにものでもない。


音の波動のような絵もあります。実際のモノの動きを表している絵もありますし、音波を絵で表しているようなものもある。


―――このページはどう読みますか?
 




ここのページは、どの順番で読んでもいいと思います。
横書きなので、大人は左からとか、上から読むんですが、子どもたちの中にそのルールはない。いきなり「どかん」から始めてもいいですし。
1枚の絵をパッと見るということでは、どこから始めてもいいと思うんです。

―――絵を指さしながら読むんですか?

指さしながら読みますね。
ぼくは「ちん どかん ぱんぱん じゃらじゃら とぽん ぴちゃ ぱちん」の順番で読みます。たたみかけるように早く読むんです。

子どもにとって特におもしろいのは「とぽん ぴちゃ ぱちん」だと思います。「ぱぴぷぺぽ」は、上下両方のくちびるがくっついて音が出る、両唇音<りょうしんおん>。“おいしい音”、“たのしい音”だと思います。『がちゃがちゃ どんどん』には、この両唇音もたくさん入っている。
こういう“宇宙的な絵本”は、唖然とされることもあるので、表紙を見せた時点で「がちゃがちゃがちゃがちゃ〜どん!どん!」みたいにおもしろく読んで、表紙で一度笑ってもらうと、入りやすいです。「これが“がちゃがちゃ”、これが“どんどん”だよ。おもしろいでしょ?」という提案を表紙でしておく。それと、おとなもおもしろがるのがポイントです。

―――心構えができるということでしょうか?

はい。「楽しんでいいんだな」と、笑う準備ができる。
そして、1回しか読んではいけないというルールもないから、何度同じページを読んでもいいし。楽しくなるまで読んで進まなくてもいいし(笑)。
楽しみ方は無限大で宇宙のように広がるんです。


『もこ もこもこ』(文研出版)


―――この絵本は子どもたちが大好きな不思議な絵本として有名です。 正直、私はおもしろさがわからないんです。けれどもうちの子どもたちは大好きで、本が破れるほど読みました。

ぼくはおもしろいと思いますよ。
おとなでも「わかる」人と「わからない」人がいるのかも(笑)。

―――どのあたりがおもしろさのポイントなんですか?



ぼくは、最初の「もこ」と、最後の「もこ」がすごく気持ちいいです。「出てきた!」というかんじがする。音と絵がぴったり。
うちの娘は、「もこ」と出てきたときに、絵を手でかくしていました(笑)

―――おもしろい反応ですね!

保育現場で子どもたちがすごく喜ぶという話が広まって、『もこ もこもこ』の人気が出たと聞いたことがあります。おとなよりも子どものほうがそのおもしろさがわかった。

こんなに「理解不能」な絵本もあまりないですよね。「捉え方は自由です」という絵本はあるけれど、「捉え方がわからない」という絵本はない(笑)。
そう考えると、非常におもしろい。
対象年齢も未知ですよね。赤ちゃんからおとなまで。

よく絵本は「生まれてから死ぬまで」と言われたりするのですが、実際は対象年齢があったりするので、なかなか難しい。けれども、こういう宇宙的な絵本は本当に“生きていれば対象年齢”なのかもしれませんね。

オノマトペ絵本は、親も「おもしろがる」ということがポイントです。よくわからない、宇宙的なおもしろさを親子でたのしんでほしいです。

―――どうもありがとうございました。
 


『おおきい ちいさい』(福音館書店)


オノマトペではないけれど、宇宙的な絵本『おおきい ちいさい』。

「おおきい」と「ちいさい」だけの絵本だけど、ぼくはすごく好きなんです。こどもたちが「おおきい ちいさい」って繰り返すようになるんですよね。大きいのと小さいのがわかりやすいのと、絵にものすごくエネルギーがあるんです。絵も、文字の書体も全部ちがうから、読み方が勝手にかわっていくのもおもしろいです。
読めば子どもたちが繰り返してくれます。「もういっかい」とリクエストがくる絵本。0,1,2歳の赤ちゃんも、3、4,5歳の幼児に読んでも楽しんでくれる。年齢に関係なく楽しめます。

―――おとなになると、「この大きいが好き」「おしゃれ」みたいな見方もでてきますね。

ぼくは、この物体が一番好きです。



―――子どももおとなも、どの「おおきい」と「ちいさい」が好きか話し合っても盛り上がりそうですね!


元永 定正 作

定価
990円(本体900円+税)
発売日
サイズ
22×21cm
ISBN
978-4-8340-1024-4

谷川俊太郎 作 / 元永定正 絵

定価
1,430円(本体1,300円+税)
発売日
サイズ
B4変型判
ISBN
978-4-580-81395-3

元永 定正 作

定価
880円(本体800円+税)
発売日
サイズ
21×20cm
ISBN
978-4-8340-2681-8

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